謎のメッセージ

『ブィーン!!!』

既に起動された乱数発生器の装置が冷却フィンの音を響かせながら起動する。

真智の命に関わるこの一刻を争う事態ではそれは当然の行動だった。

月水とその助手には、谷先生から託された乱数発生器の使用にためらう余裕などあるはずが無かったのたから。


『ピーーー』


「え?」」

月水と助手は脳波計から発せられる音に耳を疑った。


「ちょっ!

ど、ど、どういうことだい!?」


「真、真、真智さんの脳波から、

信号が消えたっス!」


「そんな馬鹿な!!

意識が量子に影響を与える実験は聞いたことあるけど、その逆なんて僕は聞いたことないよ!?」


『ピーーーー』


月水と助手の二人は不安に押し潰されそうな深刻な表情のまま無言で見つめ合う。


『ピーーピピ、ピーー!』


「う、動き出したっス!」


「よかった〜。

脳波が戻ったね!」


「月水博士?

どうやら喜びに浸ってる暇は無いみたいっスよ。

この乱数発生器のログを見てくださいっス……」


「え?

どれどれ。

22325711111311131917171723293131313731414341415347534747。

一がやたらと多いね。

でも、それがどうしたのさ?」


「1が多いって以外にも何かに気がつか無いっスか?」


「え?」


「2桁の数字も含まれてるっス」


「あっ!

素数だな!」


「そうっス!

しかも、素数の数字が規則正しく増えているっス」


「規則正しく?

って、わかった!

もしかして、電話戦士(パシリ)が言いたいのは、

モ……」


「そのとおりっス!

素数の若い連続した数2つずつをペアにしていき、

【-】を素数 n に、【・】を次に大きな素数 n'としてそれぞれを対応させたモールス信号になっているっス!


2232は--・--、つまり『あ』

57は-・ 、つまり『た』

11 11 13 11 13は、--・-・ 、つまり『し』

19 17 17 17は、・---、つまり『を』

23 29は、-・ 、つまり『た』

31 31 31 37 31は、---・- 、つまり『す』

41 43 41 41は、-・-- 、つまり『け』

53 47 53 47 47・-・-- 、つまり『て』



「ほんとだ!!

偶然にしては、あまりにも出来すぎてる・・・よね」


———————————————————————

【登場人物】

真智まち

•ゲス(月水)

•電話戦士( パシリ )

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