6ミステリアスな2人

某所から遠く離れた、とある一室。

分厚い鉄の厳重な扉が重々しく、音を立てて開いた。

かなり年数がたっていそうだ。

ドアノブは、よく映画の銀行強盗が手こずりそうなもの。

くるりと、回ってキキーっと音がする。

「おーい、"67年分"の成果出たぞ。合同特例捜査始まったぞ。」

ここはとある厳重な部屋。

「遅い。ケーキ。早く。姉ちゃんから、既に、聞いてる、ケータイ、置け。」

「はい、はい。」

開口一番にはこれだ、と呆れながら男が入ってきた。

「内部にスパイがいるから釣ってくれって。あんたん所は?」

「一人、捕まったよ。会議前だったから、確認はこれからだ。」

ほらよ、とコーヒーを入れてやる。

「67年計画の構成員は何人いるのやら。」

「何そのネーミングセンス。」

彼女の周りには大きなディスプレイや小さなディスプレイのパソコンが置かれている。

「追っかけっこしてるんだけど、国内、国外のサーバー経由しまくってるわ。時間かかる。」

「目星は?」

「もっちー"外"。」

「アッチにいる奴らに動けるように伝えとくよ。"外"なら上官、動けねーだろうからな。」

「単独なら無理ね。」

男が持ってきたケーキの箱の中身は、ロールケーキが4本入っていた。

「髪、切ったな。」

「4本じゃ足りない。南欧米かなぁ。」

「1本1080円だぞ。サーバー見つかんなよ。上知らねーんだから。」

「バッチ。」

1本両手で掴んでそのまま食べ始めた女を横に、男は、ペラペラと書類を見ながらコーヒーを飲んだ。

彼は佐伯。



Second daughter.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る