第4話消せるなら消したい
僕は捨てられた。
はぁ、とため息をつく体力すら残っていない。
そのあとあのいじめっ子がどうなったのかは知らない。
死んだのか、生きているのか、もしくは……。
今どこを歩いているのかは知らない。
そのまま死ぬのか生きるのか。
膝が、ガクンとなった。
そして━━━━━━━━━━━━━━━━━
声がした。女の人の声だ。
「あなたの罪は消した。あなたはこれからどうしたいの」
必死に声を出す。
「僕……は、…生……きた…い」
手を伸ばした。
「そう……わかったわ」
この時の女の人が誰だか、覚えていない。
でも、僕の命の恩人だ。
そうじゃなかったら━━━━━━━━━━━
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