第10話私服な至福
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
むぐう。折角の休日なんだ。もう少し寝させてくれ…。
「もうっ!不規則な生活は体によくないよ!」
俺の数少ない自慢できる点その3。
俺とはまるで血の繋がっていないような美少女の妹が毎朝起こしにきてくれる。
だからといって、一週間ちょっと前に中間テストが終わったこの時期の日曜まで6時起きは勘弁してほしいが。
「わかった…。あと5分だけ…」
「それ絶対起きないでしょ!?」
俺は布団をひっぺがされ、無理矢理起こされる。まあ、いつものパターンだな。
寝ぼけてる頭を引きずって、リビングに行くと両親は既に朝食をとっていた。
俺は無言で席に着く。
「こらっ!轍!あいさつはちゃんとせんか!だいたいお前のような若者があいさつをちゃんとせんからだなあ―――」
「あーはいはい。おはよう」
俺は親父の説教にうんざりして返事する。
俺の親父、鹿島 徹とおるは小学校の先生でマナーやあいさつには人一倍うるさい。
風の噂では子どもたちから絶大な人気があるらしいのだが、こんな説教好きの先生本当に好かれるのだろうかと疑いたくなる。
ちなみに、俺のクマの遺伝子はだいたいこの人のせいだ。
「おはよう轍。はいコレ」
そう言って焼きたてのトーストを渡してくれたのは、俺の母親鹿島 智子である。
自称主婦のなかの主婦。たしかに家事のお手並みは一級だが、潔癖症すぎるきらいがあるところがたまにキズ。
「お兄ちゃん、今日なにやるの?」
我が妹、怜奈れいなが純粋に尋ねてくる。
「家でアニメとゲームしてごろごろする」と直接的に答えようものならバッシングをくらうのが目に見えているので、あえて表現をぼかす。
「今日は予定ないから家でゆっくりしようかな…」
「ふーん。怜奈、今日友達と遊びに行くから」
「あっそ」
正直興味ない。…いや、男友達とかならもちろん話は別だが。
「轍も友達と遊びにいったらどうだ?」
すまん父よ。俺に友達などいない。
それにネット社会の今日、友達なんかいなくたって色々なことを疑似体験できるコンテンツはごまんとある。
「友達付き合いなんかめんどいだけだし…」
「お前な…。言っておくが、今のうちにちゃんと友達と遊ばないとあとで必ず後悔するぞ」
「徹さんの言う通り。思い出作りってのは大事なんだから」
「そうよ。お兄ちゃん」
…家族一同に朝から痛いところつつかれるってのはあまり気分がよくないな。
思い出ねえ…。俺も小学生までは普通に友達もいたし、休日はよく外で遊びにいったりもしたのだが…。
他人ってのはなに考えてるかよくわからんし、忖度するのもめんどい。
そんなものに付き合うくらいなら、家で好きなことして時間潰したほうがよっぽど有意義だと俺は思う。
「わかった、わかった。じゃあもしもお誘いとかあったら…。その時は行くよ」
といってもぼっちの俺にお誘いなんかくるはずもないがな!
朝食の後はそそくさと自室に戻り、録画していた『萌え萌え魔女っ娘 チグリス&ユーフラテス season2』の視聴を開始する。
今季のアニメは近年まれにみる豊作といってもいいだろう。他にも『THE iDOL M@STER』や『ひがしけ!ごちそうさまでした』なんかも録りだめしている。
ああ忙しい忙しい。
「くらえ!!!!あなたの心にメソポタミアーーーー!!!!」
いけえええええっ!!!ユーフラテスたん!!!うおおおおおおおお!!!!
どかーん…。
敵は粉々に爆発四散し、毎度お馴染みの勝利演出が流れる。
ふう…。今週の『萌え魔女』も面白かったな―。
ピンポーン。
なんだ?インターホン?珍しいな…。怜奈の友達か?
