超現実 ※宙《そら》視点
「谷先生!
それに、みんな!」
「その声は……、真智か!?」
「え!?
真智ちゃん〜?」
「そうだよ。
ふぅ〜。
やっと、みんなに会えたー♪」
「全く〜、うちらホンマにお前のこと心配しとったんやで」
「えへへ、谷先生すみません」
「真智ちゃん、身体大丈夫なの〜?」
「大丈夫大丈夫!
四葉ちゃんにも心配かけてごめんね」
「真智ちゃんが無事でホントによかった〜♪」
「よし!
じゃあ、みんな臨死体験の探索の続きと行きましょうかー♪」
「そうだな。
って、ちょっと待てーい!」
「え?
宙……、どうかした?」
「どうかした?
じゃねーよ!
みんなに迷惑かけた張本人のオメーが仕切んな!」
そして、あたいに対してはゴメンの一言も無しか?」
「アハハ、ごめ……」
そのことなんだけど、
実はさ、宙?」
「ふんっ、何だよ?」
「あえて宙にごめんは言いたくないんだ」
「はー!?
何でだよ!?」
「宙は『ごめんのわら人形』って知ってる?」
「なんだよ突然!
そんな、あたかもたった今考えつきました〜
みたいなぶっそうな名前は!?」
「いいから答えて!!」
「知らねー」
「そっかー!
事情知らないんだったらあたしに逆ギレしても仕方ないね。
許す!!」
「ちょっ、何だよー事情って!
それに……、許すって何だよ、その上から目線?
許すかどうか決める権利はあたいの方だろー!?」
「まあまあ宙。まずはもちつこう!
そして、聞いて」
「あ、ああ。
さっきからお前の不気味な半笑いの顔がキモ過ぎてしゃくに触るんだ。
目が合うと無性に顔を殴りたくなって仕方無い・・・
なあ真智?
この罰ゲーム、あたいはいつまで我慢したらいい!?」
「気にするとこ・・・、
そっちぃぃぃぃー!?」
「まあ、聞くだけは聞いてやろうじゃないか」
「じゃ、まあ話すよ。
ある夜、あたしは寝てて夢をみたんだ。
その夢の中にはね、ナメクジみたいに全身緑色の肌をしたウソっくせえ人っていう通販番組のセールスマンのおっちゃんが出てきたんだけど、そのおっちゃんにあたし言われたんだ。
『ごめんのわら人形』を一体、今回特別実質ゼロ円でくれるってね」
「なんだか、うさんくせぇ〜なぁ〜、おい!」
「いい、宙?、最後まで聞いて!」
「は、はい」
「ごめんのわら人形に誰か一人の名前を書いて、本心では納得していないけどしぶしぶ謝ってあげた数だけ、
必ずその日中に五寸釘を打つように言われたの。
そして五寸釘を打つとね、
なんと!!」
「なんと!?
もったいつけないで早く言えよ!」
「なんかね、
案外ストレス解消になる
予定らしいんだよ」
「予定?
予定ってどういうことだよ?」
「それがさぁ~。
その機能は明日、明日必ず付ける!
だから、今日は勘弁して、おにゃしゃす~!!
だって~♪♪」
「何だよっー!?
その明日こそは絶対やるから今日は見逃して~みたいな、まるでこっちが急かして悪いことしてる風に聞こえる発言は!
結局やらないつもり満々な●び太くんじゃねーか!!
ハァ~。
それになぁ、
頑張って付けて頂く機能っていうわりにはさ、案外ストレス発散になるって・・・コレ、何だよー!?
微妙だし、たいして嬉しくもねー!
マジ要らねぇー!
ところでなぁ~、真智?」
「え、どうしたの?」
「あたいさ、ホントに信じなきゃ駄目かぁ、その話?」
「まあまあ。
話、続けるよ。
だけど、その五寸釘だけは別売りで注文になるらしいの。
専用の五寸釘が高くてさ、今月のあたしのお小遣いじゃ足りないんだけど、そこは宙にお金を借りたら済む話だよね。
問題はそこじゃないんだ。
問題は五寸釘が注文になるってところ!
今日宙に謝っても、五寸釘間に合わないから、
今ここで宙に謝る意味ってあるのかな?
ねえ宙?
あたし、どうしたらいいと思う?」
「知らねぇぇーよ!!!!」
『ガーン!!』
「おーい!!」
「え?」
あたいに見捨てられ愕然としていた真智を
呼ぶ声、谷先生の声だ。
「なぁー!!
真智も宙も二人ともなー、くだらんコントはその辺にして、こっちに来てうちらと一緒に周りを見渡してみー!?」
「はーい!」」
真智は宙と共に谷先生のそばまで行き、そして辺りを見渡す。
すると、真智がほんのわずかに動いただけで、
周りの景色がまるで万華鏡の様に激しく変化した。
「この感覚って、確か……」
「そうやな。
うちらがVR技術を使って19万6883次元に行った時の感覚に似てるな」
「そうですね。
だけど、どうしてなんでしょうか?」
「脳内の神経伝達物質の過剰放出が景色を強化したんやろうな」
「景色を強化ってどういうことですか?」
「言うなれば、この光景は理性的な意味付けをしていないまっさらなありのままの情報や。
うちらが普段感じているんは五感用に次元を落とし簡略化された物事の解釈で塗りかたまれた日常世界。それよりも遥かに高次元レベルの超現実やないかとうちは思う」
「みんな〜?
あそこに大きな建物があるよ〜!」
「え?
四葉ちゃん、どこに?」
「あそこ〜!」
「あっ、本当だ!
随分大きな建物みたい!」
「あれは、何かの工場みたいやな?
ほな、みんなで行ってみるか!」
「はい!」」」
あたい達四人はその工場らしき大きな建物の入り口まで向かった。
「入り口の上に大きな文字で3次元現実製造工場って書かれています〜。
やっぱり工場でしたね〜」
「早速入ってみようよ!!
って、この入口の大きな扉、開か無いよ!?」
「真智、待ちや!」
「え?
どうしたんですか、谷先生?」
「扉になにやらボタンがあるで」
「あっ、ホントですね!」
「⚫️に▲に⬛️に✖️ってボタンは4つあるよな」
「ボタンとは別に扉には数字と文章も書かれていますね〜」
「【『1』『65537』
2つの数から連想できるものを以下のボタンから1つ選べ】
だって……。
さっぱりわからない。
四葉ちゃん、わかる?」
「う〜ん〜、
私もわからないよ〜」
「あたいにも……」
「大丈夫、宙には聞いてないから」
「なんだとー!?」
「谷先生は……?」
「みたことある……」
「え?
谷先生、今なんて?」
「この問題、見覚えがあるんや」
【問題】
『1』『65537』
2つの数から連想できるものを以下のボタンから1つ選べ。
『⚫️』『▲』『⬛️』『✖️』
———————————————————————
【登場人物】
•谷先生
•
•四葉
•
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