第2話

『双六の世界へようこそ!

ここではプレイヤーの皆様に支給される、サイコロをお渡しします。

それぞれのサイコロに特殊な能力も付随しますので、詳しくは【こちら】』


なんて画面に出てきたが、私は最早迷わずに【こちら】を押した。

結果、色々登録させられたものの、手続きは完了した。

その直後、サイコロが頭上に降ってきた。

正8面体の、透き通ったサイコロである。

しゃがんで手に取って、気付く。


「あっ、動ける!!」

『音声を認識。プレイヤー:枝佐野豆佳。

フェイズ1、【サイコロを降る】』


スマホの音声が聞こえたとたん、糸で吊られた人形みたいに私の腕はサイコロを壁へ投げ付けた。


「えっ」


サイコロの目は【8】。一番大きな数だ。


『フェイズ2、【コマ】を進める』


私の脚は勝手に1歩、また1歩進む。

玄関に出るまでの間、上着を着て、鏡で髪型をチェックし、歯を磨いて……。

ほぼいつもと同じような行動を取らされ、挙げ句ムリヤリ外に出された。

さらに脚は意思と無関係に動いて、2つ隣の家の前までやって来た。


スマホが鳴る。


『フェイズ3、【マス】【コマ】【サイコロ】の各効果の発動。

【マス】特殊・この家のお婆さんのおつかいを頼まれる。

【コマ】女子高生・疲弊状態になりづらい

【サイコロ】晶・バトル【マス】を一定確立で避けられる』


「ん?なんだこれ」

「あら豆佳ちゃん久し振りねぇ!!

今からおやつ買いに行くんだけれど、一緒にどうかしら?」


あれ、これって『おつかい』とは言わないのでは――――?

そう思った直後だった。


お婆さんに、ある悲劇が降りかかったのである。


(Twitterアンケートに続く!!)

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