破綻者【後編】
(パチンッ)「・・・もちろん・・・激熱だッ」
ついに遥河が指を鳴らした。
神崎はこれを見て、いつものように戻る。
「そっか、・・・さーすがッ!はるちゃんだね!♡」
「・・・いい気になるなよ?」
(バンッ!)田代は自慢げに役なしの手札を公開する。
「わたしは役なしだ。きみはどうなのかね?」
「・・・・そうだな。実は俺も
それを聞いた田代はホッとした表情で遥河のカードを見た。
もちろん遥河のカードはAとQであった。
「そうか、そうか・・それは残念だったな、しかし、この勝負わたしの勝ちだからなッ!神崎子音、ついた奴が悪かった用だな。」
「何言ってるのかな?田代くん?・・もうちょっとはるちゃんのカード見た方がいいと思うよ♡」
「・・・なにを言ってるんだ、わたしのハイカードの図柄が勝っているのがわから――ッ!?」
田代は驚愕した。遥河のAがクローバーではなく、スペードであったッ!
「そ、そんな馬鹿なッ!スペードのAはお前が最初にジョーカー合わせのスリーカードで出したはずッ!?」
「あ、そうそう、それもお前の勘違いだ。あれはスペードのAではなく。クローバーのAだ。探していいぞ?」
「なッ!?」
田代は無我夢中になり探した。そこにはクローバーのAがある。
「・・・な、なぜ・・」
「お前は自分の仕掛けに酔っていたんだよ。絶対に負けない。絶対にバレない。こいつ程度に分かるはずがないと。お前は完璧主義でコンプレックスを抱える・・・・そう、落ちこぼれだ。自分は誰よりも優れている、誰よりも勝っている、そう考えてもこの理不尽な現実と妄想の自分に絶望していたんじゃないか?そんな感情が俺はお前に見えたんだよ・・・だから、お前がロイヤルストレートフラッシュを狙っているのを途中からわかったんだよ、間抜け。」
「な・・なにッ!?わたしを侮辱する気か!?」
遥河は気味悪い笑顔で笑いだした。
「プッ・・・フフフッ。そう、俺たちは、こんなゴミ役に1000万賭けたんだぜ!?ほんと、バカにもほどがあるよな!」
「‥‥ッ!わ、わたしは、勝てる見込みがあるから賭けただけだッ!」
「勝てる見込み?負けてんじゃねぇかw
そもそも勝てる見込みがあったら、こんな役に大金賭けんなよ。」
「・・・・わたしは・・・こんな・・・こんなゴミに・・全財産を・・・。」
「そう、お前には付けられないんだよ、ゴミの価値を。」
「・・く・・くそ、くそぉぉぉぉ‼」
田代は隠していたナイフを持ち、遥河に襲い掛かるッ!が、神崎のガードマンにすぐに取り押さえられた。
「・・・連れて行って。」
「YES。」
「離せぇぇぇえ!!奴を殺すッ!!離せぇぇぇぇぇッ!!」
田代の声が遠のいていく、田代は人生を失ったのだ。
こうして田代との勝負は終わったのであった。
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