ねぇ、あなたはさ、_。
かぼちゃマスク
私の気持ち。
これは、ある友達の言葉で私が生まれ変わるような話_。
「ねぇ。美佳ちゃんも愛莉ちゃんと翔真君って絶対似合いすぎるカップルになれると思うよね!?」
ズキッ
私の心が痛む音。
「...うんっ!愛莉ちゃん可愛いし、告白したら翔真君もイチコロだよ!」
私は二人の友達にヘラッと笑う。
本当はそんなことを思ってない。
本当は...イヤ。
私だって翔真君のこと、好きだもん。
でも、自分の心に嘘をついちゃうのは私の悪いところ。
「も~やめてよ。沙良~。美佳ちゃんも~。私が翔真君となんて~。絶対、美佳ちゃんの方が似合うよ~。」
「そんなこと無いよ。愛莉は可愛いんだから!」
嘘、うそ、ウソ
また自分に嘘をつき続ける。
そして心がズキズキとひび割れていく。
いつからだろうか。
自分の心に嘘をつくようになったのは_。
「あ、もう放課後じゃん。ねぇ、そろそろなんじゃない?愛莉。翔真君、体育館裏に呼んだんでしょ?」
「さ、沙良っ!言わないでよ~。緊張してきちゃったじゃ~ん。」
「大丈夫だよ!愛莉なら、成功するってば!私達も影から見てるからっ!ほら、行ってこい!」
「そ、そうだよ!私達がいるから!」
「沙良ちゃん、美佳ちゃん...。うんっ!私っ、行ってくる!」
____________________
「えと、愛莉、とか言ったっけ。....ごめん。俺、お前とは付き合えない。」
「え?どう...して..?」
「お前、正直言ってうぜぇんだよ。毎回アピールしてきたりさ、取り敢えず、お前とは、無理。」
「ひ、酷い!私は翔真君が好きで_「だからさ、それがうぜぇって言ってるんだろ。」
「う~ーー~~っ!うわぁぁああぁん!」
____________________
「愛莉、大丈夫だよ。あいつは見る目が無かったって話何だから。」
「そ、そうだよ。また、リベンジすれば大丈夫だよ。」
そんなことを言いながら、ほっとする自分がいる。でも出さない。
「さ、沙良ちゃん~美佳ちゃん~。」
ごめんね。愛莉。沙良。私は二人に嘘をつき続けてる。
思っても無いこと、口にしてる。
____________________
トンっ カシャン
「あ、ごめんなさいっ!」
今、謝ってきた子は小学校の時友達だった三春ちゃん。大人しい性格だけど優しいこの子とは高校になってから関わることはない。
「全然、大丈夫だよ。三春ちゃん。はい、消しゴム。」
「うん。ありがとう。」
そう言ってからわかれようとした時___。
『いつまで、嘘、ついてるの_?』
と、聞こえた。
「えっ__。」
後ろを振り返っても、もう三春ちゃんはいなかった。
その日の夜。
私は考えてた。
三春ちゃんは、知っていたのだろうか_。
私が嘘をつき続けていることを_。
次の日の学校。
三春ちゃんが私にパタパタと、走ってきた。
「美佳ちゃん!今日の放課後教室に残っててね!」
そう言うと、三春ちゃんはいそいそと自分の教室に戻って行った。
特に用事の無い私は放課後、教室に残った。
ガラッ
「ごめんね。少し話したい事があったから。」
そうして、三春ちゃんは一息ついてから口を開いた。
「ねぇ。美佳ちゃん。いつまでさ、いつまで嘘をつき続けるの_。」
その言葉に一瞬ドキッとした。
でも、私は、
「嘘なんて、ついてないよ?」
と、いつものヘラッとした笑顔で返す。
そう言うと、三春ちゃんは苦虫を噛むような顔をして、
「ねぇ!私は分かってるから!美佳ちゃんは嘘をついてるの!自分でもわかってるんでしょ!?」
そう言うと、三春ちゃんは泣き出した。
「もう、もう自分の心に嘘をつき続けないで!もう、嘘なんてつかなくても良いんだよ?」
そう言うと、三春ちゃんは私をぎゅっと抱きしめた。
すると、自然に涙が溢れてくる_。
次から次へと、
ボロボロ、ボロボロと__。
「辛かったでしょ?私には分かってたもん。美佳ちゃんはいつも自分の心に嘘をつくときはヘラッとした笑顔を見せるものっ!私も見てて辛かったんだよ?」
そうだ_。我慢する必要なんて無かったんだ__。
涙が、止まらない_。
この涙は、私が今まで我慢してきた_私の心の声なのかもしれない_。
泣いて_良かったんだ_______。
「うっごめん。ぐすっごめんなさい_ごめんね_。」
そうして二人は泣きあった。
そして私は、自分の心に嘘をつかないと決めた_________。
もう__
決めたんだ。
____________________
ドキン ドキン
めちゃくちゃドキドキする
でも、もう自分の心に嘘はつかないと、決めたから_。
だから、私は_______
「あの、翔真君!私_あなたの事が____」
ねぇ、あなたはさ、_。 かぼちゃマスク @masukudokabokabo
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