75話-10、戦慄する姉の注文と、変わらぬ想い(閑話)
人魚の
花梨と
時刻は夕暮れ時。鮮やかなオレンジ色に染まった温泉街に入ると、建物の
「ケセランパサランもいいですよね。見た目がほとんど白い毛玉なんて、触ったら絶対に気持ちいいじゃないですか」
「そうっスねえ。あたしも頬ずりしてみたいっス」
「あっ、頬ずりもいいですね。両手に持って両頬でスリスリ―――」
「かりーんっ! しゅてーんっ!」
モフモフの妖怪について花を咲かせている中、焼き鳥屋
不意に焼き鳥屋八咫がある方面から、ゴーニャの嬉々とした呼び声が飛んできたので、二人は会話を中断し、声がしてきた方に顔を移す。
すると目線の先には、普段、八咫烏の
目を凝らしてよく見てみると、どうやらゴーニャが焼き鳥を焼いているようで、素早い手つきで焼き鳥の串をひっくり返していた。
その目を疑う光景に、花梨は焼き鳥屋八咫の店前まで来るや否や。人力車から身を乗り出し、改めてゴーニャが焼き鳥を焼いている姿を認め、「はえ〜……」と驚いた様子の声を漏らした。
「まさか、ゴーニャが焼き鳥を焼いてるだなんて。八吉さんから教わったの?」
「うんっ! 午前中は暇だったから、ずっと焼き方を教わってたの。そうしたら腕が良いって褒められて、ここを任されちゃった」
「もしかして、串打ちもゴーニャちゃんがやってるんスか?」
「いや、流石にそれは俺らがやってんぜ」
酒天も話に加わって質問をするも、空き皿やビールジョッキを持っている八吉が割って入り。持っていた物を全てキッチンに置き、ゴーニャの横に立つ。
「八吉さん、お疲れ様です」
「お疲れっス」
「お疲れ、二人共。串打ちは大変なんだぜ? 肉によって刺し方が違うし。肉の大きさを考えて、無駄なく切らなきゃならねえしな」
「やっぱり、そうっスよねえ。焼鳥はうちのメニューにもありますけど、覚えるのに苦労したっス」
「私も焼き鳥屋で働いた経験はありますけど、覚える事が多くて大変だったなぁ……」
各々が焼き鳥を作る大変さを知っており、修行時代の苦い思い出に浸り出すと、その道のプロである八吉が、「で」と話を区切る。
「ゴーニャ、お前の働きっぷりを見せる時が来たぜ? だからここは俺に任せて、中に入れ」
「あっ、そうねっ! 花梨っ、早くお店の中に入って来てちょうだいっ!」
八吉の気が利いた指示を耳にすると、ゴーニャの狐の耳と尻尾が元気よく立ち、キッチンで手を洗い、店の奥へと駆けていった。
そのやる気に満ちた後ろ姿に、花梨と酒天は顔を見合わせ、やんわりとほくそ笑む。
「それじゃあ、行きましょうか。人力車はどこに置きます?」
「う〜んと……。店の隣に置いとけば、邪魔にならなそうっスね。花梨さん、一旦降りてもらってもいいっスか?」
そう言われた花梨が人力車から降りると、酒天は一人で人力車を動かし、店の隣にある隙間にぶつける事なく入れ、手をパンパンと叩いた。
そのまま二人は店に向かい、引き戸を開けて中へと入る。すると目の前には、店員の箔がついたゴーニャが立っており、入って来た二人の姿を見ると、ニコリと微笑んだ。
「いらっしゃいませ! 何名様ですか?」
「ふふっ、二名です」
「二名様ですね! それではテーブル席にご案内します!」
終始ハキハキと喋っているゴーニャに誘われ、二人は活気溢れる店内へ歩き出す。テーブル席を一つ、二つと通り過ぎ、三つ目のテーブル席に差し掛かると、ゴーニャがその席へ手をかざした。
「こちらへお座り下さい!」
招かれたテーブル席に、花梨と酒天が座ると、ゴーニャは厨房の方へ体を向ける。
「今、おしぼりとお冷をお持ちしますので、少々お待ちくださいっ!」
己の仕事を完璧にこなし、二人を待たせぬべくゴーニャが厨房へ行くと、花梨はデレデレしている表情を酒天へ合わせた。
「酒天さん酒天さんっ。今の可愛い店員さん、誰だか分かりますぅ? なんとですね、私の妹なんですよ〜。でへへへへへ」
酒に酔っているような花梨の
「確かに可愛いっスが。花梨さん、ゴーニャちゃんの事めちゃくちゃ溺愛してるっスね。
