第11話 長老
事情を説明した。俺が転生者であることがばれかけたので余計に緊張した。今は何とか落ち着いたが、少し疲れた。この世界では転生者といえば反則級のすごい能力や武器を持った人間なので、能力なしの転生者と知れたら絶対驚かれるか笑われる。俺にとっては緊張で噛みまくるよりも、そのほうが恥ずかしい。
「ふむ、事情はわかった。なるほど、それで走ってきたのだな。ふ~む」
考え込む長老。さあ、何の情報が得られるだろうか。
――15分後。長老は黙り込んだままだった。
考え続けているのだろうか。
と、思いよく見てみたら、寝ていた。
駄目だこりゃ。
長老を揺さぶり起こしながら思ったのだった。
長老は、起きるとすぐに何かを思い出したようで、そそくさと家の奥に入っていった。
5分後、長老が本を持って出てきた。
なるほど、家の奥は書庫になっているのか。
「そういえば、この本に書いてあったはずじゃ」
といって本を開き、説明を始める。
4年に一度、どこかでゴブリンが凶暴化するらしい。今年はちょうどここだったということだ。そして、森の生き物がいなくなったのは、ゴブリンが凶暴化し始めた証で、ゴブリンたちが森の生き物を駆逐してしまったか、それを見た生き物が森から逃げてしまったかのどちらからしい。
「でもあの巨大ゴブリンは何ですか。ゴブリンって小柄な魔物のはずでしょう」
「それがわからんのじゃ。しかし何かに似たようなことが書いてあったような……」
考え込む長老。何に書いてあったんだ。
――15分後、長老は寝ていた。
…………やっぱり。
長老を起こしておいた。
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