The sister police.
野水 志貴
1姉妹の話
東京都千代田区の官公庁が立ち並ぶ、その一角である警察庁。
とある一室に鈴木ハル子はいた。
「あっち。」と、大きなデスクトップの上から顔は出さずに、人指を指す。
机は多いに散らかっており、散乱した書類の上に2mlのペットボトルの水を置いてある。
「言わずもがな。」と男性は刺された方にある資料の束を重そうに手にしてパラパラと捲りながら、
パソコンに向かっている女性の横に立った。
ハル子は後ろに髪を一つにまとめており、長袖のパーカーを着ている。
「過去67年分の未解決事件ってこんなあんのな。」
ミャーと鳴きながら足元に子猫がすり寄って来た。
おいおい、毛がつくだろと避けようとするが、「エサやって。」と言われてしまう。
「氷山の一角。まだ全然整理出来てない。おかげでインフルエンザ。乾燥しまくり空気悪すぎ。外でもないのにサングラス。」
マスクと外して2mlペットボトルをラッパ飲み。
「仕方ないだろう。内密部隊ってこんなもんだよ。」
「スーツ野郎が何言ってんだ。」
「今回の犯人が行って来た事件が67年分に絞られてからは、古株共様はさっぱりだ。己らが見落とした事件に今更、首突っ込めねぇのさ。」
書類の束は横脇にかかえ、よっと、子猫の首根っこを掴みあげる。
「今ある分だけ、あずかっとくぜ。」
「ドラッグー!こんな奇怪な事件調べてばっかじゃ頭おかしまなるよ!」
せめてインフルエンザだけでも治させて、と背もたれいっぱいにのびる。
second daughter
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