第9話
時が経ち夜になった。
宇宙船バーラントレット内の休憩ホールでブラウン・ライトと会話をしているバール・クレット。バール・クレットの腕時計携帯端末から通信連絡を知らせる点滅とアラームが鳴った。
バール・クレットはその腕時計携帯端末の反応に気づくと目の前にビデオスクリーンを展開させた。ビデオスクリーンには宇宙船バーラントレット内異次元追跡観測室で働いている観測員の姿が映し出された。バール・クレットはそのビデオスクリーンに向かって会話を始めた。
バール・クレット「バール・クレットだ。どうした?」
異次元追跡観測員「ロッド搬送用の宇宙船が5機地球に向かっている事が只今観測されました。」
バール・クレット「またか」
異次元追跡観測員「はい。いかが致しましょうか?」
バール・クレット「宇宙船ギャラクシオンの動きはどうだ?」
異次元追跡観測員「はい、ロッド搬送用の宇宙船破壊の為にブルーム・サマー・ナウ様が出撃されたようです。」
バール・クレット「さすがブルーム様早いな」
ブラウン・ライト「ブルーム様の援護に行かないのかい?バール」
バール・クレット「ロッド搬送用の宇宙船5機程度の相手ならブルーム様お一人でも大丈夫だろう」
ブラウン・ライト「しかしここのところロッド搬送用の宇宙船の出現回数が増えていないか?」
バール・クレット「確かにな。ブルーム様お一人にロッド撃退をお任せするのもコクかな。よし俺も出撃する」
異次元追跡観測員「はい。了解致しました。」
ブラウン・ライト「それじゃあ俺も出撃しようか?」
バール・クレット「いやブラウン。貴殿が出撃するまでもない。大事な戦力だからな。いざという時のために力を温存していてもらいたい」
ブラウン・ライト「了解した。バール、ブルーム様の援護よろしくな」
バール・クレット「ああ。バールドレッサークラスチェンジ」
するとバールが今まで来ていた服が剝ぎ取られたと同時にスペースバトルスーツがバールの体に装着された。次にバールは宇宙船バーラントレットの船内の異空間ゲートに入り地球の地上表面大空銀河の森公園中心部にある大銀河の塔の頂上へと瞬間的に移動しそこから大空に飛び立った。
場面変わって地球を離れ宇宙空間に出たブルーム
ブルーミーア「ブルーム。今回からは宇宙船ギャラクシオンブルーオペレーター隊私ブルーミーアがブルームの通信サポートします。宜しくお願いします。」
ブルーム「ええ、よろしくねブルーミーア。」
ブルーミーア「はい。敵ロッド搬送用の宇宙船5機から出現したロッドは合計15体。今このロッドのタイプを識別しています。識別出来ました。ロッドのタイプ戦闘型(BZ-RN1)グラウ1が9体と戦闘型(BZ-RN2)2が6体を確認。」
ブルーム「戦闘型(BZ-RN1)グラウ1が9体と戦闘型グラウ(BZ-RN2)グラウ2が6体か。戦闘型(BZ-RN2)グラウ2が地球に接近するのは初めてね。」
ブルーミーア「そうです。」
ブルーム「少しばかりてこずりそうかしら?」
ブルーミーア「あらブルーム弱気ね。宇宙船バーラントレットからバール・クレットがブルームの援護に来る事を只今確認しました。」
ブルーム「バールが?」
ブルーミーア「はい。」
ブルーム「それじゃあ、バールに無様な姿を見せるわけにはいかないわね。ブルームこれより戦闘態勢に入る。」
ブルーミーア「了解。頑張ってね。」
ブルーム「ありがとう、ブルーミーア。」
一息ついたブルーム。
ブルーム「さあて極流光は禁断の力だから使えないとして、翔流光を武器に変換していつも通り戦うしかないわね。」
とブルームが言うとブルームの手のひらから翔流光の光が広がったと同時に翔流剣に変換されブルームとロッドとの戦闘が始まった。
ブルームとロッドとの戦闘が開始から数分が経った。
ブルームは既に戦闘型(BZ-RN1)グラウ1を7体撃破した。
ブルーム「ロッド7体殲滅。残り8体」
バール・クレット「ブルーム様。」
ブルーム「バール。」
