だい3わ こうじゃん

アードウルフはボスと共にこうざんの入口にやって来ました...。


『ロープウェイニ、ノッテ、ウエニイクンダ』


「あ、あの...、なんでボスは私にも喋るんですか...?」


『キミハ、アノコノ、オトウサン、ダヨネ』


(お、お父さん...)


微妙な感じにアードウルフも誤認されていた。


『ココニ、ロープウェイガ、アルハズダヨ』


「ロープウェイって...、これですか?」


『ソウダヨ』


階段を上ったが、行き方がわからない。


「あ、あの...、何も無い...」


『ケンサクチュウ...、ケンサク...』


「ボ、ボス?」


『CPUカドウリツ98パーセント...』


「ま、また熱くなってる...」


ボスは再度白煙をあげてしまった。

困っていると、そこに...


「わたぁ〜しわぁ〜とーきー♪」


「....」


アードウルフは特に動じる事もなくその歌を最後まで聞いた。


「初めまして...、私はトキ...

あなた、上に行きたいの?」


「アードウルフです...。ええ、出来ればそうしてもらいたいんですけど...」


アードウルフはトキに抱き抱えられボスと共に飛んだ。

少しボスは熱い。


「私の歌、どうだった?」


「えー...、良かったと思いますよ」


「そう...?」


少し照れた表情をトキは浮かべた。


『“トキ”ハ、トウキョウト、ニイガタヲムスブ、ジョウエツシンカンセンノ、レッシャメイダヨ』


「ボス...、喋れるの?けど、何か違くない?」


「あ、あはは...」

(きっと熱くなったから、おかしくなったんだ...)



“トキ”同じくして...



「ぜぇ...ぜぇ...」


「あっ、サーバルちゃん!あれ?

なんで濡れてるの?」


「コツメカワウソ、アードウルフはどこ?」


「ああ、彼女ならかばんちゃんを私に預けてこうざんへ...」


「ジャガー、かばんちゃん貸して」


「あ?あぁ...」


そう言われ、かばんちゃんをサーバルに渡した。


「アードウルフ!置いてかないで!!」


こうざんの方へと走っていった。


「すげぇなぁ...、サーバル」


「すごーい!」





一方その頃

カフェの前に辿り付いた二人。

ドアを開けた。


「ふぁぁあああ!!いらっしゃああい!ねぇねぇ、何飲む?これね、紅茶って言うんだ!そこにお湯があるからつかってぇ!」


「それって結局、セルフサービスですよね...、じゃなかった、私達電池を充電したくて...」


「何だ...、お客さんじゃないのか…

ペッ!」


このフレンズはお客様は神様という言葉を知らないのだろうか。

それはともかくとして、充電させて貰えました。

アルパカの紅茶を飲みながら、時間を潰す。


「この高山なら、鳥のフレンズが沢山やってくると思って店をやったんだけどにぇ...。来客者はゼロ、一体何がいけなかったのか、不思議なんだよにぇ〜」


「うーん...」


「そうねぇ...」


アードウルフとトキが解決策を考えていると...




「はあっ...!なんで私だけ、川泳いだり崖登ったりしなきゃダメなの?」


「あうあう!」




サーバルは一人で緑山を攻略...、

じゃなかった、こうざんの崖を登り

カフェに辿り着いた。


ガチャ...


「あっ、サーバルさん、かばんちゃん...」


「いらっしゃい、適当にお湯使って飲んでねぇ...」


(やっぱりセルフサービスじゃないですか!)

アードウルフは心中で突っ込んだ。


サーバルも話に加わり、

どうしたら、このカフェに来客が来るか話し合った。


「やっぱり、お客さんへの接し方を変えるべきでは...」

と、アードウルフ


「私の歌で...」

と、トキ


「やめたら?この仕事」

と、サーバル


『ソレカ...、メイドフクヲ、キテ、

セッキャクシタラ、ドウカナ』


「うーん...、そうだにぇ...」


アルパカが出した結論は...


「そうだぁ!新メニューを作ろぉ!」


握った右手を左の手のひらで叩いた。


「そうですね。それでもいいかもですね」

(後は他人にやらせないで自分でお茶を出す様にしないと...)


「新しいお茶、飲んでみたいわね」

(私の歌...)


「なんでもいいよ」

(疲れた)


『・・・・』

(ボクノ、イケンハ...)



