登場人物紹介(ほぼ完成版)、その4

 青飛車あおびしゃ

 赤霧山あかぎりやま 鬼 共に温泉街初期メンバ-

 『20話-2、姉妹や親子と思われた二人の人間』より登場。


 建物建築・修繕鬼ヶ島を営んでいる二人組の棟梁とうりょう

 身長は三メートル以上あり、剛毛の天然パーマからは二つの黄色い角が生えており、もみあげとヒゲが繋がっていて、顎を覆い隠すように伸びている。

 一重の瞼の下には、どこか優しそうなつぶらな瞳があり、鼻の頭は四角く角ばっていて、下顎からは二本の太くて鋭い牙がはみ出している。

 服装は共に虎柄のパンツ一丁のみ。容姿の違いは全身の肌の色が青か赤だけ。


 現世うつしよで『鬼ヶ島カンパニー』という建築会社を設立した、人間、妖怪の世界共に重鎮たる存在。

 上場企業の中でも最大手の一つであり、現世うつしよの建築業界ではトップに君臨している。

 昔は一緒になり、この会社で代表取締役を務めていたが、引退してからは妖怪の世界で建築業を行い、とある日にぬらりひょんから声を掛けられ、温泉街の建築に携わる事になった。


 温泉街で流れていた噂を花梨とゴーニャに教え、その切っ掛けで花梨はゴーニャに苗字を与え、正式な家族として秋風家に迎え入れた。

 噂の出どころは依然として不明であるが、花梨はこの噂を流した人物に感謝しており、いつかはお礼を言いたいと思っている。

 青飛車は花梨の事を秋風さん。ゴーニャの事をゴーニャちゃん。赤霧山は花梨さん、ゴーニャさんと呼ぶ。


 小ネタ①:基本、この温泉街に身を置いているが、たまに鬼ヶ島カンパニーからヘルプが入り、二人のどちらかが現世の現場に赴いている。


 小ネタ②:この建物建築・修繕鬼ヶ島が無ければ、居酒屋浴び呑みはとうの昔に崩壊しており、酒羅凶しゅらきはこの二人に頭が上がらない。


 小ネタ③:居酒屋浴び呑み用の扉と窓のストックは、日に五つ以上は作っている。現在二つとも五十前後のストックがあるが、一ヶ月掛からない内に無くなる。


 好きな物

・建築

・鬼ヶ島カンパニー

・あやかし温泉街、秋国

・建築仲間達

鷹瑛たかあき紅葉もみじ、花梨、ゴーニャ

永秋えいしゅうの露天風呂


 嫌いな物

・暴力

・節分(なぜか豆を投げられるので)