「でしょでしょ〜。なんたって私達は姉妹ですからね。仲の良さなら誰にも負けませんよ! あっ、ゴーニャの勇姿をカメラに収めておかないと」
酒天の皮肉をまったく否定せず、むしろ肯定した花梨がポケットから携帯電話を取り出すと、タイミングよく戻って来たゴーニャが、花梨と酒天の前に、おしぼりとお冷を置いていく。
「お待たせしました。おしぼりとお冷です!」
その声を合図に花梨は、携帯電話のカメラ機能を駆使し、連写とビデオを交えてゴーニャを撮っていく。
そんな花梨をよそに、ゴーニャは自分の仕事を全うするように、頭をペコリと下げた。
「それではご注文が決まりましたら、お声を掛けてくださいっ! 花梨っ、どうかしらっ!?」
「最高にカッコよくて可愛いよ! 他のお客さんから、愛嬌があって華のある店員さんて言われるのも、これなら頷けるや」
「えへへへへっ。ありがとっ、花梨っ」
ようやく姉にも働いてる姿を見せられて、この上なく褒められたゴーニャが、狐の耳をペタンと垂らし、体をもじもじとさせながら満面の笑みを浮かべる。
「いやあ〜。完璧な働きっぷりっスよ、ゴーニャちゃん。店長が不在の時にでも、うちで働いてもらいたいっスねえ」
酒天もゴーニャを褒めつつ、さり気なくスカウトすると、乗り気でいる花梨が「あっ、いいですね」と賛同する。
「居酒屋浴び呑みで、私なんかが働いてもいいのかしら?」
「今のゴーニャちゃんなら、安心して任せられるっスよ。もし気が向いたらでいいので、あたしに声を掛けて下さいっス」
「そうなのねっ、わかったわっ!」
「その時になったら、私も居酒屋浴び呑みに行って、一日中入り浸ってようかな〜。ビールジョッキを両手一杯に持っているゴーニャの姿……、良いっ!」
既に、居酒屋浴び呑みでゴーニャが働いている姿を想像したのか、右手でグッとガッツポーズを作る花梨。
健気にはしゃいでいる花梨を眺めた後、お冷を口にして喉を潤した酒天が、「そういえば」と話題を切り替えた。
「ゴーニャちゃん。オススメのメニューってあるっスか?」
「あるわよっ。今日から『焼き鳥丼』っていうメニューが追加されたから、それをオススメするわっ」
「あれ? 焼き鳥丼って、もしかして……」
どこか聞き覚えのある料理名に、花梨はおもむろにメニュー表を手に取り、目を滑らせていく。
そして最後の行に、手書きで『焼き鳥丼』と記された料理を見つけ、その斜め左上に赤文字で『店長オススメ』と太鼓判が押されていた。
「これって……。ゴーニャが初めてここで働いた時に、
「そうよっ。本当においしいから、花梨達も是非食べてみて!」
「やっぱり! 酒天さん、これにしましょう!」
嬉々とし出した花梨に対し、酒天はニッと笑って八重歯を覗かせる。
「花梨さんのこの反応、間違いなく美味しいやつっスね。じゃあ、あたしもこれをお願いするっス。ついでに、生ビールのピッチャーも」
「私は大盛りで!」
早々に二人がメニューを決め、注文を投げかけるも、ゴーニャは落ち着いた様子で伝票と鉛筆を取り出した。
「焼き鳥丼を普通盛り、大盛りを一つずつ。生ビールをピッチャー。テ-三っと。わかりましたっ!」
二人の注文を迷いなく伝票に書き綴ると、ゴーニャは心をくすぐる笑みを二人に見せた。
「それじゃあ花梨っ。
「うん、分かった。でも、ゴーニャの仕事が終わるまでここに居るから、帰る時は一緒に帰ろうね」
「そうなのね、わかったわっ。夜遅くまでやると思うから、それまでいっぱい注文してねっ!」
「あっはははは。商売の仕方も上手っスねえ、ゴーニャちゃん」
流れるがままに店へ貢献するゴーニャの催促に、酒天は見習いつつお冷を口に含む。
「こりゃあ一本取られちゃったや。なら、メニュー表にある物を全部追加しちゃおっかなぁ」
「ぜ、全部っ!? わ、あっ、ちょっと待ってて! 今、伝票に書くからっ!」
ゴーニャも客としてここへ来る時は、花梨と共にメニュー表にある物を全て網羅しているものの。
店員になり、初めてその注文の怖さを身に染みて感じ取ったゴーニャは、メニュー表と伝票を慌ただしく見返しながら、花梨の戦慄を覚える注文を書き綴っていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
