神界第3役所転生課異世界部 #2

「へぇ…意外と広いじゃん」

「そうですねえ」


 俺とルルさんは真新しい部屋にいた。ここが転生課異世界部総合担当に与えられた部屋である。


「で、俺たちは何をすればいいんですかね?」

「基本そこまで仕事はないそうですし、まあ基本待機でいいんじゃないですかね?ほら、そこの机で」

「ってかパソコンあるじゃないですか…」

「地球の知識をダウンロード…そのパソコンWind○ws入ってますしスペックもいいですよ。インターネットも使えますしゲームしていいそうですよ。SNSも身バレしないように気をつければ使っていいそうで」

「はぇ~すっごい緩いゾ、どうやって回線引いてるんですか」

「地球に拠点作って回線引いたらしいですよ。あと神界側のネットも使えます」

「まるで意味がわからんぞ…って通信速度5Gbps!?はっや!!」


 そうやっていろいろ弄っていたが、俺はルルさんが立ち尽くしているのに気づいた。


「どうしました?」

「あ〜…パソコン自体は神界でもめっちゃ使われてるんですけど、如何せんわたし、機械音痴でして…ここ数億年あの、転生課の受付のカウンターにあるパソコンしか使ってなくて、決まった操作しかわからないんですよ…」

「そういえばあっちは使いこなしていたけれども…こっちのパソコンって、地球のパソコンと何か違うんですか?」

「ほぼほぼ同じですよ、アトラクタフィールド的なアレで」

「そのネタを持ってくるのは予想外だった…」

「さらに言えば、あらゆる星の中でも一番規格が統一されてるのってどの宇宙でも地球くらいらしいんですよ、だから神界もそれを逆輸入してますから同じだと思いますよ」

「地球すごいな…まあ何はともあれいつかはこっちのパソコンショップみたいなの行きたいな」


 俺がまだ見ぬ世界に胸を躍らせていると、ルルさんは突然胸の前で握りこぶしを作って、


「あ、あのっ!わたしに、パソコンを教えてくださいっ!」


 そう言って俺にバッと頭を下げた。

 …どうしようか、人間だけど神界に来たらいきなり天使に頼られた。


 To be continued…

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