「でも、何味がいいかなぁ...」

アルパカが考えてると、


「あううう...」


サーバルが抱いていたかばんちゃんが

呻き始めた。


「ん?何?ミルク?」


「それだよぉ!ミルクってもの使えばいいんだよぉ!でぇ、どうやってミルクを手に入れるのぉ?」


アルパカが食いついて来た。


「母性に目覚めれば手に入ると思うよ。かばんちゃんを持ってればめざめるはずだから!」


サーバルはかばんちゃんをアルパカに

抱き渡した。


「おぉ〜、よしよ〜し、

いいこだにぇ〜。何かほしい物あるかえ?」


「あうう」



「何か胸のあたりがゾワゾワしてきたら、それが母性の疼きだから!(たぶん)」


「ねぇ...、この子に歌歌ってもいい?」


「トキさん、今は邪魔しない方が...」


「わたぁ〜しぃは〜ト〜キ〜♪」


所構わず歌った。


「うっ...、うぇぇぇぇえええん...」


サーバルは嫌がらなかった物の、

かばんちゃんは泣き出した。


「なんで泣くのよ!?」


『トキノ、コエハ、カラスニニタ、ニゴッタコエナンダ』


小さい音量でボスが喋った。


「あー、よしよしぃ...。

トキちゃんは優しいからねぇ〜

泣かなくていいんだよぉ〜

ほら、たかいたかぁーい」


上手い具合にかばんちゃんをあやす。

次第にかばんちゃんも落ち着いてきた。


「な...、なんで私の歌が...」


トキは蒼白した様子でずっと固まっていた。


「アルパカさん、どうですか?」


「ちょっと試してみようよ。

これ、脱げる?」


サーバルは自身の服を摘んで見せた。


「それ脱げるのぉ?知らなかったよぉ!



アルパカ達が、色々盛り上がってるが、

トキは未だ現実が受け入れられなかった。


「私の歌が...、そんなのウソよ...

そんな...、そんな...、そんな...」


『...メイドフクヲ、キレバ、キガハレルンジャ、ナイカナ』





なんやかんやありまして、結局...


「スゥー...」


「かばんちゃん寝ちゃったねぇ」


「アルパカさんが上手かったんですよ」


「はいどうぞぉ〜、ミルクティだよぉ!」


濁った色の紅茶が、テーブルに置かれた。


「ありがと、喉乾いたんだ」


サーバルは直ぐに飲んだ。


「い、いただきます...」


(なんだろう、この気持ち...

アルパカさんの...、なんて言うか...)


「いい味してるよ」


「お、美味しい...、です」


「二人とも喜んでくれてよかったよぉ!」




「ん?あれは...」


屋根の上で座ってたトキにボスはあるものを頭の上に乗せて、持ってきた。


「あら...、どうしたのボス?」


ボスの頭上には黒と白の服...


「うおおおっ!マジで!?チョーヤバいんですけど!」


唐突に上空からあるフレンズが降りてきた。


「あっ、あなたは...」


「ちっす、あたしショウジョウトキって言うんですけど、ってか、マジヤバいんですけど!メイド服着てみたいんですけど!」


「えっ...、えっ?」


「ほらっ、アンタも着るよ!

めちゃ可愛いんですけど!マジ卍!」


「は、はぁ?」


トキは唐突に乱入してきたショウジョウトキの異様なテンションについていけなかった。




「はぁ...、ごちそうさま」


「ありがとうございました」


「この先のちほーで、どんどん宣伝してにぇ!」


(結局人任せじゃないですか...)

アードウルフはまた心中で愚痴をこぼすのだった。




二人が帰ろうと席を立つと...


「ちょっと待った!スペシャルライブだよ!」


「ん?誰?」


「な、なんですか?」


「トキちゃん?かわいいねぇ!

その格好!」


「そ、そうかしら...」


認めてくれて嬉しかった。



「いくよっ!せーのっ!」



ショウジョウトキとトキの

デュエットコンビの歌はとても、とても

“すばらしい”物だった。


「マジヤバいんですけど!観客泣いてるんですけど!マジ、テンアゲなんですけど!」


「私も感動したわ...」


二人はその光景をみて感嘆としていた。


サーバルは椅子から転げ落ち目を回していた。


「う...うみゃぁ...」

(ひ、酷すぎる...)


一方アードウルフは涙を浮かべ、口を両手で抑えていた。


「うっ...、オエッ」

(今飲んだのが...、戻ってきそう...)


「うぇええええええん...」

かばんちゃんは泣き出していた。


「いやあ!素晴らしかったよぉ!

二人ともぉ、このカフェで働きなよぉ!」


「マジで!?感激なんですけど!」


「これで私もPPPを超えられるわね…」


という訳でドッタンバッタン大騒ぎだったカフェでの充電を終えて、サーバルと

アードウルフの二人は意識が朦朧とする中、ロープウェイで高山を降って行ったのでした...。




「ねえ、アルパカも着てみれば...?

この服」


「いいねぇ!」


「似合うと思うんですけど!」







『ミッション...、コンプリート』






一方この二人は...


「アライさん、この川どうやって渡るの?」


「うーん...、イカダを作るのだ!」


アライさんとフェネックは木を集めてイカダを作りました。


「これで完璧なのだ!

早速乗って渡るのだ!」


「はいよー」


イカダを出発させて少しした時


「あれ...、前に進まないのだ...

流されてるのだ...」


「だって漕ぐやつを作ってないじゃないか。やってしまったね、アライさん。

この先は滝だけど、どうするのさ」


「ふぇええ!?何でそれを早く言わないのだ!?」


「だって聞かれてないもん」


「ああああっ!アライさん達の危機なのだーっ!」



果たして、この2人の運命はいかに...?


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