JC邪神の超常的な日常

どうすんだよこれ…

私はその辺に散らばっていたバージャムデレクェとケネリクラヌェイアレ共を、ショ＝クォ＝ヨ＝ムイの呪（しゅ）が仕込まれていないことを確認の上で片っ端から食った。

そのエネルギーを電気に変えてレーザー発振を行う。そしてここに接近するミサイルをレーザーで撃ち落とした。途中の空間に壁を作ってやっても良かったが、こっちの方が見た目にも派手でアピールになるかと思ったのだ。

取り敢えずミサイルは片付けたから、残った戦車のバージャムデレクェを始末する。戦車砲をぶっ放してくるが、この至近距離で細かく動く相手に戦車砲が当たる訳がなかろうが、このタワケめ！！

髪を巨大な拳に変えて、とにかくぶん殴る。右、左とぼっこぼこに殴り倒す。

ぐしゃぐしゃの鉄の塊になったそいつも食って、エネルギーを補充する。と言っても金属だのプラスチックだのの部分は要らんから食えるところは知れているが。

とまあ、一応、片は付いたな。もっとも、人間共がそう思ってるかどうかは分からんから、次の攻撃が来るかもしれんし、地面に座り込んで呆然としてるナハトムに喝を入れ、爆風で転がっていたトラックを起こし、その場を離れ―――――。

ようと思ったがそうもいかんようだ。

目の前には、わんさと化生共が集まっていた。百や二百ではない。

「ど…どうすんだよこれ…」

ナハトムが情けない声を出す。

「しっかりせんか、馬鹿者め！　

向こうが数で来ると言うのなら、こっちもそれなりに用意すればいいことだ！」

そういうわけで、これまでの人間としての私を基にした影を実体化させる。

藤波沙代里（ふじなみさより）。闘魂を表した真っ赤なミニスカートから逞しい脚を覗かせる、プロレスの技の真似をしていて首の骨を折り死んだ女子高生。

市野正一（いちのしょういち）。酔っぱらってケンカを吹っかけて転倒して頭を打ち死んだ中年サラリーマン。実は功夫を少々たしなむ軍事オタクで今の私のそっち方面の知識の基だ。

白小夏（パクシャオシャ）。第二次大戦中、ロシアの暗殺者をしていた、南方系クォーターで香港出身の中国系イギリス人。ちなみに英名はカレン・ホワイト。

エイドリアン・メルケル。第一次大戦中に西部戦線で従軍中にジャガイモの毒に中（あた）った後に合併症を併発し死亡した、金髪碧眼長身痩躯のドイツ軍人。

ブリギッテ・シェーンベルク。二百年ほど前に、連続殺人犯によって腹を裂かれて胎児共々殺されたオーストリア人の地味な主婦。

コンスタンティア・エリントン。四百年ほど前に、イギリスで八歳と六歳の子供を殺した十一歳の連続殺人犯でもある赤毛そばかすの少女。ただし、被害者の死因は病死や事故死とされ立件はされてない。

リーネ。八百年ほど前、住んでいた村が戦争に巻き込まれ、家に踏み込んできた兵士らに父親を殺され、母親と一緒に徹底的に嬲られて殺されて八年の生涯を終えた娘。

とまあ、強い恨みや攻撃性や粗暴さを持った連中を呼び出してみたわけだ。