PART-4:アタックキャンプ
トレイル
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PART-4:アタックキャンプ
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(ムーンベイ・第一〇七支局遠隔地探査用補給キャンプ)
いまムーンベイは春から初夏へ移り変わろうとしている。
ダーゥインシティに比べれば緯度が高いが、そろそろここでも水に入ることに抵抗が少なくなる季節だ。
大きなセルシティで育ったエミリンは幼い頃から散々脅かされていたので、海に入るのは気が進まなかったが、これまでにもジャンヌは自分が安全だと思った場所に関しては、水着になって泳いだりすることがあった。
スレイプニルのジムにはジャグジーもあるし、水中作業マシンの動作チェック用も兼ねた小さなプールもあったが、やはり本格的に泳ぐというわけにはいかない。
ジャンヌに言わせると、刺胞毒を持つ生物は岩場に多いので砂地でしか泳がないことと、サメに狙われないように浅い場所から出ないこと、そして夜は絶対に水に入らないことが大切だそうだ。
一応水着は持っているし、これまでも度々ジャンヌに促されて海に入ったりはしてみたけれど、楽しいというよりも言いようのない不安がこみ上げてくる気持ちの方が強くて、それはエミリンにとっては、とてもくつろげる行為でなかった。
なのに、なぜ水に入ることを連想したかというと、いまジャンヌが仕上げに掛かっているのが浮き桟橋の建設だったから。
浮き桟橋というのは、陸地と船をつなぐ浮橋の一種で、水面に浮いた状態で陸地と船をつなぎとめる橋渡しになる。
浮いているから潮の満ち引きで潮位が変わっても船の舷側とは一定の高さを保てるし、構造も簡単で、本当の港の岸壁を作るほど大げさな工事も必要としない。
幸い、ムーンライトトレイルの造成に伴ってアクラが大量の木材を切り出していたので、それを利用して構造を作ることにした。
そう何年も使えるものでもないけど、むしろ木製の浮き桟橋が劣化するまでには、探索に目処が付いていることを期待したいところだ。
丸太を何本も束ねて高分子ワイヤーでしっかりとつなぎ合わせて巨大なドラムをつくる。そのドラム同士をまた並べてつなぎ合わせていくと、ドラムの帯ができて、それが波を柔軟に受け流す浮き桟橋のボディになる。
ただ、そのままでは凸凹が激しすぎるので上面にレーザーで水平にカットした別の木材を貼り付け、その表面を土壌サンプル梱包用の水分を通さない特殊なシートでカバーした。
これでもう、スレイプニルと陸地を行き来するために、水上にMAVやATVを走らせる必要がない。食事のときにはそのまま自分の足で桟橋の上を走って船に戻ればいいだけだ。
MAVが乗っても沈まない浮力と強度があるので、スレイプニルから資材を積み下ろしする作業もずいぶん楽になった。
とはいえ、その労働を任されているレイバーマシンたちは、日頃文句も言わない代わりに、負担が減ったからといって喜んでくれるわけでもないが。
「フギン、それは、そこに下ろしておいてちょうだい!」
ジャンヌが桟橋の上からフギンに向かって叫ぶ。
桟橋のきわまで来ていたフギンは、そそくさと木材を地面に下ろすと、森の資材置き場に戻っていった。
ジャンヌの推測では、エイムやメイルのボディはもちろん完全防水だけど、不測の事態を避けるため深い水中には足を踏み込まないように、行動原則として迂闊に水中に踏み込まないよう動機づけられているのではないかと、そう考えていた。
ムーンベイにいるエイムの二体をまとめて『ベイムズ』_ベイエリアのエイムたちという意味だが_と最初に呼び始めたのはジャンヌだ。
そのベイムズ、つまりフギンとムニンは、いまでは『そこ』とか『あれ』とか、そういう代名詞も理解しているし、『を』とか『に』といった接続詞でつながった文章でも、短くて簡単な意味なら、おおよそ取り違えない。
いまのジャンヌの指示のように『それは、そこに下ろして』という、およそ不明瞭な内容だったり、語尾に『ちょうだい!』なんてプラスアルファが付いていても悩んだりはしなくなっている。
相変わらず返事ができないことだけが不便だけれど、いつのまにか『うなづく』と思える動作を見せるようにもなっていた。
フギンが背中から下した丸太をレイバーマシンが拾い上げ、桟橋の先端まで運んでくる。スレイプニルが接岸するデッキの補強部分にそれを押し込み、ワイヤーで固定する。
いま、スレイプニルは湾の中央部の砂浜寄りではなく、向かって左の岩礁側に移動して、干潮時に船底を擦らないギリギリまで岸に寄せていたが、フィンキールを畳んだ喫水の浅いスレイプニルでも岸の岩場まではまだ結構な距離がある。
そこに伸びた浮き桟橋は、本当に水の上に敷かれた道だ。
