二通目手紙第10話傲慢じゃない? 修正有2020.08

10.

"The Second Letter From Mysterious Man 二通目の手紙"



== 善意の人 + 天羽 姫苺 ==




 前と同じ封筒と厚みから、すぐに差出人が前回と同様の善意の人だと

判った。



 「こんにちは。

  前回の私の手紙読んでいただけましたでしょうか?

 あれから二人の様子を見るにつけ奥さんがご主人にどのような

対応をされたのか、分かりかねております。

 ・・というのも、まったく二人の行動に改められる節が見当たらないからです。


あの二人は今も頻繁に外回りを一緒に出掛けてますし、出張にも行ってます。

止めなくてよろしいんですか? それとも奥さんは止めるよう助言されたのに

ご主人が聞き入れなかったとか? 手紙はこれを最後にするつもりです。

 つきましては、もし奥さんがご主人の言動を信じ、このままでいい

人の家のことに口出しをしないでほしい、というお気持ちでいらっしゃるなら

私のほうもこれ以上つきまとうことは今後一切致しません。ですがそうではなく

止めようとしないご主人をなんとかしたいとお思いになってらっしゃる、と

いうことであれば私が記してあるメルアドに空メールをお送りください。

2人の様子を定期的にお知らせさせていただきます。決してご主人やあなたに

悪意を持つて接触しているわけではない者より」

 


 はぁ~、今まさに私の欲しいモノを手にした・・ってと感じかな。

 私が望めば夫と女の情報をくれるですって。


 今の段階では、相手がどんな人物なのかは分からないけれど

このモヤモヤを吹き消してくれるのは、この人物が提供してくれるという

情報しかないのだ。



 私は迷うことなく、空メールを送った。

 それから、私の身の上に何が起ころうとしているのか・・何が待ち受けて

いるのだろうか・・。まだ来ぬ未来を思い、私はむしゃぶるいしたのだった。



 

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