第7話・好奇心
彼は一歩、
「どーしたの?」
「いや、何でもないです…」
心底不思議そうにしている彼を見た透は、この人物に深入りしてはいけないと、本能的に首を横に振りながら兄を見てみた。すると、ちょうど準備が整った所だったようなので、自分が片付けをしておくからと伝えて、透はカウンターへ入って行った。
「いってきまーすっ!」
「……行ってらっしゃい」
ニコニコして両腕を振りながらドアへ向かう長谷寺の声を無視できず、渋々返事をした透だったが、なぜ自分だけが彼に対して苦手意識を持たなければならないのか、そう考えてドアが閉まると同時に頭を
好奇心という名の罪が、ジワジワと透の
さて、店で透が
「お前なぁ…うちの店だろうがマンションだろうが、この辺に住むんだろ?」
「迅ちゃんトコにお世話になるー」
「─…店では無防備でも構わねぇけどよ、頼むから外では警戒くらいしてろよな…」
「心外だなぁ、ホラッ!これブキだよ!」
呆れられているという事は伝わったようで、長谷寺は桜色の唇を突き出しながら、その手に持っていた黒に
普通に道を歩きながら、飛んでくる魔力でコーティングされた銃弾や槍や斧、流れ弾ならぬ流れ魔法まで
そんなある日、非常に珍しく真剣に考え抜いた長谷寺は、武器屋に特注品を作ってもらった、それが今バーンと
「大丈夫だよぉー、ちゃんと帰りついて見せるから〜」
「…暗くなる前に帰って来なかったら、迎えに来るからな?」
「はーいっ」
状況を分かっていないように見える彼を前に、迅は自分の携帯端末の番号を書いた名刺を渡して、いつでも困ったら連絡を
.
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