解の理由 ※真智視点

「え?

あたし、さっぱりわかりませんよ〜」


「まあ、待ち。

落ちついて考えてみいや。

確かあれは部活の時間だったかいな?

うちは確かお前ら三人にナゾナゾを出したことあったな?

覚えとるか?」


「あ!

覚えてます!

確か、薄井教頭の頭の上に2角形が書けたっていうアレですよね!?」


「え〜い!

教頭の頭の件はいい加減忘れーい!!

お前らのあのイタズラのおかげで、

うちはなぁ〜、あの後職員会議で酷い目に遭ったんやでぇー(涙)」


「てへへ、すいません♪

あの時は、つい……魔がさしちゃいました♪」


「あの〜、先生〜?

確かあの時は平面には2角形は書けないけど、

球面であれば書くことが出来るってことでしたよね〜?」


「おー!

四葉ちゃんと内容覚えとるやないか!

その通りや!」


「あの〜?

じゃあ〜、今回のこの入口の謎解きも多角形や球面と関係があるんでしょうか〜?」


「その通りや!

『1』と言う数字あるな?

これは2角形の時と同じように球面の幾何学で考えるんや。

その場合、1角形はどう書けるか、真智はわかるか?」


「え、あたし?

うー、わかんないよ〜。

教頭の頭に……」


「教頭の頭は忘れーい!!」


「あ、谷先生〜?

真智ちゃんは教頭の丸顔を書きはじめましたけど〜」


「真智、ストップ!!」


「え?

あたしまだ教頭の顔描こうとして丸しか書いてないですよ?」


「正解や!」


「えー!?

教頭の丸顔が答えなんですかー!?」


「それは違うぞ、真智!」


「え?

じゃあ一体……」


「丸だ!」


「丸!??」

一緒に宙まで驚いている。


「丸。つまり円を書くための一本の線はな、球面で考える幾何学では直線と考えることができるんや。

平面で考える幾何学の場合はな、辺の長さが永遠に伸び続け形自体できん。

でもな、球面の幾何学では状況が違う。

大円のどれかを辺にすることで辺の長さが有限の一周して閉じた一角形が描けるんや」


「んー、なんか、わかったようなわからないようなー」


「真智、体育会系のあたいですら理解できたぞ!

どやっ♪」


「ちょ、ちょっと宙!

何、いきなり!?

その鼻息ふかしたキモいどや顔とダサい決めポーズ!?」


「あたいさ、実は能力者なんだ。

そしてな、その能力こそがコレ!

知る人ぞ知る体育会系奥義

『軍隊色の覇気』だ!」


「軍隊色のって何それ!?

あんたの場合、

軍隊じゃなくてタケシ軍団の間違いじゃないの?」


「ねえ、真智ちゃん〜?」


「何、四葉ちゃん?」


「宙ちゃんの下半身……、気にならない〜?」


「え?

って、こやつー!?

しれ〜とジーパンのチャックも全開に空いてるしー!?

おや?

チャックの下ってモザイクかかってない?

しかもさ、チャックの下のモザイクが黒いと変な想像しちゃいそうで嫌らしいよ!

紛らわしいから今後一切黒いパンツ履くなー!!」


「すまん、あたいパンツ・・・履いてない」


「え・・・?」」」

宙のその一言に、真智達は一瞬にして凍りついた。


『ズコー!!』


「おい、真智!?

盛大にズッコけたみたいだが大丈夫か?」


「全然大丈夫じゃないよー!!

ちょっとお願いだからマジで辞めて!?」

宙、今のあんたある意味マジでチートだから。

イタ過ぎんるよぉぉー!」


「真智ちゃん〜?

頭くしゃくしゃにしてだいぶ錯乱してるみたいだけど大丈夫〜?」



「なあ真智?

これがかぁー?」


「そうだよー!!!

あっ!

そのポーズって確かラジオ体操第二開始早々のゴリラみたいな動きする部分じゃなかったたっけ?」


「え〜と真智ちゃん〜?

厳密には猫の手みたいな動作になるんだけどね……、まぁいっか〜」


「ラジオ体操のゴリラのポーズかぁ。

意識はして無かったが……、そういやそだな♪

アハハ、楽しいな〜コレ♪

あたいってすごくね?」


「すごく無いし褒めてない。全然褒めて無いから喜ぶなそこ!

そこのいろいろ勘違いしたドMゴリラっ!」



「コホンッ!

なんか、あたい達いろいろ脱線したなぁ!?」


「まあ、十中八九……、

宙!あんたのせいだけどね」


「真智、頭の悪いお前にもあたいが特別に謎解きの答えをわかりやすく説明してやるから安心しろ!」


「宙が教えてくれるなんて、ホントに大丈夫かなぁ」


「真智てめぇ、心の声まる聞こえだぞ!」


「あれぇ〜、バレてた?

てへへ♪」


「まあいい。これをみろ!

ここに袋に入った菓子パンが2つある。

ひとつは真智、お前持て!」


「え?

あ、うん」


「そしてな、菓子パンの袋の上に直線を一本引いた後こうやってズボンの中に入れる。

そして、後はじっと待つんだ」


「え? ズボンの中に?

どの辺に入れるの?

それに、袋に直線引く必要ってある??」


「股のあたりだ。

ほら、どうだ?」


「あっ! なんか少しずつ膨らんで

モコってなってきた!」


「そうだろ?

こうやっていれば丸くなるだろ?」


「おー!なるほどー・・・って、

いやいやいやいやいや!

あたしこれでも真面目に考えてるんだからね!?

それに、熱く語ってた割にはこれ単なる下ネタだよね?

違います?

ねぇ、変態色の覇気を使う

変態色のゴリラさん?」


「アハハww

何だよそのだっせぇ〜名前(笑)

ヒーローアニメとかに出てくる悪役のモブキャラクターとかか?」


ー!!」

流石にこの時ばかりはと、

あたし・四葉・谷先生は宙に同時にツッコンだ。


「あっ、あっ、あたいー!?」


「そうだよ!

全くー!

お宅、少しは空気読んでいただけません!?」」



「ねえ真智ちゃん〜?

私ね〜、たぶん真智ちゃんは相談する相手間違えてるんじゃないかなぁ……なんて思うんだけど

どうかなぁ〜?」

四葉ちゃんは小声でそっと助言してくれた。


「ホントだよ〜全く!

それに四葉ちゃんもっ!

今さらフォローして貰っても遅いよー!」


「ごめんね〜真智ちゃん〜。

あっ!」


「四葉ちゃん、急に何かを思い出したみたいに、

一体どうしたの?」


「谷先生〜?

私も理解できましたー!」


「おー!

四葉賢いな!」


「ところで先生〜?

『1』が1角形を表しているとすると『⚫️』のボタンだろうなと推測できるんですが〜、

じゃあ〜、『65537』もなんだかの意味で『⚫️』に関係しているってことですか〜?」


———————————————————————

【登場人物】

•谷先生

真智まち

•四葉

そら

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