十月十五日、十六日

 十五日。

 秋の祭典があるので村内にかざりが置かれている。去年は西の山で太鼓たいこたたいて、林のなかでお神酒みきをいただいた。細いあぜ道を頼りに、あちらこちらの家からひとが出てやってくるのを見ていた。


 夕。母校をたずねる。職員室に近づくのは、いくつになっても緊張するもの。

 桜並木。掛け声。金木犀。吹奏楽。……思いがけず長居をして、日が落ちてから帰路につく。


 十六日。

 ねむれずに夜中起きだしてきょくを書く。作法は知らないけれど気もちだけで幕開け。


 新潮日本文学より『夏目漱石集』を読んでいる。一時おくと内容を忘れている作品も多く、新鮮で楽しい。

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