いま、スレイプニルの舷側から高原地帯の入り口まで、一本の道がつながっている。
アクラたちの労力によって開通したその道は、エミリンを内陸へといざなう道だ。
道の先に何があるかはまだわからないが、道がある以上は進んでみるしかない。
『だって、それがエミリン方式なんだから!』 エミリンは、心の中で自分に向かってそういうと、デッキから桟橋へのタラップを降りた。
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このところジャンヌはずっとキャンプの構築にかかりきりだ。
スレイプニルに大量に積み込んできた資材とマシンを駆使して、次々と色々な設備を作り上げていて、前回の訪問時にはアクラの定位置だった高台の草地は、いまは『第一〇七支局遠隔地探査用補給キャンプ』のヘッドオフィスになっている。
アクラとベイムズが一緒に作った丸太小屋も資材置き場としてそのまま使っているし、沢からパイプを伸ばしたので、水も使い放題だ。
さらにジャンヌがダーゥインシティから持ち込んできたプレハブユニットで、人間がそれなりに居心地よく過ごせるオフィスも建ててある。
そのオフィスの壁にはショウ部長がくれたブーケがかけてあった。これで、ちゃんと部長の意向には応えたわけだ。
エミリンは天候の悪い時以外は、あまりオフィスの中に入らないし、ランチも切り株の脇にしつらえたテーブルで取ることの方が多い。
オフィスは人間規格なので、ドアも窓もアクラが首をつっこむことさえできないからだ。かといってセンサーケーブルだけを室内に伸ばしてもらうのも、なにか違う気がする。
キャンプと浮き桟橋の建造に一段落つけたジャンヌが次に取り掛かったのは、キャンプとムーンライトトレイルの安全強化策だ。
もちろん、いまでもドローンによる哨戒は二十四時間体制のオートで行っているし、陸上でもキャンプの周辺は常にレイバーマシンがパトロールしているので、仮にアクラなしでも、突然飛び込んできたメイルやエイムに襲われるという心配はまずなかった。
心配なのは、今後はエミリンとアクラが、場合によってはジャンヌも一緒に長期間スレイプニルを離れるかもしれない状況が考えられることだった。
もちろん、留守中のスレイプニルは自律動作で沖合に出ておかせればいいのだが、内陸部への探索がどんなスケジュールや頻度になるか決められない以上は、このエリア全体の安全策も高めておきたい。
それにムーンライトトレイル自体も、きっと何度も往復することになるだろうから、当面の策としては、天候に左右されやすいドローンだけでなく、固定設置型のセンサーも張り巡らせたいところだ。
アクラには地雷の顛末を聞かされていたし、二度とそれを置く気がないことも明言されていた。結果としては、あの地雷はフギンとムニンに『守る』という意識を与えたことになったが、それは偶然の経緯にすぎない。
ジャンヌがオフィスの奥からティーカップを片手に出てきた。
「エミリン、マシンのローテーションプログラムはできた?」
「うん、素の作業で大体二週間かな。一応条件が悪い場合の余裕を見て、三週間で設置するプランにしてる」
「いいわ。でも最初は近くに試作品を立てて検証してみましょう」
ジャンヌは検討の末、ムーンライトトレイルに沿って一定間隔で『電柱』を立てていくことを考えている。
ムーンベイから高原の入り口まではおよそ20マイルを超えている。開発局の作業船ならその程度の長さの通信ファイバーくらい積んでいるだろうが、さすがにスレイプニルにはそこまでの資材はない。
ジャンヌにとってもムーンライトトレイルの整備は予想外の出来事だったので、高原地帯での活動に必要な装備は色々と考えていたものの、通り過ぎるだけのつもりだった森林地帯を継続的に哨戒する対応設備は明確に考えていなかった。
なので、電柱といっても電線を張り渡すわけではなく、プレハブ建築の柱や梁にするための汎用の金属パイプに必要な機材を組み合わせて、ソーラーセルとバッテリーで動くセンサーポールを作り上げる。
そのセンサーポールを一定間隔で立てたうえで無線でつなぎ、それぞれをトランスポンダ(中継機)としても機能させる方式だ。
各センサーポールの間隔を狭めておけば、ジャミングに対してもそれなりの対応ができるし、逆にジャミングを受けたポールの位置から、敵の大まかな位置も割り出せる。
それに、このポールが通信トランスポンダとして機能すれば、高原地帯との連絡も取りやすくできる可能性があった。
前回、エミリンが峡谷のメイルに会いに行ったときには、個人装備のコミュニケーターの出力では、森林地帯の半ばに降りてくるまで通信リンクが使えなかったから、それだけでも安心感がだいぶ違う。
必要なポールの数と仕様におおよその目安を立てたジャンヌは、早速、スレイプニルの工作室で試作品の製造にかかった。
