答え合わせ。
赤理が駆け寄ってくる。
「はるかぁ、さっきなんであんな酷いこと言ったの?」
「そうか?まぁ、あいつを潰すためには、あと一歩犯罪を犯してもらう必要があっただけだ。ここにいる神崎さんが見てる前であんな事したらあいつはもう人生を棒に振ったのと同じだからな。」
「そこまでわたしを使うとは・・・はるちゃんは抜け目ないねぇ・・で、イカさまはどうやったの?」
神崎は遥河がネタを明かすまで帰さないつもりだ、遥河は頭を描いて面倒臭そうに話した。
「・・・まぁ、まず、俺はあいつがイカさましてるのは最初からわかっていた。俺がカードをシャッフルして渡したとき右手で受けとって、わざわざ左手に持ち替えて置いた。その時にカードデッキ事すり替えられてたんだよ。」
「え、僕そんな事全然気づかなかったよ?どこに隠したんだろ?」
「袖だよ、袖に隠したんだ。」
「じゃあなんではるかは、わざわざ袖をめくれって言ったの?」
「もちろんそれはあいつがデッキを隠しやすくする為、わざわざ言ってやったのさ。あいつの思惑通りに事を進めさせるためにね。」
「ふぅん、そうだったの・・・
で、赤理ちゃんが持ってるカードはなんなのかな?♡」
「あ、赤理ちゃん!?僕は男ですよぉ~。」
「大丈夫だ赤理、俺もちゃん付けされてるだろ?・・・しかしバレたか。」
「だって後ろからだと赤理ちゃんの可愛く隠してる姿バレバレだもん♡
それよりも説明はやくぅ♡!」
神崎はふざけて見えても優秀、赤理は女の子扱いされて沈黙、遥河はため息をしていた。
「・・・・まぁそうだな。俺は最初にカードを確認した時、
「あの時は急に渡されて、びっくりしたよぉ・・。」
「それで赤理ちゃんがカードを持っていた訳ね。」
「いや、それはない、そんな事したら俺たちにバレて、自分の首を絞めるようなもんだ。」
「なるほど!」
「でも、話のキモはそこじゃない。」
「ん?」
「そうね、肝心なとこは、田代君があなたの
「ご名答。そう、この勝負はあいつが破綻しなければ意味がない。」
「えぇ!?僕は百万でも腰を抜かしかけたのに!」
「それもそのはず、普通の高校生がこの賭けをしたら、まず負ける。通常百万なんて金額聞いたらまず降りるだろ?しかし、そこは性根の悪い田代、降りても勝ちだが、乗ったらカモにされるのが落ちだろう。」
「ふーん?」
「だが、今回の相手は俺だ。俺は奴がレートを10万に上げた時考えた、奴の狙い、奴の真意・・・そう、奴の狙いというより、真意は自分が優れているという悦楽間だ、金はついで見たいなもの、つまり百万は、田代とって擦り傷程度だったんだろう。」
「いや、はるかも普通の高校生でしょ。」
(やべ!そういえば、そんな設定だったッ!気付かれたか!?)
赤理の視線が疑念の目になっていた。
「・・・はるちゃんは、高校生でも、普通の高校生じゃなく、ちょっと変わった高校生だからね♡!それは、赤理ちゃんが一番わかっているでしょ♡」
「・・・確かに・・・そうだねッ!」
(神崎がフォローしただと?)
この時遥河には疑心もあったが、神崎がいてよかったとも思った。
「はるちゃん、こんなとこでポカしないでよね(コソ)
まぁほんとにキモイわね、田代君は・・・だから政治家達にも気色悪がられてて、有名だったのよ。」
田代は政治のコネという脅しのネタを持っていたため、政治界で嫌われ者の有名教師であった。
「だから神崎さんも知ってたんですねぇ。」
「・・・まぁ、それは置いといて。俺が奴の真意が分かった時、奴の優越感をへし折った、2百万でな。」
「なるほどね、それで彼はあんなにもムキになった。」
「そう、自分を上回る想定外の出来事だ。ムキになるのも必然・・
だが、ここまではまだ俺の過程であった、そこで俺は1千万の勝負を持ち込み、奴の真意に賭けた、ここで受けなければ俺の負け、受ければ俺の勝ち、常人ならばこんなバカげた勝負受けないはずだ、だが田代が受けた、俺の過程は間違ってなかったということだ、そして俺の過程は確信になり、この後は見ての通りだな。」
二人はこの話を聞いて唖然としていた。常人ならぬ心理の分析、そして勝負強さ、唖然するしかなかった。
「・・・全く、わたしはそんな事に付き合わされてたのね。それでこんなゴミ役にわたしは1千万の肩を持つとはね・・」
「・・・そう言うなよ、お前が来てくれなきゃこんな勝負できなかったもんな、少しは感謝してるよ。」
「なにそれ、かわいくなーい(プンプンッ)」
「・・・ゴミに大金付けるのも悪くないだろ?少しはゴミの価値を知ったか?」
「・・・・フフ♡」
「?」
「それでもゴミはゴミだよ♡またね、はるちゃん、赤理ちゃんもまたね♡」
彼女は後ろ向きで話していたが、何故か今までにない心地よい雰囲気で帰っていった。
「ま、俺たちも帰るか。」
「うん!・・・・あ、あの、はるか・・・・。」
「どうした?」
赤理がモジモジし始める。
「・・・ありがとう・・・。」
赤理は恥ずかし気に遥河に感謝を伝えた。
「・・・あぁ。」(その笑顔は犯罪だ。)
そんな事を遥河は心の中で思い、二人で帰った。
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