タッタッタッ…。誰かが階段を駆けあがってくる音がし、俺の聖域のドアが開く。
「お兄ちゃん!お誘い、きたよ!」
「…へ?」
怜奈はにやりとする。
「いやあ、お兄ちゃんも隅におけないね~。ほら、玄関!」
怜奈に無理矢理連れだされ、俺はいやいや玄関に向かう。
「うわっ!押すなって!」
「押さないと戻っちゃうでしょ!」
「わかったわかった」
俺を誘うヤツなんてこの地球上に存在するのか?それもわざわざ家まで来て?
…まあもし仮に存在するとしてもそれとなくやんわりお断りしよう。
「おはよう轍」
「…志水?」
なに?志水がお誘い?俺を?
というか私服の志水げらカワイイ。
個人的な指標だが、私服の女の子はいつもより1.5倍はカワイイと思う。
「…なんのつもりだ」
「ね、私たちと遊びにいかない?どうせ暇でしょ?」
「お前は俺がいつも暇だと思っているようだが…日曜日はむしろ一番忙しいんだ。アニメの録りだめを消化しなくちゃならないし、日曜クエストの周回だって…」
「それを暇っていうんじゃないの?」
「いわない。断じて」
それだけは譲れない。ゲームやアニメは俺の本職だからな。
俺はここで察す。
志水が俺を誘うなんてなにか裏があるはずだ。それは間違いなく平田さん関連。おおかた平田さんと二人きりで遊ぶ約束をとりつけたので、それに俺を尾行させ、いい雰囲気になるように演出しろ…とかか。
「…平田さんも来るのか?」
俺は一応聞いてみる。
「当たり前でしょ。だから来てよ」
「…二人きりならもうそれでよくね?わざわざ俺を誘わなくたって…」
「それが帰宅部も来るの」
帰宅部?ああ…。志水とよく話してるあの二人か。…ますます俺を誘う意図がわからん。
「いいか。第一俺は男だろ?女子の中に男一人。この気まずさを理解してくれ」
志水はどうやらそこまで思い至っていなかったようで、数秒間会話が止まる。
「…それもそうね。わかった。じゃああんたは一日ニートして腐ってなさい」
「帰りざまにディスるのやめて!?」
それだけ言って、志水は帰って行った。
何だったんだ一体…。アイツが俺への単純な好意で誘うとは考えにくいし…。
とりあえず俺は安心して自室にカムバックする。
「お兄ちゃんデート?」
怜奈はからかうように笑う。
「まさか」
本当にまさかだ。俺と志水がデートなんてありえない。釣り合っていないのは自覚している。
「なんだ。つまんないの」
「お前はなにに期待してるんだ…」
***
ちっ。轍はダメね。
私は心の中で毒づく。
数日前。帰宅部部室。
中間テストが返却され、私たちはいつかの絶対服従権について話し合う。
「さてさて…勉強してなかったのはどちらのほうかなあ?」
みちるは不敵な笑みを浮かべる。
「せーので結果の紙を出そう。せーので」
「わかりましたぁ」
「…いいよ」
正直私の結果は散々だったが、まさか最下位ってことは…ないよね?
「せーのっ…」
私たちは一斉に結果の紙を出す。
…どうだ?
