第1章 無口な人を知ろう

その1 どんな『無口』なのかを見極めよう

 無口な人には、いくつかの種類があります。

1、感情を言葉に組み替えて表現することが難しい人。

2、失言の多さや毒舌、天然発言を気にして、喋らないことに努めている人。

3、幼少期の経験から、喋ったところで何の意味もないと潜在意識の中で思い込んでしまった人。


 大きく分けて、この3つです。この3つを知ることで、その人にどんなことを

“してはいけないのか”が変わってきます。じっくり観察して見極めて下さい。


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1、感情を言葉に組み替えて表現することが難しい人。


 感情を言葉にし、しっかりとした文章に並べて表現するのに時間がかかるタイプの無口です。時間をかければちゃんとした言葉を紡ぎ出すことが出来る場合がありますが、かかる時間は時間単位、日単位、月単位と、かなり長い時間を要します。

 こういった人と接する場合、YESかNOで答えられるような質問をしたり、

「~~と思ってるのかな?」

「○○的にはこう? それともこう?」

 と、代わりに代案を出してあげてください。NOであれば無口な人はしっかりと反応を示します。

 逆に、答えを急がせたり、なかなか答えが返ってこないことを指摘してはいけません。その人は余計に焦り混乱し、最終的にはなかなか答えを出せない自分を責めてしまうかもしれません。


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2、失言の多さや毒舌を気にして、喋らないことに努めている人。


 汚い言葉や暴言、うっかり漏らした失言がトラウマとなって、喋らないようにしようと心に誓ったタイプの無口です。基本的に無口というだけで、その人の趣味や特技といった話になると良く喋ることもあります。

 口喧嘩やお酒の力を利用して吐き出させるのは、無口な人にとっても聞く側のあなたにとっても精神的なダメージを負う危険があるので控えて下さい。もし、既にやらかしてしまった場合は、取り敢えず水に流して、数ヶ月後にもう一度胸の内をさらけ出すように促すといいでしょう。

 本来は相手を傷つけることを恐れるくらいに臆病な人だということを忘れないであげて下さい。


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3、幼少期の経験から、喋ったところで何の意味もないと潜在意識の中で思い込んでしまった人。


 ゲームや小説などで、戦争などの影響で精神的に大きなダメージを受け、喋ることが出来なくなったキャラクター(物語の中~終盤で突然喋れるようになったりするアレ)がたまに登場します。アレの、まだギリギリ喋ることのできる状態が、このタイプの無口です。

 なぜ喋ることが出来なくなったのかを聞いてあげることが、なにより大切なことです。

 ただし、聞いてあげる“だけ”にとどめて下さい。彼はそのトラウマと年齢に近い年月闘ってきているからです。解決策や、正論などを軽々しく提案すると、

(ああ、この人も私の話をちゃんと聞いてくれない。やっぱり喋るだけ無駄だったんだ)

 と、余計に喋ることが難しい精神状態に追い込まれるからです。聞いてあげた後は、一言だけ、

「喋ってくれてありがとう」

 といってあげてください。内容によっては、その後に飲みに誘うなりレジャーに誘うなりして気分転換を図るとなおいいでしょう。



 以上の3つが、無口な人の大きく分けた種類です。なかにはこの3つの内の2つの性質を持った人や、3つ全てが当てはまる人もいます。慎重にその人を観察して、見極めることが何より重要です。

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