第45話 ボス戦闘

 二メートルほどの巨体に剣を叩きつける。

 しかし、傷はほとんどつかない。

 キンコツゴブリンのときとは違い、皮膚にひとつの傷をつけることすらも叶わない。

 魔法も使い、抵抗するが、ほとんどが当たらない。

 どんどん体力が減っていく。

 正直言って、俺に勝ち目がないのは明らかだった。

 しかし、相手は攻撃を仕掛けてこない。

 どれだけ攻撃しても、かわすだけで、カウンターを仕掛けてくることもない。

 どういう意図があるのだろうか。

 ただ、HPはほとんど削られない。

 どこまでも、戦い続けた。

 一旦退避して、ポーションを飲み、魔力を回復。

 そして、そのまま、

魔法力強化ブースト・マジック魔法強化チャージ隕石メテオ!!」

 俺の最大火力を放つ。

 巨大隕石があたりを蹂躙し、さらに爆発して、後には巨大なクレーターを残す。

 魔法威力増加や魔法命中など、スキルも発生したのだろう。

 クレーターには何も残らなかった・・・・。

 いや、それはおかしい。

 死体が残っていないということは・・・・・まだ生きている!?

 背後から襲い繰る気配に振り返り、上段から振りかぶられた剣を、二刀を重ねて受け止めた。

 俺は、オーガに尋ねた。

「あれで倒されないとは、頑強だな。どうやってかわした」

 オーガは答えた。

「あれほどの攻撃を受けたとしても死ぬことはない。かわさず受けた。それだけのことだ」

 これだけで、俺は改めて、この生物の恐るべき強さを確認した。

 これまでとは比較にならない圧倒的な力、技、生命力。そしてこの余裕。

 それは、俺の心を砕くには十分だった。

(くそっ、こんな化け物にどうすれば勝てるんだ!?)

 ・・・・・束縛魔法で捕まえて・・・・・いや、捕まえたとしても、力が強く、抑えきれない。・・・・・火花魔法で動きを阻害・・・・・ただ、それもここまで強いと防がれるかも・・・・・・メテオ乱発・・・・する魔力がない・・・一旦戻って対策を練る・・・・・・・それ以外無いか・・・・

 勝つための方法を練って、しかし、思い浮かばない。

 仕方が無く戦線離脱することにした。

 石の引き戸を抜け、閉めて、逃げる。

 迷宮の構造を覚えていたことが功を奏し、迷わず逃げられた。

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