第13話 村に来た疫災
「ひっ?!」
村の入り口に立っていた見張りが小さく悲鳴を上げた。
村へ続く獣道から複数の男が村に向かって歩いてきたのだ。
格好からして統一性のない服装なのもそうだが既に武器を手にしていたのだから仕方あるまい。
「おーおー良い村じゃないの」
先頭に立つ男が嬉しそうに口にして殺気立った男達が横に整列する。
見張りはそれを見て直ぐに気付いた。
「と…盗賊!?」
20人程の集団であるが3人を除いて全員首に首輪をしており両手は鎖で繋がれている。
奴隷である、この世界には奴隷制度があり奴隷は人材として誰でも購入できる。
その為、戦争やこういった盗賊達も奴隷を所持しているのだ。
勿論警備に関しても奴隷を使うのが基本なのだが、ここの様な小さな村では奴隷と言うものを使う考え方があまり無い。
知識として知ってはいるのだ。
「な、何者だお前達は?!」
「雑魚に用はねぇ、村長を出せ!暫く待ってやる」
「ふ、ふざけてるのか?!」
「おいおい、このまま村に攻め混んで皆殺しにして全部かっさらっても良いんだぜ?そうしないで交渉してやろうって言ってるんだから考えた方が良いんじゃないか?」
そう言って盗賊の一人が何かを投げた。
それは見張りの横の木の壁の村の表札のようなものに突き刺さる!
短剣であった。
それが根本まで完全に突き刺さってるのだ。
それだけで投げた者の技量が直ぐに分かった。
「もう一度だけ言う、村長を連れてこい」
「わ…分かった…」
もしも今のをやられたら次は村の中の誰かに投げられると感じたのだ。
見張りは一時的に門を閉じて村長の家へと走った。
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