第3話 メイドのシヴァ



「ご主人様、『ら・めん』です。どうぞお召し上がりください」




青い髪のメイドが男に食器を差し出す。

男は無言で、手を合わせた後、箸でずるずると麺をすする。

相変わらず、彼女の作る料理は冷たい、スープとかシャーベットみたいになっているし・・・


『ちょっと、ちょっと、この方は誰です?』


ん、まだ紹介していなかったか

彼女の名は『シヴァ』、氷の悪魔とか名乗っていたな・・・



『・・・』



にこりとほほ笑むメイド服の淑女は美しい女性だ。



『私が言いたいのは、なぜあなたのような 無価値な男 にこんな綺麗なメイドさんが居るのかということですよ』



無価値ってひどくない?

隔夜夢の繁華街を散歩していたら、声かけられて、そのまま成り行きで、今の様な感じになったんだが、


『HAHA、面白い冗談だ』


冗談?あと口調変わってるぞ


『よくよく考えたら、ここは隔夜夢・・・文字で好きな世界を構築できますからね、イマジナリー友達、イマジナリー嫁等々、作りたい放題です・・・ある意味ここは皆さんの性癖暴露会みたいな場所でもある』



「まぁ、ご主人、すると私に『あんなことやこんなこと』を無理やりさせたりする想像をしているんですね」

シヴァは顔を赤らめて両手で顔を隠す。



「え、ちょっと、俺が きもい みたいな感じで進めるのやめろ、本当に作っていないんだが」




$$$




午後、空は薄暗い。

男は部屋でキーボードを叩く。

上手くいかないのか、目には疲労が見え、陰鬱とした空気を醸し出している。


シヴァはその様子をこっそりと除く。



(ああ・・・)



(ああ・・・いいですわ・・・ご主人の陰鬱とした空気でご飯3杯はイケます・・・うふふふふ)



恍惚の表情でよだれを手の甲で拭う。




『・・・あ、この人もダメな奴だ・・・』




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