幕間

「きょうぶ」

 二人の少女が同時にトラックを走りきる。タイマーを覗き込み、片方は喜び片方は落ち込む。落ち込むといってもそれほどではない。惜しい、とか、そういったものである。

「よっしゃ!また勝った!」

先にトラックを走りきった少女が大きな声で言った。それに負けじと負けたほうの少女が、

「あーっ!うるさいうるさい!勝った勝ったって!私だって胸ならいつでもあんたにかってるからね!!!」(注、声も勝ってます。)

そう声を裏返しながら叫ぶと、ちいさいほうの少女が、自分の胸部と相手の胸部をチラっと見比べたあと、

「小さいほうが何かと便利だし…。」

そう苦し紛れに言い訳をした少女にとどめと言わんばかりに

「などと貧乳が言っております。貧乳が言っても説得力に欠けるなあ。」

などと追撃。ちいさいほう、撃沈。


「ねえ!聞いて!また短距離あいつに勝ったんだよ!」

先のちいさいほうがおおきいほうよりもおおきい少女に対して自慢をした。が、また戦争の幕開けである。

「いやいやいやいや、短距離なんてねぇ!女子として勝利により価値があるのはやっぱり胸でしょう!」

一番おおきい少女が、

「張り合うところはそこでいいのかねぇ…」

そうつぶやくと、

「勝てりゃあいいんだよ!なあ!私のほうが!!」

「胸胸胸胸うっさいなぁ!!そんなに胸が大切か!!」

すると真ん中の少女はまたとどめに、

「男子はみんな胸のサイズ結構気にするものなのよ。」

「えっ」

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