第18話 魔王討伐作戦・2
俺は、エクウス回収後、勇者との再戦に構える為に戦力を増やし、のんびり過ごしていた所、最悪のタイミングで勇者を外した王国軍約三十万が襲って来た。
俺は、急いで防衛線を編成し、王国軍の襲撃に備える事が出来た。
しかし、防衛線を張ると目の前にはすぐ王国軍が迫って来ていた。
「魔王軍の勢力は強くても、規模は小さい!全軍!全力で特攻せよ!」
「うおおおお!!」
そして、王国軍は一斉に特攻を始める。
「うおおお!もう我慢出来ねえぜ!さっさと掛かって来いやああぁあ!」
すると、一番最初にフロガが迎撃の我慢が出来ず、防衛線の編成を崩し、一人で王国軍へ突っ込んで行った。
「ちょ......まぁ、いいか。フロガの本当の力を見れる良い機会だ」
フロガは三十万の兵士に一人で突っ込み、大勢の兵士を一気に吹き飛ばす。それに応じて王国軍も、なんの対抗策も無しに特攻を続ける。
俺は、エクウスの背中に乗りながら、王国軍の周りとぐるりと回りながら偵察をするが、伏兵もいなければ、弓兵や盾兵も居ない。全員剣だ。
おいおい......これじゃあ、本当の特攻じゃ無いか......。三十万は俺も流石に驚いたが、これでは、また王国軍が負けるのは時間の問題だ。
しかし、本当に王国軍は必至に対抗するが、俺達には歯が一切立たない。
「オラオラァ!どうしたどうしたぁ!数より力が有利ってのを教えてやるよ!」
フロガが調子に乗って大軍の中央に入ったその時だった。王国軍軍勢背後ある王国が突然光を放った。
「なんだあれ?」
「あれって確か勇者の力じゃね?これじゃあいくらフロガでも危険だ」
エクウスがその光を見ながら俺に忠告をする。
エクウスの忠告に疑問を感じながら俺は、フロガの方に目を移すと、いつの間にフロガはボコボコにやられていた。
「うわああぁ!畜生!」
「勇者の力が出すあの光は、仲間の力を増幅させる力がある。つまり、力より数と言うのは、これを意味していたんだろ」
「マジかよ!どうすんだ!?」
「お前魔王だろ!?唯一の過去の記憶に勇者に殺された記憶があるんなら、なんとかしろよ!」
「もういいや!全員!防衛線はどうでも良い!暴れろ!」
俺がそう全部下に命令すると、全ての部下は王国軍と同じく一斉に特効を始めた。
「よーし!良いぞー......ん?」
細かい指揮は面倒なので、さぁこれから本気の戦争だ!と、盛り上がろうとすると、展望台の上に目を疑う物を発見した。
黒い球体を囲む三列に並ぶ魔法陣が何か力を溜めながら待機している。
俺はそれを見て感じた。
これ世界終わるんじゃね?
球体の正体は恐らくルシファーだろう。一体何をする気だ?
すると、戦場全体の空間に響く様な声が聞こえた。
『全魔王軍、直ちに撤退せよ!』
その声は、頭に強く響き、魔王の俺でも、恐怖を感じた。
「なんだなんだぁ!?」
「こりゃなんかマジでヤバそうだ!」
魔王軍は、一斉に魔王城へ撤退する。すると、更に王国軍は勢いを増した。
「撤退だと!?何を考えているのか。全軍!魔王城を落とせぇ!」
全魔王軍は、王城へと戻りすぐに展望台に登り王国軍の様子を見る。
その時、黒い球体の力を溜める速度が上昇し、地響きが起こる。
『ふっ、魔王よ。大魔王の力を見せてやろう......ブラックビックバン!』
ビックバン!?ちょっと待てええええ
しかし、気付いた時はもう遅かった......。目の前に閃光が起こり、しばらくして見ると、そこには、大きなクレーターが出来上がっていた。どうやら、王国にはギリギリ達していない様だった。
『終わったな......』
「すげぇ......何にも無え平原が消し飛んで更に何にも無くなっちまった......」
勿論、王国軍三十万も肉片どころか、跡形も無く吹き飛んでいた。
さて、確かこの王国軍は、全面戦争とか言ってたな。って事は、王国は今勇者以外誰もいないって事か?
これって王国突入のチャンスじゃね?
そう思いながら、俺は、部下と戦場に出来上がった巨大クレーターの事と、これからの事を相談する。
「さて、ルシファー君。一体何をしてくれているんだね?」
「戦況は勇者の力によって一気に不利に。我が軍と王国軍では勝ち目が無かった。だからやった事だ」
「いや、まぁね?一瞬にして戦争が終わったのはすげぇよ?でもよ......この穴はどうするんだよ......」
「なら、此処を新たな拠点にしたらどうだ?」
「ん?......良いね!それ!」
そこでトロールが呆れた様に俺に言った。
「相変わらず魔王は、切り替えが早えな。何を考えて良いと思っているんだ?」
「え?何も考えて無いけど?」
「おいおい......」
そうして、ルシファーが作ったクレーターを新たな拠点にする事を決めた。
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