十二月二十三日、二十四日

 二十三日。

 妹夫婦がくるというので、おもてに七輪を出して炭をおこす。頬をなでる熱も、おこし炭のにおいも心地よい。

 なんでも焼こうと畑から馬鈴薯じゃがいもを掘りだす。寝かせておいた薩摩芋さつまいももくる。白菜など丸ごと蒸し焼きにして甘い。数人で箸と話とを飛び交わすのがもう可笑しく、まとまりようもない。


 二十四日。

 思いがけず晴天。いまだとばかりに窓ふきをする。

 一年中、素敵な風景を贈ってくれる戸窓。今年もここから様々なものを見た。

 水と若苗。なんやかやの小動物。くっきりと映りこむそらの肌。黄金こがねたたみ。こどもたち。雨粒、雷光、虹のいろ。……

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