だい4わ しゃばくちほー

電池をカフェで充電した一行は

完成したバスに電池を入れ、そして、

何年かぶりにバスが轟音を響かせました。


「すごーい!」


「これがバスなのか...」


関心するコツメカワウソとジャガー

こういった機械的な物はフレンズの関心を引く。


「じゃあ二人とも、ありがとう!」


「あ、また、ご縁がありましたら...」


「あうぅ」


サーバルとアードウルフ、かばんちゃんは別れを告げ、次のエリアへと向かったのでした...。


そして次に辿り着いたのが一面砂だらけのさばくちほーでした...。




「熱っ!」


サーバルは両膝を抱え座席に蹲っていた。


「騒がないでくださいよ...

寝かしつけたんですから...」


アードウルフも慣れてきて、かばんちゃんを眠らせる事が容易くなった。


「ごめんね...」


サーバルは少しぶっきらぼうに言った。


バスを進めていたその時だった。


ドスッ


唐突に屋根の上に何かが落ちる音がした。


「あれ?サーバルさん、何か音しましたよね?」


「そうだね。何だろ」


「あはー...」


後ろを振り返ると逆さまになったフレンズがいる。


「大丈夫?君...」


サーバルは尋ねた。


「いやー...、大きな砂嵐が来たなーって思ったら、飛ばされちゃったんですよー...、ここ何処ですか?」


「バスの中だよ。まあ説明するのは難しいんだけど...、私はサーバルで...」


「あっ...、アードウルフです」


「スナネコでーす」


逆さまになったままそう答えた。


「あの...、何時までそうしてるんですか?」


「何時でもやめられますよ。

けど、何時でもやめられないんですよー」


「は...?」


哲学的な事を言う彼女に困惑の色を隠しきれなかった。


するとバスがゆっくりと止まった。


「どうしたんですか?ボスさん」


アードウルフが運転席を覗き尋ねた。


『ミチガ、スナデウマッテルンダ

コノサキニ、チカドウガ、アルンダケド...』


「それなら任せてください

掘りますよー」


スナネコはそう言った。


「ホント!?」


「はいー、その前にお腹が空いたので

何か食べ物を...」


サーバル達はスナネコにじゃぱりまんを渡した。頬張ったスナネコは、外に出て砂を物凄い速さで掘り始めました。


「あのスナネコさん...、かばんちゃんに興味を持ちませんでしたね」


「そういえばそうだね...。あまり興味無いんじゃないの?」


3時間程立ち、地下道への道を完成させました。


「すごい!ありがとう、スナネコ!」


「いえいえー、ここが通れる様になれば、近道できるんでー」


「近道って...家が近いんですか?」


「このトンネルの途中に出入口を掘ったんですよー。あっ、途中まで乗せてください」


スナネコはバスに同乗した。そして

彼女が言った通りトンネルの中の途中には出入口の穴があり、そこでスナネコと

別れました。


「あー、ありがとうございましたー」


「あのさ、スナネコ、この子気付いてた?」


サーバルはかばんちゃんをスナネコに見せた。


「ふふっ、私は多色に染まる者より

何色にも染まらない自然が好きですから」


意味深な言葉を残し、サーバル達と別れた。


「なんか変わった子ですね...」


「そうだねー...」


『ネェ、フタリトモ。コノサキニ、

チカメイキュウガ、アルケド、

ヨッテイクカイ?』


パークの掟をすっかり忘れたボスはそう提案した。


「地下迷宮?なにそれ!面白そう!」


「えっ...、行くんですか?」


「かんこーも大事だよ?もしかして、アード怖いの?」


「いや...、そんなこと...」


「かばんちゃんも行きたいよね!」


「あうー、うぁー」


意味不明な声を出した。


「はい、賛成の方が多いから行こう!」


「えぇ...」


そして二人は地下迷宮へと向うのでした...。





キイイイイ...


三人は中に入った。


バタンッ


「あれ?」


サーバルは後ろを振り返った。


すると、一斉に灯がついた。


「ヒエッ!」


アードウルフはサーバルの腕に反射的にしがみついた。


「ちょ、ちょっと!?」


「おいテメエら!!何してんだよおおおっ!?」


物陰から怒号が飛んできた。


「だ、誰!?」


「見りゃあわかんだろ!ツチノコだよ、ツ!チ!ノ!コ!」


「よろしくね、私サーバル」


「あっ、あのっ、あわっ、あどっ、アードっ...」


動揺しまくりのアードウルフ。

いきなり怒鳴られてビビったのだろう。

サーバルはそう解釈した。


「おい、どうしてくれんだよなぁ。

これ閉まったら出られねえんだぞ?ああ?」


「だって、勝手に閉まったんだもん!

しょうがないじゃん!」


サーバルは反論した。


「あっ、あれっ?サーバルさん...、

かばんちゃんは?」


「えっ?」


手元を確認した。


「あ?どうしたんだよ」


「うみゃああああ!かばんちゃんがいない!!」


「まずいですよ!!」


二人は同時に驚いた。


「なんだ...、そのかばんちゃんってのは...」


「えっと、えっとね、黒い髪でちっちゃくて...」


「ああ?それって、アイツのことか?」


ツチノコは親指で後ろの方を指した。


サーバルとアードウルフが見ると

ハイハイをして奥の方へと進んでいるではないか。


「あっ!ちょっと待って!」


「ヤバいですよヤバいですよ...」


「おいコラ!ちょっと迂闊に行くと...」


サーバルが床を踏んだ瞬間底が抜けた。


「うみゃああああっ!」


「きゃあああああっ!」


「言わんこっちゃねぇ!!」


三人は底へと落ちてしまった...。







「ってて...」


サーバルは自身の腰を撫でながら立った。


「あー...、もう...」


アードウルフも何とか服を叩きながら立ち上がった。


「ッチ...、言わんこっちゃねぇ…

以外とボロいから走ったりするとすぐこわれんだよ。

ここは何がどうなってんのか、わかんねぇのに...、先走るんじゃねぇよ...

