一月三十一日、二月一日

 三十一日。

 マシュマロを一袋いただく。聖夜のツリーにかざられていそうな、雪いろの菓子。

 大樹にさらりと光る実を、夜の子どもたちがもいでいく。手を伸ばして、ほおって、今夜のしるしに。……

 これは焼いたりココアに溶かしたりしても美味しい。気を付けないと爪の先まで甘くなる。


 二月一日。

 寒い日の夜更けには、自分のこんな詩を思い出す。いくら明かりが消えようと、おやすみなさい、まで、おしゃべりはやまない。


 シュトレン

 名前を呼んで


 きみの苦手なラム酒漬けは

 いれていないんだ

 ゆっくりと話をしよう


 コーヒーのなかで

 ミルクがくるりくるり

 時計代わりにまわるから


 飲みほす頃には

 暖炉のなかも

 すっかり夜になるだろう

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