「おっしゃーーーーっ!!僕が一番!!」
みちるが一番なのは大体想像ついたが…果たしてπ子は…。
「あり?勝ちましたぁ。真理ちゃんがビリですねぇ」
「え?嘘?」
これでも私なりに一夜漬けとかしたんだけどなあ。負けちゃったか。
「さーて真理…。忘れてないよね?」
な…なに命令されるんだろう。
限度は超えないように約束したはずだし、ドンキの世話一カ月とかかな…。
「部員を二人、連れてきてほしいのです」
「…それが命令?」
「うん。もちろん帰宅部の器に適う人材をね」
あー…そういえば部員もっと欲しいとか言ってたっけなあ。
「…やっぱり一年生とかのほうがいいわよね」
部の存続を考慮すると、後輩のほうが何かと都合がいいだろう。
「いや大丈夫。美凛先生いわく今年の一年生は軒並み適性がないらしいから」
「そうなんだ」
私は納得したフリをしておくが、帰宅部の適性が何なのかはよく分からない。
「じゃ、よろしく!」
「…しょうがないわね」
これが数日前の出来事。こうして私は帰宅部の適性者を二人連れてこなければならなくなった。
もちろん、一人は私の中では確定している。文芸部が実質一人なら弥勒ちゃんが帰宅部に入部したところで困る人はいないだろう。
問題はあとの一人。
個人的には轍を入部させたいが、あの感じだと難しいかもしれない。かといって、私他に話せるような人いないしなあ…。
みちるとπ子には吉川先生の入部審査の前に、弥勒ちゃんと親睦を深めてほしいという内容のRINE送ってある。
二人はまさか私がこんなに早く部員候補を提案してくるとは思ってなかったようで驚いていたが、こころよくオーケーしてくれた。
弥勒ちゃんの私服姿楽しみだな。どんなの着てくるのかなあ。ふふふふ腐。
私は期待を胸に膨らませ、待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所は定番のパチ公前。
π子とみちるは既に来ていた。
みちるはキャップにホットパンツといったイメージ通りのボーイッシュな格好で、π子はオシャレめなオーバーオールを着ていた。さすがというか、二人とも相変わらずハイセンスだ。
「真理!弥勒さんは?」
「RINEではあと5分だって」
「楽しみですねえ。弥勒ちゃん」
私たちは雑談をしながら弥勒ちゃんを待つ。ほどなくして、弥勒ちゃんらしき人物が歩いてくるのが見えた。
飾り気の少ない真っ黒なワンピース…。
それはお世辞にも他所行きの格好とは思えず、周囲からはかなり目立っていた。
「ごめんなさい。待たせてしまったわね」
しかし近くで見ると、白い肌とのコントラストが綺麗で第一印象よりは悪くない。
むしろ弥勒ちゃんの艶めかしさが際立っている。
「弥勒さん!早速で悪いんだけど『弥勒』って呼んでもいい?」
みちるはぐいぐい攻めていく。コミュ力お化けか。
「…いいわよ」
弥勒ちゃんは多少面食らったようだが、断る理由も特に見当たらないので承諾する。
「まずはどこにいきますかぁ?」
「…んーそうね。こう言っちゃなんだけど、やっぱり弥勒の服は目立つから…」
「お洋服屋さんですねぇ」
「ごめんなさい。服とかにあまり興味がなくて…」
弥勒ちゃんは目に見えて落ち込む。
落ち込む弥勒ちゃんもカワイイ(小声)。
「いいのいいの!謝ることじゃないって!…じゃあこうしよう!今日の目標は弥勒の全身コーディネート!」
「でも…私お金そんなに持ってきてないわよ」
「大丈夫、大丈夫。僕が全部払ったげるよ」
「さ…さすがにそれは…」
弥勒ちゃんは申し訳なさそうな表情を浮かべる。
そりゃそうだ。いきなりこんなこと言われたら普通の人は困惑する。
まあみちるが一般人なら私たちも一緒に困惑してただろうが、生憎あいにくそうではない。
「弥勒ちゃん。みちるは大のつくお金持ちなんですぅ。だから遠慮はいりませんよぉ」
