だい10わ せねっく

私はすぐにあの場所を抜け出した。


私が本気を出せばあの檻から出る事ぐらい余裕だ。

地上に行く途中、


「おい、そこの君!私も一緒に出してくれ!」


と、声をかけられた。一瞬迷ったが、

仲間がいた方が良いと思い解放した。

話を聞くにジャパリタイムスの編集長らしい。


私は、編集長と共にサンドスターの山へと向かった。


「なあ、こんな山登って、君の目的は

何なんだ?」


「愛する人を手に入れるのさ…

一生私から離れられないようにしてやる...」


(なんだコイツ...サイコパスレズかよ...怖いな...)


私は山を登り続けた。

途中セルリアンをタイリクに倒してもらいつつ。

そして、頂上に立った。


私の目的それは...


「ん?お前馬鹿か!?なんでセルリアンにっ!」


「邪魔しないで」


小型セルリアンの石に私は噛み付いた。

物凄く硬い。

しかし、これは彼女我が物にする為だ。


ガリッ








『サンドスター・ローノ、ノウドガ

タカクナッテルネ』


ラッキーがそう言った時、二人は眠っていた。

ラッキーはこの時不穏な物を感じ取っていた。







「お、おい、き、君...、その姿...」


「あはは...」


自分の左手を見ると、黄緑色に変色していた。


「私はセルリアンの力を吸収したのさ…。あと数時間で完全体になる。

私のこの身体でアライさんを思いっ切りだきしめてあげるのさ…。あははっ!」


(あー...、やっぱコイツ怖いな…

今のうちに逃げとくか?)


「一緒にアライさんを探してよ…」


「あっ...いや、急用を思い出して...」


「逃げたら...、吸収するよ?変態新聞屋」


「おい、その名前で呼ぶなっ!

わかった!やるよ!やるからさ!」





バスを走らせてると...


『アッ...』


「のだっ」


ズドンッ!


「んみゃぁ?」


「ボス...?」


「どこ見て運転してるのだ!?

免許持ってるのだ!?」


一人のフレンズが怒鳴り込んで来た。


「あれ...、あなたどこかで...」


サーバルは目を擦った。


「アライさんなのだ」


「アライさん...、どうしたんです?」

アードは尋ねた。


「道を歩いていたら跳ねられたのだ!」


「ああ、ごめんね」

(運転してるのはボスなのになんで私が謝るんだろう?)


サーバルは心中疑問に思った。


「あっ、この辺で耳が大きくて、ピンク色の服を着た、黄色っぽい髪のフェネックってフレンズを見てないか?」


(あれ...、そんな容姿のフレンズをどこかで見たような...)

アードも心中で疑問に思う。


「昨日ちょっとひどい事しちゃったから、謝りたいのだ。アライさんもフェネックの気持ちを理解するべきだったのだ...」


反省した様子で、そう言葉を述べた。


「わかったよ。じゃあ、探すの手伝うよ」


サーバルはその様子を見かねてそう答えた。


「車ではねたお詫びもありますしね...」


「二人ともありがとうなのだ!」


そうしてフェネックを探すことになった。






森の中でパトロールしていたリカオンは

思わぬ物を目撃した。


左耳は羽根のようになり、顔から身体の一部が緑色に変色している。

その姿には、見覚えがあった。


「フェネック...?先輩に知らせないと...」





サーバル達が森の中を探していると、セルリアンが現れた。

しかし、彼らの弱点は知ってる。


「うわああああん!」


かばんちゃんの鳴き声だ。

動きが止まったうちに、サーバルとアライさんが石を破壊する。


見事な連携プレーだった。


しかし、かばんちゃんの世話をしていた

アードは不思議な事に気がつく。


セルリアンが近付くと必ず泣くのだ。

何か特別な能力が携わってるのではと

思ってしまった。


「なんかやたらセルリアンが多くない?」


サーバルは率直な疑問をぶつけた。


「確かにそうなのだ」


アライさんも顎に指を当て、考える


『タブン、サンドスターノフィルターガ

キノウシテイナイカラダ。

フィルターヲ、スレバ、セルリアンハ、ヘルヨ』


「フィルター...、それってどこにあるのだ?」


『アノヤマダヨ』


ラッキーはその方向を向いた。


「ちょっとフィルターしに行こうか」


「サーバルさん!?コンビニに行くみたいなノリでいいんですか!?」


「3人も居るし、平気平気!」


「あっ...、私も行くんですね...」


そして、三人は山へ向かった。







「どこかなぁ...、アライさん...」


身体のセルリアン化進んだフェネックは

空を飛べる様になっていた。


(セルリアンを食べてから1時間後、

耳が羽根のように変化、空を飛ぶ...)