バール・クレット「遅くなりました。私もブルーム様の援護にまわります。」
ブルーム「ありがとう、バール。バールの得意な激流光でよろしくね。」
バール・クレット「承知致しました。」
バール・クレットの手のひらから激流光の光が広がったと同時に激流剣に変換された。
バール・クレット「ロッドめ。我が激流剣の威力をとことん味あわせてやる。」
ブルームとバール・クレットは、残りの戦闘型(BZ-RN1)グラウ1が2体と戦闘型(BZ-RN2)グラウ2が6体との戦いに挑んだ。戦闘は数分間続き、ブルームは戦闘型(BZ-RN2)グラウ2を2体バール・クレットは、戦闘型(BZ-RN1)グラウ1を1体と戦闘型(BZ-RN2)グラウ2を1体捕獲し、残りのロッド戦闘型(BZ-RN1)グラウ1が1体と戦闘型(BZ-RN2)グラウ2の3体は破壊に成功した。
ブルーム「ふう、何とか片がついたわね。バールご苦労様」
バール・クレット「ブルーム様こそさすがです。ロッドの戦闘型(BZ-RN2)グラウ2データにこそ載ってはいますが、戦闘型(BZ-RN1)グラウ1の進化型だけあって少しばかりてこずりました。」
ブルーム「あらあらそうだったかしら?私はバールが戦っている様子はとても余裕にみえたけれども?ブルーミーア聞こえる?」
ブルーミーア「何?ブルーム」
ブルーム「ブルーシオンにロッドの戦闘型(BZ-RN2)グラウ2を捕獲した事を伝えておいてもらえるかしら?」
ブルーミーア「了解よ。ブルーム。ん、ちょっと待ってブルーム」
ブルーム「どうしたの?」
ブルーミーア「レーダーに敵影!ロッド搬送用の宇宙船20機確認!その中からロッドが続々と出現している模様!ロッド戦闘型(BZ-RN3)グラウ3が60体です!!地球に向かって接近してきています!」
ブルーム「バール!」
バール・クレット「ブルーム!宇宙船バーラントレットのレーダー網にとらえたと通信オペレーターから連絡があった。ロッド戦闘型(BZ-RN3)グラウ3が60体。当然戦闘型(BZ-RN2)グラウ2の進化型だ。こいつはヤバイな。ブルーム様と俺だけではロッドの地球侵入を許してしまう。」
ブルーミーア「ロッドがブルーム及びバールのいるポイントを通過するまで後20秒!!」
ブルーム「・・・」
ブルームは微動もせず、ロッドがブルームの方に向かってくる方向を真剣に見つめていた。
ブルーミーア「ブルーム及びバールとロッドが接触しようとしている間に謎の高熱源体が割り込もうとしています!!」
バール・クレット「何!?」
バール・クレットも謎の輝かしく光る高熱源体の存在に気がついた。そして次の瞬間
ロッド戦闘型(BZ-RN3)グラウ3の59体が一瞬に破壊消滅した。残る1体は、機能を停止しそれを光る高熱源体がつかんでいた。やがて光る高熱源体の光が弱まっていき、それを見たバール・クレットは光る高熱源体の正体に気がつくと驚きを見せた。
バール・クレット「き、貴様は関!!」
ブルーム「やっぱり。光琉だったのね。」
ブルームとバール・クレット目の前にいたのはスペースバトルスーツを身にまとった関 光琉だった。
ブルーミーア「ブルーム。聞こえる?今回のロッドの地球侵攻について検討の余地があるわ。捕獲したロッドと共に至急宇宙船ギャラクシオンに戻ってくれる?」
ブルーム「了解。」
ブルーミーア「光琉君にも私からの通信聞こえているわよね?」
関 光琉「あ、はい。」
ブルーミーア「光琉君も至急宇宙船ギャラクシオンに戻ってね。」
関 光琉「了解しました。」
ブルーム「バール。」
バール・クレット「はい、ブルーム様。」
ブルーム「宇宙船ギャラクシオンから至急の帰投連絡が来たの。私と光琉は至急宇宙船ギャラクシオンに戻るから、バールは宇宙船バーラントレットに戻って今回の件の対策を検討してくれる?」
バール・クレット「承知致しました。しかしブルーム様、関のさっきの発光現象とロッドの壊滅の関係は一体?」
