あとがき
本シリーズ「カーニヴァル・エンジン戦記」に関しては、基本的にあとがきを書いていこうかと思います。
本作「悪魔のカーニヴァル・エンジン」はなんども改稿を重ねた作品です。こんなに書き直した小説は、他にはないです。基本書き直しってあまりしませんから。
最初にかかれたときの題名は「ベルゼバブ」でした。書いた時期は不明ですが、内容的にオンライン・ゲームであること、そして「レア機体」という表記から、ゲーム「ファンタシースター・オンライン」(ドリームキャスト版)をやっていた頃ではないかと推測して、2000年かその少しあとではないかな?と思います。
いろいろあって、うまく小説をかけなくなっなたぼく。
↓に一応の経緯は書いてありますので、お暇な方は参考にしてください。
「誰にでも一作は名作小説が書けます」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882971770/episodes/1177354054882971776
で、うまく長編小説を書くことができなくて苦悩していたぼくは、もう一度長編小説を書いてみようと意を決し、本作の初稿「ベルゼバブ」に挑みました。
リハビリも兼ねての長編小説であるため、われながらヘロヘロな出来。自分でもダメな作品だと思いました。
ただし、救いもありました。
初稿の「ベルゼバブ」において、主人公ヨリトモがコックピットに入った場面を書いていて、唐突に「こんにちはー」と元気よく飛び出て来たキャラクターがありました。ヘルプウィザードのビュートです。この行を書くまで、ぼくはこんなキャラクターはまったく考えていなかったし、「ヘルプウィザード」という設定もありませんでした。
が、彼女が飛び出てきてくれたお陰で、なんとか「ベルゼバブ」を書き上げることができたといっても過言ではありません。
が、さすがは書く能力を失っていたぼくです。
古い「あとがき」を発見したのですが、初稿では、ヨリトモがゲームしている場面しかなかったようです。つまり「ボイド宇宙」内のお話だけで、私生活は描かれていなかったようです。
なので、これじゃーいかん、とヨリトモの私生活を書き加えたようです。ちなみに当時のヒロインは、霧山アリスのお友達の吉川真澄でした。
このときに、いろいろアイディアを膨らませたんでしょうね。ちなみに「要塞攻略」もあとづけの場面です。よって、あそこで出て来たケメコもナスタフも、クライマックスには登場しません。
そして「ベルゼバブ」には続編が存在します。第2巻と第3巻があるんです。
この2巻、3巻は、じつはそんな悪い出来ではありません。が、1巻である「ベルゼバブ」が悪すぎる。1巻が悪ければ、2巻3巻の出る幕はありません。なんどかこの「ベルゼバブ」を書き直そうと試みたのですが、上手くいきませんでした。
それを「カクヨム」にきて、なんとか改稿し、公開にこぎつけます。
この第2稿の題名が「初恋カーニヴァル・エンジン」。
ここにきてやっと、書き直せた。なにか、自分にかかった呪いを解けたような気がしました。
が、人気はイマイチでしたね。
初稿の「ベルゼバブ」は、そもそもが短編小説向きのアイディアでした。
「ロボットで戦うゲームに嵌まっていた主人公が、ある日空を見上げると、ゲームで使っているロボットが大挙して降下してくる」
そういうアイディアです。
それを無理やり長編にしているため、まず主人公がロボットに乗り込むまでが、長い。
そして、話のほとんどが、「ただ主人公がゲームしているだけの話」になってしまっています。
それをどうにかするために、第2稿で初稿に書き加えた部分が、恋愛要素です。恋愛小説は書いたことも読んだこともないので正直苦手なんですが。
ということで初稿の「ベルゼバブ」にはいないキャラクター、霧山アリスを登場させました。これが良かったのか悪かったのかは、正直ぼくにはわかりません。が、これ以上の方法は、思いつかなかったのです。
第2稿を書く前に結構時間をかけたのが、カーニヴァル・エンジンの設定でした。
初稿から「フォーススタビライザー」という設定で、推力による加速度を機体内のすべての分子に均等にかける仕組みはあったのですが、第2稿でこれを発展させて、反重力スタビライザーとし、また反重力バーニアにも転用して姿勢制御に使いました。
カーニヴァル・エンジンという名称は、題名は忘れましたが、なんとかいうゲームのロボット「オーバー・キル・エンジン」から取っています。「〇〇エンジン」というのは、格好いいんだけど「オーバー・キル・エンジン」は長くてゴロが悪い。それを格好いい名前にしてやろうと頭をひねり、さらに長い名前の「カーニヴァル・エンジン」が生まれました。
今回「初恋カーニヴァル・エンジン」を改題し改稿を敢行したのは、まず「初恋カーニヴァル・エンジン」を誰も読まないこと。これなら削除しちゃってもいいんじゃねえかと考えており、また、恋愛要素をいれたために全体的に歪んでしまったバラスン修正と、そして最大の理由は、続編に繋げることができないこと。
そこで、「ベルゼバブ」と「初恋カーニヴァル・エンジン」の中を取る形で、いくつかの場面を初稿から持ってきて、部分的に書き直し、現行の「悪魔のカーニヴァル・エンジン」にしました。
ただし、「初恋カーニヴァル・エンジン」と「悪魔のカーニヴァル・エンジン」では、後半の話は、ほとんど変えていません。
初稿でアリシアの機体が、「フェンリル」だったものをなぜか「初恋……」ではグリフォンに変えてしまい、それを戻さなかったため、「グレイプニル」をなぜかグリフォンが持っているという変な設定になってしまってます。そこは第2巻で、うまく辻褄合わせますが、続編で出てくる「フェンリル・ゼロ」の立場は微妙です。
というような経緯で書かれたのが、本作「悪魔のカーニヴァル・エンジン」です。
これのつづきは「カーニヴァル・エンジン戦記2 ストロベリー・アタック!」となります。
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