18偉い人
とある大臣の一室。
国家公安委員会は、委員長である国務大臣と5人の委員から構成されている。
ネットには、個人の情報や経歴なども掲載されているが、顔はのっていない。
表向きには、計6人の委員となっている。
鈴木フユ子もその一人である。
名前も年齢もあらゆる情報を詐称し、属している。
「わざわざ表立って動く事を禁じた筈だ。君は本当に言う事を聞いてはくれないね。」
「私を選定された時にお互い条件はのんだ筈ですよ。」
「警察関係者を選定出来ないのに、わざわざ君を選んだんだ。君も私も危ない橋を渡っているのには違いない。それから報告書、読ませてもらったよ。すぐ話を通す。海も空も、門前は任せた前。ただそこまで話が降りてくるのに時間がかかる。そっちは頼んだよ。」
そういって男は、フユ子にインカムを渡した。
それは危ないからね、とスマートフォンを指した。
「佐伯の件ですが…」
「ああ、マキさんからも聞いている。案ずるな。君には逐一報告させなさい。怪しまれては損だ。」
ええ、徹底します。と言ってフユ子はインカムを取り替えた。
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