第12話 あいつらの正体

 400年前、大規模なゴブリン討伐が行われ、ゴブリンの数を大きく減らした。その時の記録に書いてあったものの中に、〔キンコツゴブリン〕というものがあった。

“〔キンコツゴブリン〕 それは大柄で筋骨隆々、気性大変荒く、また恐るべき強さを誇る。大変危険なり。”

 と、そう書いてあった。



「そんなやつだったのかよ」

 そうつぶやいたのはマッチョウさん。確かにさっき遭ったやつがそんなやばいものだと知ると、とても怖い。

「しかし、こいつは確か、“絶滅”と書いてあったはずじゃぞ」

 あいつらは何故今になって出てきたのだろう。

 …………そのキンコツゴブリンの末裔…………違う。それであれば今まで発見されずにいたことが説明出来ない。…………突然変異はどうだ………いや、あれは4体位いた。あんなに多くて突然変異ということは無いだろう。じゃあ、何なんだ、あいつらは。

 しかし、ほかの人はそれを全く気にしていないようだ。

 確かに、今は現れた理由よりも、それの対策の方が重要だろう。

「多分奴らはもうすぐ町に攻め入るじゃろう。放っておけば町は滅びるぞ」

「町の警備を強化すれば……」

 いいじゃないか。と、提案しようとした俺の声は町長であるカイによってさえぎられた。

「いや、そうもいかねえ。予算もないし、人もいない。しかも、ここは王都からだいぶ離れているから騎士を呼んでも、着くころには町は滅びているだろう」

 じゃあどうすればいいんだ。出来ることは無いじゃないか……。

 ここで、マッチョウさんがすごいことを言い出した。


「いっそ、やつらの巣を見つけて、根絶やしにしませんか?」


「「「それだ!」」」

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