HeLa細胞の本、以前、読みました。がん細胞のDNA研究をしている研究室があり、講義でHeLa細胞の話になったのを覚えていたので。
今回のお話、なんだか考えさせられることがあるように思います。恐ろしい数に増殖されたHeLa細胞の哀しみを感じました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。お返事が遅れてすみません。
最小単位。ヒトの作る社会という意味では、わたしたち自身がそれに該当しますが。一生命体としてわたしたちを構成しているのは、無数のセルなわけで。そのどこからどこまでを『個』と捉えればいいのか。
答えは出せないし、ないと思います。
動植物のセルを乗っ取って増殖するウイルス類。彼らに意思があるのかないのか。HeLa細胞はヒトパピローマウイルスが組み込まれた変異細胞なわけで、じゃあそれはヒトの細胞なのか、ウイルスの意思が貫かれた細胞なのか。突き詰めるといくらでも疑問符が並びます。
同様に、組織されないと機能しない細胞群にあって。どこまで『個』を許容できるのか。どこまで『個』を滅却しないとならないのか。少年と教師の立ち位置の違い、和合点と不和合点、それぞれにとってのセルの意味。たった五千字ちょっとで、これだけ謎をぶん投げることが出来るんだなあと。
自分でも驚いています。
やっと全部読めました。
独特の世界観の中に、最後はセルというテーマが組み込まれており、とても興味深いものでした。
実は私もこのテーマについて考えたことがあります。
それは蟻の巣です。
蟻一匹は人間に比べ弱い、しかしそれは蟻一匹と人間一人を比べた時の話であって、蟻の巣一つを一つの単位として考えれば話は変わってくる。
人は一人が単位じゃないか、と思う方も多いかもしれませんが、実は家族、会社、国、そして地球という単位で考える事も可能だとおもいます。
地球という単位が宇宙にとって、有害なものなのか、多様性を持った美しい存在なのか、それは他の銀河に開かないと分かりません。
長くなって申し訳ありません、このテーマは個人的に好きです。世界観もとても良かったです、ありがとうございました!
作者からの返信
通読いただき、ありがとうございます。
おっしゃられる通りで、わたしたちは『個』『個人』というものを無意識のうちに自分自身を中心に考えてしまうんですが、実際にはそのユニット(単位)には大きな幅があるんですよね。
そのどこに視点を置いて、どこを見るか。それは、おそらく是非で語れないものなんじゃないかと。そこを暗黒で象徴させました。
自分自身を完成したユニットであると考えるのも、単なる大きなユニットの部品でしかないと考えるのも、どちらもありなのでしょう。ですが、それを一方向に押し込めようとする動きもあるわけで。(^^;;
若干のアイロニーといっぱいの疑問符を組み合わせて、みなさんの想像力をちくちく刺激できたなら、それでいいかなあと。(^^)