二月十五日、十七日

 十五日。

 金柑の木のしたで、鳥が二羽取っ組み合いをする。熟したふたつの実と一緒に地面を転がる。喧嘩かなにか知れないけれど、金柑の坊の言はこう。「どちらさんでも、ぼくを食べて遠くへ運んでくれないかなあ!」


 十七日。

 菜の花が咲く。塞の神さんの横顔を黄色く照らす。食卓にも花の開かないうちのが、湯がかれて並んだ。

 家のすぐ横の田んぼにトラックが入って、田植えのための作業をはじめている。土手のくずれているところや、もぐら穴をふさいでしまうのだろう。

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