20パパ

空港で2人を出迎え、その後すぐ車に乗り込み簡単な打ち合わせが始められた。

その後、

土山恵が運転をする車は、彼を駅に下ろし、父親を自宅にと進めた。

「良い同僚だね。人に恵まれる事は、とても運が良い。大切にしなさい。」

「仲間を褒めてもらえるのは嬉しいけれど、そう思ってるなら少しはママに電話してあげて。」

「はは、私は毎日電話をしているよ。」

「録音メッセージだけで寂しいって言ってるわよ。」

都内の一等地にある自宅は以前帰ったときより、静かに感じた。

「パパが帰ってくる事、伝えていないの。上から口止めされてて。」

「構わん。仕事だ、仕方ない。」

それじゃあ後で。と恵はキャリーを降ろし、車を走らせた。

「お茶くらい付き合ってくれてもいいだろうに…誰に似たんだかなぁ。」

そう言って彼はキャリーを引いて自宅へ続く門を開けた。

玄関を開けると、執事が出迎えた。

「おかえりなさいませ、旦那様。おや、恵さんは?」

「すぐ行ってしまったよ。それより紅茶を頼むよ。」

「かしこまりました。連絡頂きました通り、旦那様がいらっしゃる間は、私一人でお世話させて頂きます。」

「ああ、助かるよ。妻にも、黙っているんだ。くれぐれも頼むよ。」

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