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(ムーンライトトレイル・森林)
その日、エミリンはトレイルの脇でセンサーポールを立てる作業を監督していた。
ムーンベイから一定間隔でトレイルの脇の適当な場所に穴を掘ってポールを立て、太陽光発電のパネルとセンサーユニットを取り付けて起動する。
ジャンヌの計算では、およそ五十本程度のポールを立てれば浜辺のオフィスから高原地帯の入り口までカバーできるということだ。
ここまでに十本のポールを立て終わっているが、恐らく、あと五〜六本のポール設置作業をこなせば、実際に穴を掘ったりポールを埋めたりするレイバーマシンへの指示プログラムは完成しそうだった。
そうすれば、あとはレイバーマシンが残りのポールを適切な位置に設置して行ってくれるだろう。
アクラは少し先まで、ジャンヌの思惑通りに一定間隔でポールを立てる適切な場所を決めに、下見に行っている。
春らしくポカポカとした陽気で、もちろんドローンの哨戒飛行にもなんの問題もない。
森の周囲にはレイバーマシンのパトロールも展開させているので、迷い込んできたメイルに不意を突かれたりする心配はなかったし、エミリンのそばを離れても大きな心配はないだろうという判断だ。
今日、作業に持ってきているポールとユニットの残りはあと三本分。
長くて重いポールはフギンとムニンが運び、ユニットはエイトレッグの背中に積んで持ってきている。
太陽もわずかに傾いてきたし、残り三本のポールを設置したら、浜辺に帰りついた頃はちょうど晩御飯にいい時間だろう。
各ユニットの動作をチェックし、一つ前に立てたセンサーポールとのデータリンクがきちんと確立されているかどうかをテストする。
合格だ。
エミリンはエイトレッグに跨ると、レイバーマシンとベイムズを引き連れて、次のポール設置場所へ向けて歩き出す。
300ヤードほど進んだところで、突然、かなり後ろにいたフギンとムニンがエミリンに向かって走り出してきた。
二体が揃って小道から外れ、素早くエミリンの左脇に迫ってくる。
エミリンは咄嗟にわけが分からずに動揺した。
これまでフギンとムニンが、こんなに素早く移動するのを見たことがなかったので、その速度にわずかな恐怖さえ感じた。
「どうしたの? フギン、ムニン!」 もちろん問いかけても答えはない。
ただ、エミリンが一瞬だけはフギンとムニンを怖いと思ったものの、すぐに冷静さを取り戻したのは、彼らが自分の方を向いているのではなく、どちらも森の有る一方に頭を向けて構えていることに、すぐ気がついたからだ。
エミリンがそれに気がついて、じっとそちらの方向_フギンとムニンの視線?の方_を見ていると、やがて遠くで藪の一部がかすかに動いて、岩場の下に大型の動物が姿を現した。
名前は思い出せないが肉食獣だったはずだ。
藪の中に潜んでいたその動物は、しなやかな動きで岩の上に駆け上がると、一瞬、こちらを振り返ったのちに岩の向こう側に姿を消した。
ジャンヌが口酸っぱく『上陸する時は絶対にSWEG(衝撃波銃)を手放さないで』と言っていたのはこういう理由だ。
いまの大型獣も、エミリンを狙っていたというよりは、単に闖入者の様子を窺っていただけだろうが、驚いて飛びかかってくる可能性くらいはあったのかもしれない。
ずっとアクラと一緒にいると、つい、そういう危険を忘れてしまう
フギンとムニンはしばらくの間、大型獣が姿を消した方向を向いていたが、やがて自分から後ろに下がって元の位置関係に戻った。
いまのフギンとムニンの予期せぬ行動は、あきらかにエミリンをあの獣から守ろうとした行為だったように思える。
いま、彼らがあの獣を自分から攻撃しようとする理由はないはずだから、自分からエミリンと獣の間に割って入った、としか考えられなかった。
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キャンプへの帰り道でアクラが言う。
「それは僕の配慮不足だった。メイルやエイムにばかり意識がいってて...野生動物にも人間にとっては十分に脅威になる存在がいることを忘れていたよ。怖い思いをさせてしまってすまない」
「ううん、いいの。SWEGだってちゃんと持っていたし、それは大丈夫。
それよりも気になったのはベイムズたちの行動よ。
仮に、私を守ってくれたのだとしても、フギンもムニンも、どうしてあの大型獣が私にとって脅威だとわかったの?」
「ベイムズにとっては野生動物なんてまったく脅威じゃない。普通は向こうが逃げていくだけだからね。
仮に攻撃されてもかすり傷一つ負わされる可能性もないし、驚くべきことだけど、自分たち自身でエミリンを基準にした危険性を判断したとしか思えないよ」
「そうよね...だって、あれは野生動物としては大きいほうだと思うけど、人間とそんなには変わらないわ。ジャンヌと同じぐらい..って、いまのは絶対内緒ね!
