8止めてよ第8話傲慢じゃない? 

8.


"Question Him 問いただす3"



== 天羽 姫苺 + 天羽冬也 ==




 「じゃあ、改めて聞くよ。どうして終わった出張の話が今出てるのかな?」



 「うん、まずひとつ訂正しとく。私は出張の話っていうよりも女性の話を

しているつもりなんだけど」



 夫が思わず私を呆然とした表情で私を見てきた。


 あぁ、いやだ。


 何で分かってしまったのだろう、何かあるって。


 その何かが私にとってどれくらいの破壊力があるのか、そこまでは

分からないにせよ、しかし何かはある・・のだ。


 悲しいかな、私には夫の様子がいつもと同じとは思えない。

 嘘でも上手く演技して完璧に私を騙してくれりゃあ良かったのにね。



 「俺と篠原さんは、仕事で一緒に出掛けただけで 姫苺 に疑われるような

ことは何も無いよ」



 「ね、一緒の仕事はこの間の出張が初めてだった?」

 さぁ、冬也何て答えるの?



 「えっと、そそっ初めてだよ。だけど今後も仕事熱心な彼女に頼まれれば

一緒にまた行くことになると思う」




  「それ、止めてほしいんだけど。あなたが断れば済む話なんじゃないの?」



 上司からの命令ならいざ知らず・・

 これまでに個人的に親しい相手でないなら・・

  これが初めてだというのなら・・。




 頼まれただけで一緒に出張に行き・・

 個人的に普段から親し過ぎる間柄でいて・・


 今後もお願いされれば一緒に連れて行くですって?


 あのタレコミの二人が写っていた画像を見ていなければ、案外私も一緒の出張に

違和感を持たず、ざっとスルーしていたかもしれない。


 だけど私は見てしまったのだから、到底そんなこと許せるはずもなく。

 ここは夫に約束してもらうまで、引き下がれない。




 「ちょっ、、相手は25才の女子(子)だよ・・気を回し過ぎだよ。

 俺とどんだけ年の差があると思ってんの?まず相手が俺みたいなおじん

相手にしないよっ。

 それに仕事なんだし。


 そんなこと言ってたら仕事になんないよ?

 実はこの間彼女がいてくれて取引先との仕事がものすごくスムースに

運んだからねぇ」




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