39 DNA

ナツ子がススムと初ヤマを担当した年月は1年と約半年前後経過していた。

「それが今更になって参考人が再浮上か。捜査は継続してたんですか?」

「いや、殺された息子刑事は公安案件なっちまってな。父親の方には一切情報シャットダウンって訳さ。それで水面下で一人調べてたらしい。」

「それが今になって、その重要参考人とされてた堤下って男のDNA と外国人のDNA が検出された…。」

「な、凄いタイミングだろ。それでお前さん出番だ。」

小笠原で佐伯とはハル子はパソコンの画面をスクロールしながら話している。

「こう言ってますがいいんですか、マキさん。」

「お上からの依頼とはいえ、非常に興味深い案件だからねぇ。いいんじゃないかい?」

「1、不正アクセス禁止違反。2、コンピュータ、電磁波記録対象犯罪、不正指令電磁的記録に関する罪。3、ネットワーク利用犯罪。これでも当てはまっちゃってますよ。」

コーヒーを持ったマキが2人のいるデスクに近づく。

「なにせ、この堤下という男。公安の調査じゃどこかかの亡命者みたいだよ。今回の2つのDNA と、ちょっと偶然すぎやしなかい?」

はあーとため息を吐いた佐伯は

「そこまで分かってるなら、そっち(公安)で洗えばいいでしょうに。」

「彼らじゃ決定打が掴めないんだよ。この子のような優秀なサイバーエージェントが居るわけじゃないからね。ただの足さ。独立組織と言っても、貰えるものは頂かないとね。」

指をパキパキちならしたハル子が背伸びをした。

「それじゃあ、とりあえずメインサーバー保護しバレないように韓国政府のサイバーハッキングします。DNA 情報および堤下の情報の速やかに遂行しますね。」

「ああ、ダミーセットアップ宜しくね。余計なことはなくていい。捕まったら大変だ。」

「笑えませんよ。」

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