「そうそう!遠慮することないって!それにこっちだって太っ腹なとこ見せないとね!主に部長として!」
みちるは既成事実が欲しいんだろうな。ここで恩をつくっておけば帰宅部に勧誘する時、弥勒ちゃんが断りづらくなる。若干ゲスいが、策士だ。
「…そういうことなら」
「よし!決まり!じゃあまずは10Qだ!」
「おー!ですぅ」
「弥勒ちゃん」
私は弥勒ちゃんに話しかける。
「なに?真理ちゃん」
弥勒ちゃんに「真理ちゃん」と呼ばれる幸せで意識がふっとびそうになるが、私は精一杯の声を振り絞る。
「…楽しもうね」
「うん…楽しもう」
状況に圧倒されている様子だった弥勒ちゃんが、少し穏やかな表情になった。
私たちは数え切れない数の服屋をああでもないこうでもないと練り歩き、弥勒ちゃんのコーディネートを仕上げていく。
途中、気に入ったものがあったら各々で購入したりもした。
「ゼッタイ、こっちのヒッコリーのほうがいいよ」
「いーやこっちですぅ。それならさっきの店のやつのほうが可愛かったですぅ」
…そうして数時間後。異論の余地のない完璧なコーディネートが完成。
「ほら、弥勒鏡見てよ」
弥勒ちゃんはみちるに促され、小恥ずかしそうに鏡を見る。
元々の素材が良すぎるせいでそこに立っているのはまさにモデル。いや、下手なモデルより全然カワイイ。
「ね、カワイイでしょ!」
「…うん」
照れている。弥勒ちゃんが照れている。弥勒ちゃんが照れている(狂喜乱舞)。
やばっ…。また鼻血が…っと…危ない危ない。
「お似合いですぅ。はりきったかいがありましたねぇ」
「はりきりすぎてもう二時だけどね」
私は腕時計を見る。
「そういやお腹空いたなあ。行きたい場所ある?」
「はい!はい!」
私は元気よく手を挙げる。どうしても行きたい場所があるのだ。
「どこ?真理?」
スマートフォンで店名を検索して、皆に見せる。
「パンケーキ屋『memory』…。真理ちゃん前遊んだ時もパンケーキじゃなかったでしたっけぇ」
「でへへ…。好きなの。パンケーキ」
私がパンケーキ好きなのはあれだ。よく母がホットケーキを焼いてくれたからだ。味も食感もパンケーキとは似て非なるものだが、私の中では同じものとしてカテゴライズされているのだろう。母が料理してくれたもので唯一好きだったホットケーキ…私にとってパンケーキとはその延長線上にある。
「まあ確かに評価高いし、近いし。ここにしよう!」
みちるの鶴の一声でランチが決定する。
私たちはパンケーキ屋『memory』を目指して歩く。
「そういや弥勒ってさ。文芸部なんだよね?本好きなの?」
「好きよ。暇な時は大概読書ね」
「なるほどなるほど」
「弥勒ちゃん、一番好きな本ってなに?」
弥勒ちゃんは真剣な顔つきで考え込む。
おそらく好きな本は沢山あるけれど、『一番』を決めるのに悩んでいるのだろう。
「強いていうなら…アルトゥール・ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』かな…」
「全然わからん」
「聞いたことないですぅ」
「そう?哲学書としてはメジャーなほうだと思うけど…」
「哲学かー!推理小説とかなら語れるんだけどなあ」
みちるは心底残念そうだ。
「推理小説もよく読むわよ」
「マジ!?やった!」
みちるは弥勒ちゃんが共通の趣味を持っていることを知って、嬉しさを爆発させる。
その辺は私もπ子も疎いからなあ…。
そんなこんなでパンケーキ屋に到着。人はそれなりに並んでいたが、15分も経たないうちに入店できた。
「ご注文はお決まりでしょうか」
店員が営業スマイルをふりまく。
「真理、どれにするの?」
「私は一番オーソドックスなので」
シンプルイズベスト。この店の真の実力を測るにはこの『極ふわパンケーキ』を頼む以外の選択肢はない。