・建築中に出る騒音のクレーム対応

・施主の無茶な注文




 釜巳かまみ 化け狸 温泉街初期メンバー

 『22話、ぶんぶく茶処』より登場。


 秋国山の中腹に店を構えている妖怪。

 容姿はパッと見人型で、深緑色の和服を着ており、舞妓まいこを思わせる髪型からは狸の丸い耳が生えていて、背後には大きな尻尾が見え隠れしている。

 茶色の毛皮を纏っている顔はとてもふくよかであり、温かみのある表情。世話好きなオバサンのような口調が特徴的。


 『花梨大好きっ子クラブ』の副会長で、花梨が建築途中の温泉街で産まれた際、雹華ひょうかと共に助産婦をした。

 それ故にか、ぬらりひょんに負けるとも劣らない溺愛っぷりを誇る。大人になった花梨と再会した時、嬉しさのあまりか、初めて会った体で接する事を忘れていた。

 現世でも老舗の甘味処を開いており、練り切り、あんころ餅、ういろう。おはぎ、きんつば、くずきり、ようかん、金平糖と、他にも幅広く和菓子を取り扱っている。


 秋国山と妖狐神社の間にある竹林道に、ワガママを言って茶道場を建ててもらい、不定期で和菓子と抹茶を持て成す茶道を開いている。

 参加しているのは主に女性陣であり、和菓子が好きな雹華とまといは必ず参加をし、和菓子を沢山食べているらしい。


 小ネタ①:その茶道であるが、最初は作法通り行っていた。しかし、一番最初に纏に和菓子が回ってきた際、何度か全て食べられてしまった事があり、あえなくやり方を変えた。


 小ネタ②:人付き合いが良く、誰とでも親しく会話が出来るが、特にムフフな話題が好物。だが、温泉街だとその話題があまりにも少なく、少々物足りなさを感じている。


 小ネタ③:齢三百歳ともあってか、変化へんげ能力が際立って高く、天狐であるかえでの目も欺く事が可能。時折、楓を驚かせて遊んでおり、頬をつねられる事もしばしば。


 好きな物

・和菓子を作っている時

・雹華、楓、鷹瑛、紅葉、花梨、ゴーニャ

・あやかし温泉街、秋国

・ムフフな話題

・茶道を開いている時


 嫌いな物

・雨が降ってる日(客が来なくて暇な為)

・花梨とゴーニャに仇なす者

・許可なく耳と尻尾を触って来る輩




 洗香あらか 小豆洗い

 『23話、秋国山小豆餅』より登場。


 秋国山の山頂で、秋国山小豆餅を営んでいる妖怪。

 網代笠あじろがさを深々とかぶっており、禅僧ぜんそうが着ているような服を身に纏っている。

 細くつり上がったキツめの眼差しをしていて、その瞳は紫色。初登場時は夢中になって小豆を洗っていた。

 見た目はクールで物静かそうな男性に見えるが、性別は女性であり、ほぼ百パーセント男性と間違えられる。

 声もやや低くて太く、本人が性別を明かしてもなかなか信じてもらえない。


 最初は、まだ名前が無い静か餅と共に客として温泉街に訪れていたが、甘味処の店員を募集していると聞き、静か餅と相談してみた結果やる事に決め、秋国山の山頂にある店を受け持つ事になった。

 温泉街がオープンしてから八年目ぐらいに店を受け持つ事になったので、初期メンバー以外で比べると割と古株である。

 性別は女性であるが、見た目は完全に男性であり、客に性別を明かすと必ず驚かれるので、その反応を楽しんでいたりする。


 小ネタ①:一日の半分以上は小豆を洗っている。稀に寝ている時も寝ぼけて洗っており、硬嵐こうらんが眠れないと文句を言う事もしばしば。


 小ネタ②;硬嵐の名前を付けたのは洗香。彼を女の子だと思わせない為に付けた名前であるが、効果はまったく無し。


 小ネタ③:永秋で風呂に入る際、そのまま女湯の脱衣場に入ると、よく覗きだと勘違いされてしまうので、脱衣場の前で服を脱いでから入っている。


 好きな物

・小豆を洗っている時

・硬嵐

・性別を明かした時の客の反応

・秋国山の山頂から見える景色

・あやかし温泉街、秋国


 嫌いな物

・硬嵐に仇なす者

・先に性別を見破ってくる者

・性別を明かしても驚いてくれない者

・うるさい客(小豆を洗っている音が聞こえない為)




 硬嵐こうらん 静か餅

 『23話、秋国山小豆餅』より登場。


 洗香とおなじく、秋国山小豆餅を営んでいる妖怪。

 髪色は真っ白なミディアムボブで、青い浴衣を着ている。

 瞳も白く、肌も透き通った白色をしているが、恥ずかしがり屋なのか大半は顔を隠していて、頬を赤らめている。

 見た目は完全に少女であるが、性別は男。


 洗香同様、最初は客として温泉街に訪れていた。そして常連客になった頃、温泉街で働いてみたいと洗香から相談を受け、断ること無く了承した。

 温泉街で働く前は名前が無く、少女と見間違えられる度に酷く赤面する静か餅に見かね、洗香がおとこらしい名前を付けた。(が、効果は一切無かった模様)

 極度の人見知りで恥ずかしがり屋。その容姿と女々しい仕草のせいか、客に性別を明かしても信用してくれない。


 現在でも洗香以外には懐いておらず、温泉街のメンバーでさえ顔を直視出来ない。(ぬらりひょんは大丈夫とのこと)

