第10話・授業
美しい彼が舞台へ姿を見せた
生徒の自己紹介を聞こうとするでもなく、姿勢を正せと言うでもなく、何も言わず何もしない、ただニコニコと笑みを浮かべてソコにいるだけの教師に、今まで辞めていった教師達とは、余りにも違う彼の
「俺、この学年取り仕切ってる
「白夜くんね、分かった~。ところでさ、ジュギョーってなに?」
自分たちの
「アンタ…ホントに教師かよ」
「そうらしいよ~?ねぇねぇ白夜くん、ジュギョーってなに?難しい?」
生徒の口の利き方も、全く気にしている様子はない。生徒が教師に授業のやり方を教えるなど、本来ならありもしない事だろうが、今日この教室に於いて、その
この状態を作り出したのは、毎度お
「アンタどうやって戦うんだ?」
「どうやって?戦う?」
質問した言葉を全て質問で返された彼や生徒達は、いよいよ長谷寺がバカなのだという事を確信し始めていた。当の千歳は、困ったように頭をポリポリと
「例えば、これが敵だとするじゃん?」
「そのボールが敵」
「…そう、で、俺が今からコレをアンタに向かって投げるから、どうやって攻撃するか見せてくれれば良い」
「なるほど!コレがジュギョーなんだね!分かったー」
全く分かっているようには思えない一同だったが、つまらない授業をサボって仲間内で遊ぶ時間もあれば、こういう時間があっても良いかも知れないと思わせるものを、長谷寺は持っていた。取り敢えず千歳が手にしているボールをぶっ飛ばせば良いのだという事を理解できた彼は、教卓の上でステッキを片手に猛獣が
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