時刻は夜の十一時過ぎ。温泉街にあるほとんどの店が眠りに就き、温かな提灯の灯りも疎らになってきた頃。
キセルの白い煙が薄っすらと漂っている、ぬらりひょんが居る支配人室内に、この時間には珍しいノック音が扉から聞こえてきた。
そのやたらと響くノック音を耳にしたぬらりひょんが、「入れ」と短く返すと、扉が静かに開き、神妙な面立ちでいる酒天が入って来た。
「お疲れ様っス、ぬらりひょん様」
「おお、酒天か」
予想外と言わんばかりの表情をしたぬらりひょんが、キセルの煙をふかすと、扉を閉めた酒天がニッと笑い、書斎机の前まで歩んで行く。
「今日は、仕事を休んでまで花梨の護衛に務めてくれて、本当に感謝する。ありがとうな、酒天」
「いえいえ。あたしがやりたかった事ですから、全然問題ないっス。これからも花梨さんの護衛は、この酒天にお任せ下さいっス!」
「頼もしい限りだ。お前さんなら安心して任せられる。これからも花梨の事をよろしく頼むぞ」
「はいっス! それでなんですが……。その花梨さんの事について、相談したい事がありまして」
急に声色が下がり、ここに来た理由を酒天が明かすと、ぬらりひょんは不思議そうに右眉を上げる。
「なんだ?」
「今日、話の流れで
「気になる事、ねえ。言ってみろ」
「それがどうやら……、花梨さんは、現世よりも隠世の空気の方が肌に合ってるらしいんスよ。初めて秋国に来た時、懐かしさを感じたり。現世から隠世に帰って来た時に、我が家に帰って来た感じがするとも言ってたんス。ぬらりひょん様は、これについてどう思われます?」
「なるほど、それか……」
酒天が花梨について不安要素を話すと、ぬらりひょんはばつが悪そうな反応を示し、手で顎を摩った。
「その様子ですと、ぬらりひょん様も知ってたんスか?」
「ああ。以前、クロも花梨から同じ事を言われたらしい。一応花梨が産まれた時、
「そう、なんスね」
「ただ念の為、注意して様子を見とるよ。隠世で人間が産まれただなんて、今まで前例が無いからな。しかしだ、酒天」
一旦語る口を止めたぬらりひょんが、キセルの煙を軽くふかし、口角を緩く上げる。
「万が一花梨が半妖だったとしても、妖怪だったとしても、たとえ人間でなかったとしても、花梨は花梨だ。何も変わりはない。そこだけは忘れるなよ?」
「もちろん、それは分かってるっス。ただ、花梨さんの体が大丈夫かなと心配になって、ぬらりひょん様に報告したまでっスからね。そしてこれからも、花梨さん達を絶対に護ってみせるっス!」
ぬらりひょんの問い掛けに即答しつつ、改めて熱意を込めてアピールし、固い握り拳をぬらりひょんに見せつける酒天。
その確たる決意をしかと聞き留めたぬらりひょんは、安心したように表情をほころばせた。
「そうか、ならいい」
そう柔らかく言葉を返したぬらりひょんは、掛け時計に横目を送り、酒天に戻す。
「酒天。確かお前さんは、明日は本来の休みだったよな?」
「そうっスね。休みっス」
「そうか、なら……」
酒天の明日の予定を確認したぬらりひょんが、書斎机からお得意の
その大好物である酒を見るや否や。全てを察した酒天がにんまりとした表情を浮かべ、嬉しそうに手を摩り出す。
「酒天よ。花梨からも今日の報告を受けたが、お前さん主点の話も聞きたい。どうだ? ワシと飲み明かさんか?」
「ふっふっふっ。いいんスか、ぬらりひょん様? 大酒豪であるあたしと相手をして? 酒が何杯あっても足りないっスよ?」
「構わん構わん。お前さんの飲みっぷりは、見てて気持ちがいいからな。ちょっと待ってろ。今クロを呼んで、ツマミを大量に用意させる」
逸る気持ちで言ったぬらりひょんが、袖から携帯電話を取り出し、クロにメールを送る。そして十分後。二人の大酒豪に捕まったクロも加わり、やや賑やかになった飲み会が始まった。
そのまま追加された酒も
―――焼き鳥屋
今日は、幼い頃の夢が一つ叶った日でもあり、命の危険を感じたり、童話の世界に迷い込んだような日であり、とにかく内容が濃い一日だった!