 硬嵐の作る餅は良く伸びて甘みが強く、程よい粘り気があって人気が高く、極寒甘味処ごっかんかんみどころ、ぶんぶく茶処にも提供している。


 小ネタ①:人見知りと恥ずかしがり屋に加え、かなりの寂しがり屋であり、洗香からは片時も離れず、寝る時も一緒の布団で寝ている。


 小ネタ②:洗香が付けてくれた硬嵐という名前は、おとこらしくて非常に気に入っているが、名前と性別を明かすと客に驚かれ、その客の反応で硬嵐が驚く。


 小ネタ③:本来は音の怪異。夜中になるとコツ、コツと粉の餅をはたく音が聞こえてきて、その音が次第に近づいてくることを「餅の中に搗き込まれる」と言い、運が向いてくる兆しとされている。


 好きな物

・洗香

・あやかし温泉街、秋国

・初見で男だと分かってくれた者

・秋国山の山頂から見える景色

・小豆を洗っている音


 嫌いな物

・洗香に仇なす者

・性別を明かしても信じてくれない者

・やたらと馴れ馴れしくしてくる者




 莱鈴らいりん 猫又 温泉街初期メンバー

 『27話-2、初めて別れる姉妹(閑話)』より登場。


 秋国山のふもとにある『骨董店招き猫』を営んでいる妖怪。

 全身は明るい茶色の毛で、顎下からお腹にかけて白い毛になっている。

 チャイナ服を彷彿とさせる柄が散りばめられた緑色の服を着ていて、小さな丸い眼鏡を掛けている。

 ピンと立った茶色い耳と、先っぽだけが白い茶色の二本の尻尾が生えており、たまに開く瞳の色は金色。


 骨董店を開いているが、それは趣味で開いているだけであり、本職は、表と裏の世界の情報を関係無しに取り扱っている情報屋。

 日々、妖怪の世界の秩序を守る為に暗躍するぬらりひょんに、弱き妖怪の助けを求める情報を仕入れては、その情報をぬらりひょんに提供している。

 花梨が行方不明になった際も、ありとあらゆる面で情報を仕入れていたが、時折引っ掛かる情報も空振りに終わり、当本人もかなり焦っていた。


 特にやる事が無い時は、日向ぼっこや睡眠を全力で勤しみ、日に二十三時間以上寝ている時もあり。

 撫でられたりするのはあまり好きではないが、赤ん坊だった頃の花梨をよく相手しており、なされるがままにされていた事もあった。

 趣味は骨董品集めと闇市に行く事。その闇市で気に入った骨董品を購入しては、骨董店招き猫の店内に飾り、まじまじと眺めて満足気に笑っている。


 小ネタ①:温泉街初期メンバーは、花梨を同族の妖怪にしがちという固定観念を持っており、雹華ひょうかとクロが店に訪れた以降、念のため、他の妖怪に変化へんげできる道具を揃えた。


 小ネタ②:やはり猫なのか、マタタビが大好物。特に、雹華が持ってくる雪化粧マタタビには目がなく、定期的に購入している。

 闇市価格にして、五十グラム辺りおおよそ一千万円以上。やたらと高額なのは、闇市でも滅多に出回っていないせい。(摘む前に一度雪女が凍らせないと、摘んだ瞬間に溶けてしまう性質がある為)


 小ネタ③:色々な情報を取り扱っているせいか、裏の世界にも精通している。第二の満月の夜に花梨とゴーニャが襲われた後、ぬえと共にとある情報を裏の世界に流した。

 それは、『あやかし温泉街、秋国にいる人間に手を出すと、ぬらりひょんや黒四季くろしきはもちろん。温泉街にいる妖怪を全て敵に回す事になるので、死にたくなければ関わらない方がいい』という、ほぼ警告に近い内容。

 その情報を流し続けた結果。鵺の活躍もあってか、妖怪の世界では花梨とゴーニャを襲うのは禁忌扱いとなり、最悪即死刑となる重罪にまでになった。


 好きな物

・ぬらりひょん、鷹瑛、紅葉、花梨

・あやかし温泉街、秋国

・マタタビ

・日光

・コタツの中

・寝る事

・珍しい骨董品


 嫌いな物

・ぬらりひょんや花梨に仇なす者

・満月

・肌寒い日

・闇市で足元を見る売人

・偽物をつかませてくる売人

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る