とにかく、ただ体温を保っている大きな動物だっていうことだとしても、ジャ..人間と同じぐらいの大きさでも『正体不明の存在』は、私にとって脅威になりうるって推測したんだわ」
「そういうことだろうね。たぶん、人間が物理的に非常に脆くて弱いものだという学習から、脅威の基準を自力で導き出したのだと思う。彼らはとても成長しているよ」
「それって、なんだか素敵なことだと思う」
少しのあいだ黙っていたアクラが、ぽつりと語った。
「僕はね、実はずっとフギンとムニンについて憂鬱な気分だったんだ。彼らを言う通りに動かすことができるようになったけど、それは、彼らの自由意志、自我を踏みにじっていることなんじゃないかと...。
攻撃中枢を破壊してしまったことで、彼らは単に『衝動』をなくしただけでなく、意思そのものまで失わせてしまったんじゃないかと心配していた」
「だって、あなたに悪意はなかったわ。エイムに対しては攻撃中枢を破壊するのでなければ、相手そのものを破壊するしかないんでしょう?」
「まあね。...でも、敵と戦うことと、相手の尊厳を奪うことは別の話だよエミリン」
「つまり?」
「仮に、人間が人間を敵として戦うことになっても、やはり相手を倒すしかないだろう。だけど、相手を無力化して自分のレイバーマシンの様にして良いわけじゃないと思う」
「ああ、それはわかるわ。自分や仲間を守るためには敵と戦わないわけにはいかないけど、それは相手をどう扱ってもいいってことじゃない。そういうことね?」
「そうだね。でも、僕がいない間にフギンとムニンがエミリンを守ろうとした行為は、誰にも命令されていなかったことだ。
あれは、間違いなく彼らの自我が産み出した欲求であり、目的意識だったんだと思う」
エミリンはさっき、アクラが戻ってきてからはすぐにエイトレッグから降りて、アクラの首に座っている。
別に肉食獣の一件が怖かったわけではなく、移動中はそこにエミリンが座っていることが、二人にとって自然なことになっていたからだ。
移動を始めるときにはどちらも何も言わなくても、アクラはエミリンのそばですっと首を屈め、エミリンは躊躇いなくシートに滑り込む。
それは、もう何年も続けてきているような息の合い方だった。
「ねぇアクラ。私はあなたと出会うまで人間とメイルが仲間同士になれるなんて、欠片も思ってなかったわ」
「それは僕だって同じことさ」
「それでも、まだ最初の頃は、この世でアクラだけが特別だって考えてたわ。
でも、あの峡谷のメイルさんに会わせてもらって、そうじゃないかもしれないってわかった。
もちろん、私にとってのアクラはこの世で一人だけの特別な存在だけど、『人間たちとメイルたち』っていう意味でね...そして、今度はエイムのフギンとムニン。本当は敵ってなんなのかしら、アクラ?」
「峡谷のメイルに会いに行く途中で、僕が『生命の権利と淘汰は相容れない』って話をしたことは覚えてる?」
「ええ、もちろん覚えてるわ」
「僕だって、確固たる信念があるわけじゃないけど、あれから僕はこう思ってる。『権利を分かち合えるのが仲間、権利を奪い合うのが敵』だってね。
あらゆる競争は淘汰につながるんだろうけど、仲間っていう意識と対象を広げられれば、いつかはエミリンが言うように0か100かだけじゃない解決方法もあるのかもしれないさ」
「そうだといいわね」
森が開けてトレイルの先にキャンプが見えてきた。
夕暮れの赤みの強い日差しの中で、スレイプニルの白い船体がキラキラと輝いているのが目に止まる。
はるか先の湾の入り口が一番狭まったところでは、外洋から打ち寄せてきたうねりが崩れて、小さな白い波頭に分裂しながら湾内に散らばっていた。
以前エミリンが両側に細く伸びる岬の形状を三日月と表現したように、ムーンベイは間口が狭くて奥が深い安全な湾だ。
水深も十分あるし、大型船を停泊させてキャンプを設置するにはベストな地形かもしれない。
でも、ムーンベイが素晴らしい場所なのは、それが理由ではなかった。
いまのエミリンは、なぜムーンベイが安心できる場所かを聞かれたら、迷わずこう答える。
「だって素敵な仲間たちと一緒に居られる、この世でただ一つの場所だもの」
アクラを先頭に、フギンとムニン、そして二台のエイトレッグと数体のレイバーマシンが縦一列に並んで、ムーンライトトレイルを下っていく。
それはまるで、エミリンが古い絵本から想像した旅人のキャラバンそのままのようだった。
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