ブルーム「その事については、追って話をするわ。今はとにかくロッドの地球侵攻対策の検討をよろしくね。ね!お・ね・が・い。」
バール・クレット「わ、わかりました。」
ブルーム「さぁ、光琉。捕獲したロッドを引き連れて宇宙船ギャラクシオンに戻るわよ。」
関 光琉「う、うん。」
こうしてブルームと関 光琉は、地球の地下深くの異次元にある宇宙船ギャラクシオンへ。バール・クレットも地球の地下深くの異次元にある宇宙船バーラントレットへと帰投した。
時が経ち、宇宙から帰投した関 光琉は宇宙船ギャラクシオン船内第5シャワールームの個室のシャワーで汗を流していた。すると光琉がいる個室の外から、コンコンとノックする音がしたので関 光琉はその音に答えるように返事をした。
関 光琉「光琉ですが、どなたですか?」
関 光琉は自分が入っている個室の扉を開けようとした。すると
ブルーム「扉を開けなくていいわよ、光琉。シャワーで汗を流しているんでしょ?」
関 光琉「あぁ、ブルームか。うん、そうだよ。シャワールームまで来てどうしたの?」
ブルーム「光琉に話すことがあって急いで光琉の後を追ってきたの。」
関 光琉「そうなんだー。あ、もしかしてブルーム僕のこと怒ってたりする?」
ブルーム「・・・」
関 光琉「あはは、やっぱりそうなんだ。」
ブルーム「・・・」
関 光琉「ごめん!ブルーム!!わかってはいたんだ。地球に進行する戦闘型ロッド60体を破壊と捕獲をする為に、極流光を使ってしまった事。」
ブルーム「・・・」
関 光琉「極流光は究極の光であり禁断の力でもあって、この力を使えるのはブルーム。君と後はブルームから命を救ってもらった僕にしか出来ない能力だと言うことを。」
ブルーム「・・・」
関 光琉「でも先程のロッド戦闘型(BZ-RN3)グラウ3 60体がブルームとバールの目前にまで迫って来た時に、どうしてもブルームとバールを失いたくなかったから、ブラックギャラクシーズスターズの魔の手から地球を守ってくれようとしてくれている仲間達を失いたくなかったから、悩んで行動せずにいて後悔するより先に行動して後悔したいと言う気持ちを抑えきれなかったから、つい無意識のうちに禁断の力極流光を使ってしまったんだ。ごめんよ、ブルーム。」
ブルーム「・・・そう、よくわかったわ光琉。光琉の気持ちはよくわかった。・・私やバールを含めた仲間達スペースギャラクシーズスターズが地球の人達を守ろうとしているのと同じように光琉も私達スペースギャラクシーズスターズの仲間達を守ろうとしてくれようとしたのね。そういうお互いの気持ちをわかりあえると言うことはとても大切な事よ。そういう気持ちはこれからも大切にしてね。光琉。」
関 光琉「僕の気持ちをわかってくれたんだ。ありがとうブルーム。」
と関 光琉が言った次の瞬間。
ブルーム「きゃああぁぁぁー」
関 光琉「うわああぁぁぁー」
宇宙船ギャラクシオン船内第5シャワールーム内にブルームの悲鳴と関 光琉の驚きの声が同時に響き渡った。この悲鳴と驚きの声の原因は、関 光琉が自分自身の気持ちを理解してくれたブルームの事をとても嬉しく思い感極まりブルームの顔を直接見て感謝の気持ちを伝えようとして思わず関 光琉が入っていた個室のシャワー室の扉を開けてしまった事にある。関 光琉はシャワーを浴びていたのだから当然全裸。その姿を見てしまったブルーム。そして扉を開けた関 光琉の目の前に見えたのは同じくブルームの全裸姿だったからだ。関 光琉は慌てて個室のシャワー室の中に戻り扉を閉めた。
ブルームと関 光琉の心の声「うわー見ちゃった見ちゃったでも見られちゃった。」
ブルーム「な、な、な、な、何よいきなりシャワー室の扉を開けてー。最初に扉を開けないでねって言ったのにーーーー」
関 光琉「ブ、ブ、ブルームだって何で全裸でいるんだよーーーー」
ブルーム「わ、わ、私だってロッドとの戦闘の後だもの汗をかいたらシャワーぐらい浴びるわよ。」
