7意味ある2人

都内のとある一室。

「よう、お疲れ。持って来ましたよ、デジタルデータ上になかった分。」

「お、小笠原組か。お疲れ様。」

はーあちーと腕まくりしている手には大きな重そうなバッグが。

「もぐりですけど、大変なんですからね。」

「あっちはどう?元気?」

フユ子が問いかける。

「保護の為とは言え、定期的に移動はキツイみたいだ。まあ、でも、」

よいしょっと、と物凄い量の書類の束を机にのせた。

「委員で上官のあなたからの辞令なら、仕方ないないだろう。」

年齢詐称とは言えね、と心の中で続けた。

「部内はほぼ目星つけたわね。」

「ああ。」

佐伯はその束を、いくつも横に並べていく。

「あとはあの子の局内のスパイ鬼ごっこ待ちね。」

「欧米で目付けてるそうですよ。既に向こうにいる構成員に一報入れときました。連絡見ましたよね?」

「彼?」

ペーパーレスってなんの流行りだったんすか、とぶつぶつ言いながら束を並べていく。

「はー俺一応閣僚なんだけどなぁ。」

「じゃなきゃ、ココ入れないわよ。外でそんな事言わないでよ、ゴーストなんだから。」

足を組み、ネクタイを緩めて少し休憩をしている横で、彼女はまだパソコンに向かったままだった。

「同期で残ったの、あんただけなんだからしっかりしてよ。」

「ココにはな。、警察にはまだ3人残ってるよバカ上官。外出ろ。」

「あの子にそんな口聞いてないでしょうね?」

「当たり前だろ、あんな良い子に。」



The eldest daughter, Saeki.

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