第三話

教室に入って、何気無く爽の席に近づいていって、

「昨日はありがとう」

と呟くと、爽がにっと笑った。


「!」

突然めまいがして、とっさに机の上に手をつく。瞳孔が大きくなるのがわかるーそれも、今まで経験したことがないぐらいに大きく。体が私の意識とは違うように操られる感覚に陥って…

いつの間にか私は窓を開け放っていた。。生暖かい風が吹き込んで来る。

操られるようにして、メモ帳に素早く文字を書きつけて、紙飛行機の形にして、窓の外に向かって投げた。

「?おい、莉子、なんて書いたんだ?」

ゆうゆうと去っていく紙飛行機を見ながら私は困惑した。突然頭の中が真っ白になった。

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