第13話・国語辞典
国語辞典に記載されている通りの事を、石川は読み上げる。
「タダシイってナニ?」
予感は
「えー…[事実などに合っていて、偽りや間違いがない]ことだってさ」
「なるほど!ありがとー、えっと…」
「石川だよ、
「泰地くんだね!分かったー!」
[正しい]の意味を何となくだとしても理解したのか、長谷寺は一つ
「じゃー…喧嘩は、間違いじゃないって思うことを言い合ったり殴り合うことで主張?する事?」
「あー、まぁそうだな」
普段全くしない事をした彼等の苦労の
「僕はねー、喧嘩したことないよ!殺し合いだけなの、ゴメンねー?」
晴れやかな笑顔で放たれた言葉に、3Dの生徒達は固まる。殺し合いしかした事がない、それは喧嘩以上にヤバいのではと、比較的常識に
千歳と石川の口はヒクリと動く、二人は、彼の
「どーしよっか、お絵描きとかする?なんかやりたい事ある?」
「…なんで武術の授業で絵ぇ描くのさ」
「センセー、なんか俺らでも使える戦い方とかねぇの?」
「うーん」
腕を組んで、長谷寺は考えてみる。剣術なら出来なくはない、治安の悪いこの地域一帯では身を守る力が必要である、だが自分のそれは殺し合いを前提にしたものでしかない。彼等は
「鬼ごっこする?みんなが僕から逃げるの!」
「……鬼ごっこ…」
「センセ、それマジで言ってる?」
「うんっ!」
また元気な返事をした長谷寺だったが、高校生になって、
「1回…やってみない?1人か2人でもいんだけど、他のみんなは見てるだけでもイイし、ね?やってみない…?」
寂しげな表情で、迷子の子どものような雰囲気を
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