平成三十一年一月一日、二日

 一日。

 外へ出るとそらられはじめている。ひと足さきにまぶたをおろした山は呼吸をゆるくする。音もない逢魔が時マジックアワー

 南にごろごろかたまる街明かりを見おろす。元日をよろこぶ顔や声がそこに照らされてあると思えば、ほどける花にもなろう。


 二日。

 石油ストーブに鍋をかけて甘酒をいただく。朱塗りのわんに、とろりと注ぐ祝い。

 赤と白、といえば時期に走りまわる郵便バイク。忙しさもおめでたさもふくらむもちのごとく、しかし手元に届く一葉がうれしい。

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