二月十三日

 庭の金柑きんかんじゅくすにまかせていると、ついにくちばしの長い鳥が食べにきた。去年はそれで収穫しゅうかくしそこねたのだけれど、結局あみもなにもしないでいるので、また彼らのおやつになるだろう。

 道端に薄茶色く、種をこぼしきった百合のから。すらっとしたのが、まぼろしの獣の角のよう。とがった両耳のあたりから二本生えて、毛は白百合の、鹿のかたちの影ひとつ、山のなかへと消えるのを見た。

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