関 光琉「だ、だ、だからって異性の前でその姿はあまりにも不用心過ぎるよーーー」
ブルーム「見たのね?見たんでしょ?私の裸を。」
関 光琉「み、み、見てないよ。すぐ扉を閉めたもん。」
ブルーム「嘘!嘘よ!光琉の嘘つきーーー、エッチ、スケッチ、サンドイッチーーー。ウワーーーーン。」
もう、収拾がつかないブルームと関 光琉であった。
時が経ち、宇宙船ギャラクシオン内カフェルーム。同カフェルーム内ではブルースカイ、ブルーガーディアン、ブルーミコの3人が束の間の休息をとっていた。そこへ関 光琉が休息をとりにカフェルーム入りドリンクバーで飲み物を取ってから、3人のテーブルの前に近づいた。
関 光琉「皆さん、こんばんは。隣の席、座ってもいいですか?」
ブルースカイ「ああ、構わないよ。」
関 光琉「ありがとうございます。」
関 光琉は座席につきドリンクを飲み始めた。すると
ブルーガーディアン「光琉。」
関 光琉「はい。」
ブルーガーディアン「ブルームを泣かせたんだってな?」
関 光琉「ぶっ」
と関 光琉は飲んでいたドリンクを吹きこぼしそうになったのをこらえ何とかドリンクを飲み干した。
ブルーガーディアン「一体ブルームに何をしたんだ?」
関 光琉は少しドリンクが喉に詰まったせいかむせながら
関 光琉「ケホッケホッ。な、何もしていませんよ。」
ブルーミコ「何でもブルームがシャワールームの個室でシャワーを浴びている所へ光琉が飛び込んだと私は聞いたぞ。」
関 光琉「ご、誤解ですよ。誤解。」
ブルーガーディアン「責任をとってもらわないとな。」
関 光琉「ほ、本当にちょっとニュアンスが違うだけで。」
ブルーミコ「ニュアンス?」
関 光琉「そ、そうですよ。大体僕の方からブルームがシャワーを浴びている所へ飛び込むはずがないじゃないですか。一体誰がそんなことを言ったんですか?」
ブルーガーディアン、ブルーミコ「ブルースカイ。」
関 光琉「ブルースカイさん!」
ブルースカイ「あれ?おかしいなぁ~聞き間違いだったかなぁ?」
関 光琉「そうですよ、聞き間違いです。実は。」
関 光琉はブルームとの先ほどのやり取りを細かく丁寧に3人に説明した。
ブルーガーディアン「なるほどー。光琉がシャワーを浴びているところにブルームが来て」
ブルーミコ「シャワー個室の扉越しでお互い会話をしていたら会話が盛り上がり」
ブルーガーディアン「ブルームの言葉に感動した光琉は思わずシャワー個室の扉を開けてしまって。」
ブルースカイ「思わずお互いが裸のまま鉢合わせしてしまいお互いビックリしてしまったと。」
関 光琉「そういうことです。」
ブルースカイ、ブルーガーディアン、ブルーミコ「なるほど。」
関 光琉「皆さん、わかってくれましたか?」
ブルースカイ、ブルーガーディアン、ブルーミコ「了解。了解。」
関 光琉「頼みますよ、ブルースカイ。情報は正確に伝達して下さいね。」
ブルースカイ「はーい。」
関 光琉「取り敢えず誤解がとけて良かった。ん?ところでブルームはどこにいるか知りませんか?あ!」
関 光琉がカフェルームの入り口に目をやった時、丁度ブルームがカフェルームに入って来た。が関 光琉と目が合って思わずカフェルームから飛び出し走り去って行ってしまった。
ブルーガーディアン「光琉、追え!ブルームの後を追うんだ。」
関 光琉「えっ?」
ブルーミコ「ひとこと、ごめん。僕の方が悪かったと言えば」
ブルースカイ「全ては丸く収まるよ。」
関 光琉「は、はい。わかりました。」
関 光琉は急いで駆け出し、ブルームの後を追った。
ブルースカイ、ブルーガーディアン、ブルーミコ「光琉―。頑張れー。」
ブルースカイ、ブルーガーディアン、ブルーミコは走り去る関 光琉に向けて声援を送った。
その日、ブルームと関 光琉は仲直り出来たとの事だった。
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