こっそりとフェネックの後を尾行していたタイリクオオカミはこと細く、フェネックの様子をメモしていた。




「ボス!どうすればいいの!?」


頂上に辿り着いたサーバルはそう尋ねた。


『四神フィルターガ、アル。

ソレヲ、モトノイチニ、モドスンダ』


「四神フィルター...、あの地中に半分埋没してるヤツですか?」


アードは指をさして言った。


『ソウダヨ』


「しょうがないね。塞ごう」


サーバルとアライさんは早速作業を始めた。


『アード、キミニワタシタイモノガアルンダ』


ラッキーはいつの間にか頭上にある物を乗せていた。


『カバンチャンヲ、オンブスルタメノ、ドウグダヨ』


「ああ、ありがとうございます」


その道具の使い方をラッキーは指導した。

言われた通り、アードはかばんちゃんを背中におぶり、両手が使えるようになった。


しかし、何故このタイミングなのだろう

と、疑問に思ったが胸の内に秘めとくことにした。


「わっせわっせ...、これで3つ目なのだ!」


「よし、あとじゃあ一つだね」


サーバルとアライさんが最後の四神像を

復元させようとした時だった。


「アライさん...みつけタ...」


その声で三人は上空を見た。

緑色の体の...、大きな翼なのか耳なのか分からない様なもので飛んでいる。


「フェ、フェネック...、なのだ?」


「そウだよ...、けド今は...、フェネックじゃない...。セルリアンの力を手に入れタ...、“セネック”なのサ」


「せ、せねっく...」


「アライさん...、私ネ、アライさんが好きだよ。だかラ、私と一緒に来テ!」


セルリアンと化したフェネックは、

急降下し、アライさんをお姫様抱っこの状態で上空へと連れ去った。


「大好き...、大好き大好き大好キ!」


そう連呼して何度も顔にキスする。


(やっぱ気持ち悪いのだ...)


「だ、誰か助けてほしいのだ!!」


「なんデ?(殺意)」



「ねえ、どうする、アード。

セネックはアレで満足してるみたいだし、アライさんを食べたりしないでしょ」


サーバルは1度はそう口にしたが、


「アライさんは逃がさなイ...

私の身体に一生居るんだヨ...」


「うわあ!!飲み込まれるのだ!」



「ねぇ、あのアライグマの為に私達が命を懸けて戦ったとして何の得があるの?」


サーバルは真顔でアードにそう尋ねた。


「は、はい?」


「私達が危険を犯してまで助ける価値があるのかってことだよ。1人が助かって全員ダメになるかもしれないじゃん」


サーバルはなおも話を続けた。


「そもそもさ、この物語って赤ちゃんを育てる話でしょ?突然どこかから湧き出るセルリアンならともかく、フレンズ型のセルリアンを倒すってさ...、

けも⚪の本能じゃないんだよ?」


「そ、そんなこと真顔で言われても...」


「ともかく、私達はさ、赤ちゃんを育てる最適の環境を探してたんだよ?

なんで他人の恋愛感情のもつれに首を突っ込まないといけないのかな?」


「...やりたくないんなら、それでいいですよ」


アードは諦めた様に言った。


「ねぇ!アライさん!私達は四神のフィルターを元に戻したら、新しい住まいを探しに行くから!」


大声で上に向かってそう話した。


「えっ!ちょっ!アライさんはどうなるのだ!」


「夫婦生活、最初はうまくいかないかもしれませんけど、最初は相手の良い所を見つけて褒めてあげてください!そうすれば、うまく行けますよ!」


アードはアライさんにそうアドバイスを送った。


サーバルはせっせと四神のフィルターを

元に戻した。


「じゃあね!アライさん!セネック!

お幸せに!!」


「お元気で!」


二人はアライさんとセネックを見送った。


「さあ、アライさん。

私達モ、夢のマイホームを探しに行く?」


「わかったのだ!何でも言う事聞くのだ!だから、食べないでほしいのだ!」


「ン?今なんでも言う事聞くって言ったよネ?

じゃあ、一緒に、ベトベトになろウよ〜、アライさん!」


(セライさんだけにはなりたくないのだ...)




「嘘だろ!?こういうオチかよ!」


一人そう声を上げたのは岩の影に隠れ様子を伺っていたタイリクオオカミである。


「なんかすっげえバトルが始まると思ったんだが...」


「あっ!お前は!」

その声で後ろを向くとセルリアンハンターのリカオンがいた。


「お前!ダメじゃないか!勝手に出ちゃ!またフレンズのスカートの中でも覗こうとしたんだろ!」


ヒグマは怖い声で言った。


「いや!違う!違うって!」


「タイリクさん、早く施設へ戻りましょう」


キンシコウはタイリクの腕を持ち、連れて行った。


「おい!何度言えばわかる!私はジャパリタイムス編集長のタイリクオオカミだぞ!変態じゃない!!」





こうして、サンドスターローの噴出は収まり、また新たなカップル?が誕生しました…。これも 、かばんちゃんを通じて、サーバル達が優しい心を持ったからでしょう。はてさて、サーバル達は理想の住まいを手に入れることはできるのでしょうか…?



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