第47話・教師の装備
生徒たちは、長谷寺の言葉に開いた口が
(ダメとかダメじゃないとか、そういう問題じゃねえだろ…─)
言葉が通じなさそうな教師を前に、斎藤が
生徒たちは、目を点にしている。この美術室に乗り込んできた教師たちの姿に、頼もしさを感じたのだ。この事態の原因である長谷寺はというと、思い切り
「あー…オレら、そこのライフルデッサンする予定なんだけど、弾が入っててさ?カラにしてくれっつったんだけど、そこの、えーと…長谷寺センセー、全弾ぶっぱなしてカラにしやがったんだよ…」
「ダメだったの?」
掴んだ部分だけが、長谷寺の手型状にベッコリとへこんでいるドアを、彼は元あった場所に
「ダメだったの?」
「んー、ちょっと間違えてたかな?ココでは[
「分かった!ゴメンなさいっ」
頭を下げる彼を見て、どうやら長谷寺には、何かを行動に移す前に簡単な説明をしてやれば伝わるのだという事を、教師たちや1Dの生徒たちが理解した瞬間だった。このとき彼等が疑問に思ったのは長谷寺ではなく、むしろ高山のほうだ。彼等が持っている情報からすると、高山は、いつも長谷寺が困っている時に必ずと言っていい程のタイミングで現れる。唯一この中で吉川だけは、その理由を知っていたが、ココで言うわけにもいかない。高山が2Dの教室へ帰れるように、そっと誘導してやる事にしたようだ。
「はぁー…じゃあ長谷寺先生、俺達は戻るんで、子どもに無害な道具にして下さいよー。ほら高山も、戻るぞー」
「へーい」
「はぁい!バイバイ吉川くん!晃ちゃんまたねーっ」
.[子ども]と言われた事にイラつきそうになった生徒たちではあったが、今回の件で、大人になるまで、この世界を生き抜いてきただけの戦闘力を感じさせた教師たちからすれば、確かに自分たちは子どもなのだと多くの生徒たちが実感した。吉川をゲンナリとさせ、高山を笑顔にさせた長谷寺は、授業を再開しようと教卓に腰掛ける。
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