なんたって今日は、人魚になっちゃった日だからね。鏡で全体像は見れなかったけど、足がちゃんとオレンジ色の尾びれになってたんだ。
今日の仕事内容は、『怪域』なる場所へ行き、人魚の里で喫茶店を開く翡翠さんの為に、お菓子作りを教える事だったよ。(まあ色々とあって、本来の目的はあまり果たせなかったけども)
なんでも怪域はものすごく危険らしく、ゴーニャとは別行動になり、私には護衛として酒天さんが付いてくれたんだ。
酒天さんと共に行動するのは、居酒屋浴び呑みで初めて働いた以来だったから、久々にワクワクしちゃったよね。
それにしても酒天さんってば、本当に優しい人だったな。事前に人力車を用意してくれたり、ホオジロザメから私を護ってくれたり。あの時の酒天さん、ものすごくカッコよかったよ。
それで、魚市場難破船にある砂浜で、翡翠さんと合流したはいいものの。そこで私達、流れるがままに人魚の姿になっちゃったんだよね。
あの有名な人魚にだよ? 最初は驚いちゃったけども、やっぱり嬉しい気持ちの方が勝っちゃったよね。(しまった! 歌うのすっかり忘れてた! ……歌ってみたいから、また人魚になれる機会が訪れないだろうか?)
そこから自分達の尾びれで、海の中を優雅に泳ぎ、人魚の里まで行く事になったんだけども……。途中で、大きなホオジロザメに襲われちゃってね。
慌てて逃げ出したけど、案の定ホオジロザメに追いかけられて、死ぬ思いをしたよ……。けれども、そこで酒天さんが、『私の出番っスね』って言って、私達を守ってくれたんだ!
早すぎてまったく見えなかったんだけど、たぶん酒天さんがホオジロザメに繰り出したのは、アッパーだったかな?
ズドン! ってすごい音がしたと同時に、ホオジロザメがその場で高速回転し出して、気絶したのか海面まで浮かんでいったんだ。
その時の酒天さんよ、痺れる程にカッコよかった! いやぁ~、酒天さんに何回も守られたいな~。(でも、その度に危険な目に遭わないといけないんだよなぁ……。それはそれで怖い)
で、その後に、色濃い殺気がそこらかしこから放たれている怪域を素早く泳いでいき、やっとの思いで人魚の里に辿り着いたんだ。
里を上から眺めてみたけど、本当に綺麗な里だったよ! 色鮮やかな珊瑚礁。楽しげにユラユラと揺れているイソギンチャク。それぞれ多色の光を放っているくらげ火さん。まるで、絵本から飛び出したような光景だったんだ。
でも、それを上回る事態を耳にしたんだ。それは、翡翠さんが営む『人魚喫茶』なんだけども、その人魚喫茶、なんでも
材料をここまで運んで来た経路は予想がついたけど、人魚姿をした青飛車さんや鬼さん達の姿よ、もんのすごく興味があるし見てみたい。
むう、また気になってきちゃったや。今度、青飛車さん達に聞いてみようかな?
それで人魚喫茶に入店して、人魚の人間形態になって、いざお菓子作りをしようと思ったんだけど……。問題の材料が、薄力粉、砂糖、バターしかなくてね……。
オーブンがあったから、なんとか簡単なクッキーは焼けたけど、オーブンが無かったら本格的にアウトだったなぁ。(でも砂糖があったし、最悪べっこう飴を作るという手もあったな)
なんとかクッキーを作って、翡翠さんも美味しいクッキーを焼いた後。遅れて紅柘榴さんと合流したんだ。
そこからだ。色々と記憶に残る話が始まったのは。
一番印象に残ったのが、
私はずっと、私が元々住んでた世界と、秋国は同じ世界にあるんだとばかり思っていたんだけども、どうやら違うみたいなんだ。
秋国がある世界は、隠世という世界にあり、ざっくり言うと死後の世界らしい。それを聞いた時、私は死んだとばかり思って血の気が引いちゃったよね……。
まあ、実際は生きている事が分かったので、それはいいとして。問題は隠世についてだ。
とにかく気になっているのが、初めて秋国へ来た時、とても懐かしく感じた事。初めて来たのに懐かしく思っちゃったのは、一体なんでなんだろう?
もしかしたら私は、何回かここへ来た事があるのかな? でも、そんなワケないもんなぁ。記憶にまったく無いし。
それと、もう一つだけ気になっている事がある。
それは、現世からここへ帰って来た時の事だ。なぜか毎回、我が家に帰った来たような感覚が湧いてくるんだよね。とにかく現世よりも、隠世の空気の方が落ち着くというか、安心するというか。
やっぱりこれって、どう考えてもおかしいよなぁ。妖怪さん達が全員優しいから、勝手にそう思っているだけなんだろうか? しかし、なんか引っかかるんだよね。
実は私は、人間じゃなくて、元々は妖怪だったり~とかして? まさかね。でも気になるから、その内ぬらりひょん様に聞いてみようかな?
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