2姉の話

東京都新宿区のとあるカフェに、女子4人が丸いテーブルを囲っている。

大きなホールケーキが2つと大きなパフェ、それぞれドリンクが並べられている。

「サキが結婚かぁ、そりゃ天地もひっくり返るよ。」

フユ子は、頬杖をつきながら言った。

「ひっくり返ったらこのケーキどうやって食べるのよ。あんたのその特大パフェもただの甘い泥よ。」

「式は夏でしょ。サマーウェディングね。」

特大パフェを頬張りながらも続ける。

「暑い中みんな宜しくね。」

「フユ子はする気あるの?」

「そうそう、仕事変えなよ。休みの日も呼び出しあるかもしれないからってスーツでしょ。刑事は大変ね。」

今日はサキの結婚前の女子会だ。フユ子がなかなか都合がつけず、3人でよく集まっているらしい。

ようやくの事で新宿のちょっと高いスイーツが美味しいカフェに来ていた。

「スーツって楽だよ。誰にでもなれるし。それに私はみんな見送ってからでいいかなぁ。取り残されるのは慣れてるし、まだやらなきゃいけない事あるし。」

カラン、とスプーンをグラスの中に置いた。

「そんな事言ってるなら、あんたの親は一生死ねないわね。」

頬杖している左腕の腕時計をちらりと見た。


Eldest daughter

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