「私、このメロンがかかったやつがいいですぅ」
「じゃあ私はこの抹茶のやつにしようかしら」
「あっ!弥勒に先言われた!えーと…じゃあ…僕はこのベリーので」
「かしこまりました。少々お待ちください」
私たちは他愛のない会話をしながら、パンケーキを待つ。
「弥勒ちゃんってさ。成績いいの?頭良さそうだけど」
みちるが興味津津で尋ねる。
「よくもなく悪くもないわね。基本勉強してないし」
「勉強してないんだ…」
「だって高校二年生のこの時期ってやる気おきないじゃない」
わかる。すごくよくわかる。二年生のこの時期まで根詰めて勉強したくないよね、普通。
「わかりますぅ。π子は勉強大嫌いですぅ」
「でもπ子理系教科ダントツじゃない」
オーバーテクノロジーな発明品を学校に持ってくるだけあって、π子の理系教科の点数はほぼ満点。
全教科平均して中の下の私とは話が違う。
「それはなんか取れちゃうんですよねぇ。国語と社会は滅べばいいのですぅ」
「国語と社会こそ、ちゃんとやれば取れる気がするのだけれど」
「π子の歴史の知識は縄文土器と聖徳太子と1582(いちごぱんつ)しかありません」
「あるあるよね…。歴史の知識が教科書の最初の方に偏るの…」
「お待たせしました。『極ふわパンケーキ』になります」
とここで待ちかねていたパンケーキが!
なんだこれ、すごい。何も触れてないのにぷるぷると揺れている。
「…まるでおっぱいですねぇ」
一瞬、時計の針が止まったような感覚におそわれる。
π子、その発想はなかった。
「おっぱいといえばさあ…。弥勒けっこう大きいよね」
「…大きいと言われたことはあるけれど」
「ぶっちゃけ、おいくつ?」
私は思わず飲んでいた水を噴き出す。
「なんで真理が動揺してるの!?」
「ご…ごめん」
迂闊だった…!
私が弥勒ちゃんのこと好きだってことは二人には絶対に知られたくない。感づかれそうな言動は慎まないと…。
「バストサイズは…95よ」
「95!?」
私たちは声を合わせて驚く。
大きいとは思ってたけど…。これに比べたら私なんか貧乳の域…。
「なに食ったらそんなんなるの?」
「…気付いたら育ってた」
「育ちすぎですよぉ。π子、世界の理不尽を感じます」
「大きすぎてもあまりメリットないわよ」
「あふれでるフェロモンが違いますっ!」
「そ…そう?」
「こちら『濃厚チーズパンケーキ ベリーソースがけ』、『抹茶のパンケーキ あん密添え』、『メロンパンケーキ』になります」
「おー!きたきた!ねえ、皆で分け分けしない?」
「しようしよう!」
私たちはお互いのパンケーキを小さく切り取って、交換する。
「はい、真理ちゃん」
弥勒ちゃんの抹茶パンケーキが私の皿の上に乗せられる。
ぷるぷるぷるぷる…。
私は抹茶パンケーキの揺らぎを見て、唐突におかしなことを連想した。
すなわちこれは…弥勒ちゃんのおっぱいなのでは?
そう意識した瞬間、自分の奥底に抑えつけられていた様々な欲望が覚醒した。
触りたい!頬ずりしたい!舐めたい!挟まれたい!むしろ食べたい!
…いやいやいや。さっきのπ子の問題発言に引きずられすぎだ。
そう…これはただのパンケーキだ。弥勒ちゃんがくれたパンケーキ…。弥勒ちゃんが…。
だめだっ!!考えるのをやめろっ!!冷静になれ!!
こんなところで大量出血はさすがにまずい!!
「真理、顔が赤いよ?」
「だ…大丈夫」
私は勢いにまかせて抹茶パンケーキを食べる。…美味しい。
これが弥勒ちゃんの…いやだめだ考えるな…。考えてはいけない。
私はその後も悪戦苦闘しながらパンケーキを平らげた。
「ねえ、次どこ行く?」
「僕、あそこいきたいんだけど」
「どこ?」
みちるは少し悩んでから、
「着いてからのお楽しみ!」
と言った。
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