ったく...。この中は迷路になっててセルリアンもいる。お前らオレの後に付いてこい…」


ツチノコは先頭に立ち、サーバルを引導し、迷路の中へと向かった。






「かばんちゃーん!何処にいるのー!」


サーバルは叫ぶ。

赤ん坊がそう都合よく返事をしてくれればいいが...


「あっ、おい待てい」


ツチノコは後ろの2人を止めた。


「この先どっちもセルリアンが居るな」


「だったら私が倒すよ!どっち正解?」


「左だな」


サーバルは左の道へ行った。オレンジ色のセルリアンが彼女の姿を見つける。

跳躍力を生かし、背中の石を破壊した。


ツチノコが偵察し、サーバルは倒し、アードウルフはその後ろを行く。


そんな感じで迷路を攻略した。


しばらく進むと広いスペースにたどり着いた。


「あっ!かばんちゃん!」


彼女を見つけた。


サーバルは抱きかかえた。


「あー...もう、心配させないでよぉ...」


「それがかばんかよ...」

(何か生理的に受け付けねーなー...)


ツチノコは溜息を吐いた。


「あっ、あのっ...、皆さん、うっ、後ろに...!」


アードウルフの声でサーバルとツチノコが振り向くセルリアンの大軍が押し寄せてきていた。


「おい、逃げるぞ!」


「うん!」


「ひぇええええ...」


三人は迷路の中を走り出した。


「思い出した!この道を行けば橋があるはずだ!」


「そこにボッシュートってワケだね!」


「何かの像が没収されそうな気がするっ!」


橋の右端を急いで渡った。

セルリアンもその後で橋を渡ったが

目論見通り、重さで橋が一部崩落し、セルリアンを倒すことが出来た。


「やったね!」


「ふぅ...、助かった...」


「んあ!ジャパリコインじゃないか!

これはすんげぇお宝で...」


「ねえ、出口どこ?」


「教えて頂けますか?」


「人が喜びの余韻に浸ってる所に水指すんじゃねえよっ!!」


ツッコミを入れられた。


「あうう...」


かばんちゃんが小さな指で、ある壁を指した。


「どうしたの?何かあるの?」


「もしかして、出口じゃないですか?」


「アードウルフ、じゃあ確かめて来てよ」


「えっ?」


「いいから早く」


サーバルに背中を押されたアードウルフは仕方なく、その壁のとこまで行った。


「多分押せば開くと...、うわぁ!」


壁が突然回転しアードウルフは中へ入る事が出来た。


「あっ、やっぱ出口なんだ!」


サーバルもその後に続いた。


「あっ!おい!てめえら!!俺を置いてくな!」






庭のような所に出た。


「あ、あれ?スナネコ?」


なんとそこには、スナネコが寝転んでいた。声で気付いたのか、起き上がった。


「空って青いですよね。何でだと思います?私は空というのは色を付けられたっておもってるんですよー。みんな最初は白と黒しかなかったけど、誰かによって色を付けられた。だけど、みんな知らないんです。この青い空が当たり前だと思ってるから」


はたまた、難しい事を口にした。


「こんな所があったのかよ...」


淡々とツチノコは口にした。


「あっ、ボスさん...」


ボスがどこからか、ひょっこりと出てきた。

すると、ある不思議なメッセージを唐突に流し始めた。


“せっかく総工費350万円も掛けて、この地下迷宮を作ったのに...元請け業者の設計が杜撰で耐震に問題あるって言われて、開くことが出来なくなるとは...、パーク側は業者に対して訴訟を

起こすみたいですけど...

ハァ...、このままパークの負債が増えれば倒産してしまいます…

また、私の手取りの給料が...

まあ、好きでやってる仕事ですから、

いいですけど...、ゴメンね、ラッキー。毎回愚痴聞いてもらっちゃって”


アードウルフはそれを聞いていたが一切理解することは出来なかった。


何やかんやで、入口に戻ってきた二人は

バスに乗り、次のちほーへ向けて出発しました…。


「もう二度と来んなよ!」


「私達何か怒らすようなことしましたか?」


「さぁ...?」


『ソレジャア、シュッパツ、スルヨ』


バスはその場を去って行った。




「しかし...、アレはヒトなのか...?」









一方滝に流されたアライさんたち。

しかし、たまたまそこにショウジョウトキたちと遭遇。こうざんまで連れてこられたのだ。


「ふぁあああ!いらっしゃいませぇええ!ご主人様ぁああああ!」


「私達の生ライブ聞いてってよ!マジやばいからさ!」


「行くわよ...」



「うっ...ううっ...、苦行なのだ...」


「生まれて初めてこの耳を引きちぎりたいって思ったよ...」


またしても、悲惨な目に会っていたのだった...

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