8過去

はじまりは、ある年、省庁内部のシークレットサーバーにサイバー攻撃を受けた、という内密報告を受けた。

その"事件"を、当時週一のバイトがものの数十時間で撃退した。

それが彼女だった。

週一のバイトで、彼女は情報整理を担当。

わざわざ他県から来ていた。

直々に依頼されたそうだが、普段は会社員だそうだ。

「今日からお世話になります。宜しくお願いします。」

まだ小笠原組と変なあだ名が付く前だ。

都内のある一室に、今より髪が短い彼女を、フユ子に紹介された。

「噂のバイトちゃん。」

それから彼女は公務員試験をなんなくクリアし、入庁試験はスキップ。

個人情報保護プログラム適用者で、データ無し。

でも、バイト。一応。

彼女は、新卒で入社した会社を在宅ワークで続け、コッチの仕事の割合を増やした。

「年、3つ違いですね。」

「俺はお前の事知らねーのに、お前には俺の情報筒抜けなのか。」

「危機感大切ですよ。」

こら、と書類が挟まったバードで、フユ子に頭を叩かれていた。

ああ、そういえば少し似ている。

それじゃ、と扉に向かい出す。

「その子に付けてた担当SP、今病院。頑張ってね。」

「あ、ちょっと待て!」

以来、彼女、ハル子とのツーマンセルが始まった。

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