十月十七日、十八日

 十七日。

 夕方の散歩。金の雲が西あたりに波と寄せ、またたく間に引いていく。村には迷いこむように、雨が数粒落ちてくる。ぱたりとひかる。

 収穫しゅうかくを忘れられた柿。空き家の、また古い畑の、もうじゅくしに熟して焼けている。何十個も枝にしがみついたのが繭玉まゆだまにも見える。その根もとをあかあかした唐辛子が囲んでいる。


 十八日。

 夜。見あげると南に半月と火星。ふくらんだうさぎの耳と赤い目。秋を渡っていく。

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